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| P49 | 1999年初頭の急成長は、長引く日本の不況の終焉を意味するのか | rapid growth : 急成長,高度成長、 stubborn : 頑固な、 recession : 景気後退 |
| 1 | 公式発表が信頼できるとすればだが、1999年第1四半期の日本の成長は世界 一であり、年率8%の割合にもなる。他と比較すると、これは同時期のアメ リカ経済の2倍、ドイツの成長率の4倍である。この勢いが維持できるかどう かについては疑義を抱くものもいるが、これが線香花火的なものには終わら ないだろうと思われる確かな理由がある。2000年に向けて、アメリカ経 済が落ち込みアジアが回復する今、世界経済を率いる牽引車に大きな変化が 訪れようとしているのかもしれない。 | official report : 公式報告、 first quarter : 第1四半期、 annualize : 年平均に直す、 in perspective : 正しい相関関係で、 sustainability : 持ちこたえる力、 surge : 高潮、 solid : 確かな,根拠のある、 flash in the pan :ほんのちょっとだけ希望を持たせて消えること,線香花火の ように消えること,竜頭蛇尾、 take place : 生じる |
| 2 | 投資家は日本に関して悲観的である。というのも、円高によって、国内消費 需要を抑え込んでいるデフレがさらにひどくなり、日本の景気が一層悪くな ると予想するからである。しかし、日本はソニーとは違う。輸出がGDPのわず か10%しか占めないアメリカ同様に、日本は巨大でそれ自体確立した経済 圏を持っている。ドル高がアメリカに悪影響を与えないのと同様に円高も日 本に悪影響をもたらさない。 | investor : 投資者、 strong yen : 円高、 deflation : デフレ、 choke off : 抑える、 domestic : 自国の、 account for :割合を占める、 GDP :gross domestic product,国内総生産 |
| 3 | また、一般に考えられていることとは異なり、円高は日本の回復に役立つ。 日本銀行はFRBよりもはるかに為替レートに影響される。現在のように円が強 いときには、日銀は円を安くしようとする。外国為替市場で円を売ったり、国内 では円を増刷して通貨供給量を増やすのである。1996年の景気上昇の一 因はまさにこの通貨供給量の増加であったし、円高が続く限り、2000年に向 けて日本が予想以上に速く成長を続けるとしたら、それはこの通貨供給量の 増大のためであろう。 | conventional wisdom : 一般通念、 Bank of Japan : 日本銀行,日銀、 exchange rate : 為替レート,為替相場、 Federal Reserve : 連邦準備制度、 foreign exchange : (外国)為替、 money supply : マネー・サプライ,貨幣供給量、 monetary expansion : 通貨供給量の増加、 upturn : 景気上昇 |
| 4 | 円が弱くなり過ぎると、当局は紙幣増刷を止める。1996年の日本の景気回復 があれほど短命だった理由がこれで説明できる。政府は消費税を上げて財政 政策を引締め、財政支出を抑えた。日銀もまた悪いことに金融政策を引締め た。広義の意味での通過増加は1996年の4%から1997年にはわずかに0.5%と なる。これは円安を防ぐためであり、円安だとアメリカや中国との貿易摩擦 を引き起こすからである。 | upturn : 景気上昇、 short-lived : 短命の、 tighten : 締める、 fiscal policy : 財政政策、 consumption tax : 消費税、 rein in : 抑える,抑制する、 government spending : 財政支出、 tighten monetary policy : 金融政策を引き締める、 broad money : 広義の通貨、 real terms : 実質、 stem : に抵抗する,くい止める、 trade friction : 貿易摩擦 |
| 5 | そうなる代わりに、この金融引締めは逆効果をもたらした。日本の金融政策 が余りに緩いからというので円が弱くなったのではない;経済が混乱しており 日本の投資家が資金を国外に移したため円の対ドル相場が下がったのだ。経 済が破綻すればするほど円は下がる。日銀は経済に資金をつぎ込んで経済を 循環させようとはせずに、円を防御しようと介入したため、景気悪循環を断 ちきるのに必要な流動性を損ねてしまった。 | monetary : 金融の,財政上の、 clampdown : 締付け、 opposite effect : 逆効果、 monetary policy : 金融政策,通貨政策、 mess :混乱、 offshore : 沖合、 collapse : 崩壊する、 plunge : 下落する、 pump : 供給する、 intervene : 干渉する、 choke off : 抑える、 liquidity : 流動性、 recessionary : 景気後退の、 spiral : 螺旋 |
| 6 | 今回は、財政金融政策共に緩まったままの状態が続くことはまず間違いない。 予算の面からしても、小渕恵三首相にとり選挙の年となるかもしれないので、 政府が増税する可能性は少ない。さらに重要なことは、円が今高いことだ。 日銀は2月、円高を相殺するために通貨供給量を拡大する計画を発表した。広 義の通貨量も5月は力強く増加している。円安に誘導しようという最近の日銀 の介入は、この政策が依然有効であることを示している。日本の先行指標は いずれも、今年下半期日本の景気がさらに力強くなることを示している。 | this time around : 今回(巡って来たこの機会)の、 fiscal : 財政上の、 monetary policy : 金融政策,通貨政策、 election : 選挙、 offset : 相殺する、 intervention : 介入、 in force : 有効で、 leading indicator : 先行指標,先行指数、 economic strength : 経済力、 second half : 下半期 |
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これこそクリントン政権が日本に求め続けてきたものであるが、その夢がか
なうとアメリカは被害を被るかもしれない。日本の景気低迷、それに東アジ
ア経済の崩壊は、ウォール街にもアメリカ経済にとっても良いことであった。
危機に見舞われた東アジアのエネルギー需要の低下が一因となって原油の値
段が低下し、それと安くなったアジアからの輸入品のお陰で、アメリカの消
費物価の上昇は半分にまで抑えられてきた。過去20年間で今は強気市場なの
だが、これがインフレを沈静化し、利率を下げ、株価上昇を産み出している。
1997年のタイ通貨切り下げ以来、スタンダード アンド プア社による株価指数
は一株当たり利益は一律50%上昇している 疑問 relatively flat:一律と訳してけれど |
administration : 政権、 curse :悪態,呪い,毒舌、 Wall Street : ウォール街《New York 市の株式取引所所在地》,米国金融市場、 coupled with : 〜と相まって、 energy demand : エネルギー需要、 bull market : 強気市場,強気相場、 falling inflation : 鎮静しつつあるインフレ、 interest rate : 利率、 Standard & Poor's 500 (Stock Index) :スタンダード アンド プア社 500 種平均株価、 stock index : 株価指数、 earning per share : 一株当たり利益 |
| 8 | だが今や日本は回復基調にあり、原油の値段は1996年の高値の時代の半分に まで戻ってきており、アメリカのインフレを示す指標は上昇してきている。 既にFRBは去年の0.25%利率引き下げを取り消した。今後12ヶ月間この状態 が続きインフレに軽いのブレーキがかかることを多くの専門家は期待している。 事実、利率を近々引き上げるつもりはないとFRBは指摘してきた。だが、日本 の景気が世界を驚かすほどに上向き、ユーロ地域の需要が安定してくると、 1987年のときと同様に原油価格の上昇がアメリカのインフレへの圧力となる かもしれない。そうなると、経済を沈静化し、インフレ圧力を弱めるために FRBは再三にわたり利率を引き上げることとなるかもしれない。 | figures : 数字,統計、 trend : 傾く,向く、 reverse : を反対にする、 firm up : しっかりしたものにする、 more than once : 一度ならず,何度も、 inflationary pressure : インフレ圧力 |
| 9 | それはアメリカの大いなる強気市場の終焉を意味し、遂には世界経済の原動 力となってきたアメリカ経済が失速することとなるかもしれない。しかし、 アメリカの景気後退は、ドルが弱くなるとすればだが、日本の回復をますま す確実なものとする。1994年にFRBが利率を上げた際、日本の金融機関がアメ リカの資産を売り資金を本国に引き上げたためドルは円に対して25%下落した。 歴史が繰り返されるとすれば、円が強くならないようにするには日銀は紙幣 を増刷する必要があるだろうし、それはまた、日本の低迷する景気にとって はまたもやうれしいニュースとなろう。こうした傾向が続くと、世界の景気 を牽引する役目は、アメリカから日本へと移行するかもしれない。そうなれ ばまたまた驚くべきことである。 | bull market : 強気市況,強気市場、 in turn : 次には,今度は、 derail : 狂わせる,脱線させる、 locomotive : 機関車,原動力、 slowdown : 景気後退、 all the more : いよいよ,かえってますます |
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