Retraining Your Brain

Retraining Your Brain
(7.5.P38.1999)

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今回は BUSINESS から
  面白い話ですね。脳はまだまだ未知の部分が多いということなのでしょう

脳の再訓練


語彙は主に『英辞郎』Ver.17から抜粋

BY JOHN GREENWALD
 

大意

語彙

P38 如何にして新しい神経学理論を使って言語や読書障害を軽減するのか neurological : 神経学的
1 「何?」ニコル・ディビスが6歳のとき、非常に単純な質問であってもこれが 彼女の普通の反応の仕方。一見賢そうなのだが、彼女は同年齢の子供よりは るかに遅れており、友達を作るのも難しかった。個人的に言語治療を2年間受 けたものの彼女は会話のスピードにはついていけなかった。そこで母親のド ナは彼女を「Fast ForWord」に入れる。通常の会話を理解できるほどには言 語の音を素早く処理できない彼女のような子供たちを救うために、カリフォ ルニア州バークレーの科学的学習社により開発された強力なビデオゲームプ ログラムのことである。ニコルはニュージャージーの言語矯正所で6週間みっ ちりとゲームをし、「別人のようになって」帰ってきたとドナ・ディビス。 今では、元気一杯のこの2年生はクラスの友達とペチャクチャしゃべり、成績 も良く、読書能力は素晴らしい。ニコルはこう言っている、「物語や詩を書 いたり本を読んだり、友達と遊んだりするのが好き」 seemingly : 一見したところ〜のようなだが、 lagged : 遅れを伴う、 peer : 対等者,仲間、 speech therapy : 言語治療、 fail to : 〜しない,〜できない、 enroll : 入会させる,入学させる、 comprehend : 理解する、 speech clinic : 言語障害嬌正所,言語クリニック、 ebullient : ほとばしり出る、 chatter away : 早口でペチャクチャしゃべり続ける、 get good grades : 成績が良い、 stellar :星の(ような),優れた
2 新しい手法を学ぶ際の脳の能力に関して最近素晴らしい発見がなされている が、ニコルの能力を引き出したこのソフトはその有望な応用例といえる。脳 は「極めて柔軟」であり──コンピュータのチップのように完全に固定され ているものではなく──一生の間、厳しい訓練をすれば再編できるものだと 科学者は考え始めている。Fast ForWordゲームは心のエアロビクスのような もの──言語能力に関与している脳のその部分の弱い配線を強化するように 作られているのである。 application :適用,応用、 massively : どっしりと,大規模に、 plastic :塑造できる,思いどおりの形に作れる、 fixed : 固定した、 rewire : 配線し直す、 throughout life : 一生の間,一生を通じて,全生涯を通じて、 rigorous training : 厳しい訓練、 aerobics :エアロビクス,有酸素運動
3 脳の驚くべき可塑性を知り、科学者は様々な病気の治療に対して新しいアプ ローチを追求している。「今の私たちというのは、脳が学習してきた結果な のです」と、サンフランシスコにあるカリフォルニア大学の神経科学者マイ ケル・メルゼニッヒ。彼は科学的学習社の共同設立者でもある。「人の欠陥 を治療するために集中訓練をどのように利用しようかと大勢の人が考えてい ます」
疑問
remediate:
辞書には形容詞しかなく、しかも《廃》になっているけど、ここでは 動詞ですね。なんでこんな語を使ったのでしょう?
plasticity : 可塑性,柔軟性、 in hot pursuit : 〜を激しく追跡して、 ailment : (軽い)病気、 progression : 経過,発達、 neuroscientist : 神経科学者、 co-founder : 共同創立者、 intensive training : 猛訓練、 remediate : 、 impairment : 欠陥
4 この発見はまた、ビジネスの機会も提供する。科学的学習社というのは7月半 ばに初公募を予定している教育関連の新興企業である。この会社は、去年510 万ドルの売り上げに対して1,070万ドルの損失を計上したのだが、4歳から13 歳のアメリカの若者のうち1,600万人が読書障害があると推定されている今、 言語と読書能力を同時に視野に入れている。読書能力改善という市場は巨大 だが分散しているものの、既に病院、家庭、それに学校を巻き込んできてい る。先頭を切っている会社には、学習障害を持つ児童のセンターを運営して いるカリフォルニア州サンルイスオビスポのリンダムード・ベル学習課程 (1998年利益:1,100万ドル)といったニッチ市場の参入者から、学習社 (1998年利益:8億3,930万ドル)まである。この学習社は、去年の春35億ド ルで株式交換をしてマテルが獲得した、Reader Rabbitなどの教育ソフトの製 作会社である。
疑問
stock swap:
具体的には何をしたのでしょう?35億ドルはどうなったの?
business opportunity : ビジネスチャンス,事業機会、 start-up : 新興企業、 initial public offering : 初公募、 fragment : 寸断する、 encompass : 含む、 niche player : ニッチ市場の参入者、 revenue : 利益,総収入、 San Luis Obispo : サンルイスオビスポ,アメリカ、 learning disabilities : 学習障害,学習不全、 Mattel : マテル(世界一のおもちゃメーカー)、 acquire : 獲得する,取得する
5 科学的学習社は5月、シカゴの公立学校にFast ForWordを試験的に提供すること で大成功を納めた。今では、民間の医師がFast ForWord訓練を主に提供して おり、そのコストは2,500ドル以上となる。 coup : 大成功、 pilot project : 試験計画、 school system : 学制,学校組織、 clinician : 臨床医
6 Fast ForWordの恩恵を誰もが受けるとは言えないが、中枢聴覚処理障害とし て知られる症状に苦しんでいる多くの子供に対して著しい効果を示してきた。 この症状を持つ人達、恐らく小中学校の生徒400万人が苦しんでいると思われ るが、彼らは音素──言語の基本骨格をなすもの──間の違いや、特にb,d, pといった会話では1000分の1秒で飛び交うような子音間の違いを区別するの に苦労している。この症状はまた読解力も遅らせる。というのも、子供たち は、本の中にある文字と自分達が耳にする曖昧な音とを合致させることがで きないからだ。
疑問
central auditory processing disorder 中枢聴覚処理障害と訳したけども?
auditory : 聴覚の、 disorder : 障害,疾患、 ailment : 病気、 afflict : ひどく苦しめる,悩ます、 secondary school : 中等学校、 phoneme :音素,音素"とは,言語の音声を構成する最小単位の要素のこと、 consonant : 子音、 retard : 遅らせる、 match up with :〜と合致する、 indistinct : はっきりしない
7 この問題に対するFast ForWordゲームの取り組み方というのは、子供に音素 間の区別をするよう訓練すること、つまり最初は人為的に遅くしたスピード で、それから普通の会話のスピードにしたもので行うというものだ。子供は 自分が耳にしたものを区別するために、アニメになった画面のゲーム上でマ ウスをクリックする。訓練は集中的に行われる──生徒は、1日100分、1週間 に5日コンピュータの前に座っていなくてはならず、これが4週間から8週間続 くのである。というのも、脳の配線を替えるには非常な集中力が必要だから である。昨秋、科学的学習社は子供向けのFast ForWord IIを発売、これによっ て余分に訓練をすることができる。(親が言うことなのだが:この記者の12 歳になる息子ビリーが2つのプログラムで満足すべき進歩をしたという) distinguish : 識別する、 phoneme : 音素、 artificially : 人為的に、 rewire : 〜の配線を替える,配線し直す、 roll out : 量産する、 disclosure : 打ち明け話,暴露
8 その効果はどれほどなのか?ユーザー1,000人を使った科学的学習社の研究に よると、そのうち90%が指示に従うとか複文を理解するといった技能にお いて平均1年半から2年の進歩をみたという。しかしながら、なぜ効果が子供 によって異なるのか、また全く効果が出ない子供がなぜいるのかは、この 会社にもわかっていない。「特効薬はないのです」と警告するのは国立小児 保健発育研究所で児童の発達と行動の研究室長のレイド・リオン。この研究 所はFast ForWordとか他の治療プログラムに関して5年間の研究調査を行って いる。 complex sentence : 複文、 silver bullet : 特効薬,魔法の解決策、 National Institute of Child Health and Human Development :《米》国立小児保健発育 研究所、 remediation : 矯正,治療教育
9 科学的学習社はやるべきことをやっていないと厳しく非難するものもいる。 例えば、読書障害というのは音を言語に変換するべき脳の障害であって、 科学的学習社が言うようなハッキリとした音素を認識できないからではない と主張する話し方の専門家も多い。この会社独自の研究はその理論をテスト するには「適切な条件の下で行なわれたことはありません」と、心理学者マ イケル・スタッダート−ケネディ、エール大学の話法と言語研究では第一級 のセンターであるハスキンズ研究所所長。それに反論して、ラトガー大学の ニュージャージー州ニューアークキャンパスの神経科学者であり、科学的学 習社の共同設立者であるパウラ・タラルは:「結局のところ重要なことは、 それが効果があるかということです。理論に賛成するかどうかではありませ ん」 harsh : 厳しい、 contend : 強く主張する、 arise from : 生ずる,に起因する、 inability : 無能、 detect : 感知する、 psychologist : 心理学者、 neuroscientist : 神経科学者、 co-founder : 共同創立者
10 シカゴ郊外にあるエリム・クリスチャン校の理事は喜んでこの考えを支持。 エリム校の生徒40人ほどがこのFast ForWordのプログラムを経験したがその 多くに効果があった、と学校のネットワーク・サービス役員リンダ・クレイ ン。これを受けてシカゴの教育機関はFast ForWordを試してみたのである。 gratify :満足させる、 administrator : 管理者,行政官,理事、 endorse : 是認する,支持する、 network service : ネットワーク・サービス
11 それでもなお、科学的学習社は、競争が激しく、理論家が争い、利益目的に 対しては絶えず侮蔑の非難が浴びせられる市場で広範な支持を勝ち取るには もっとあっと言わせるようなことをしなければならないだろう。しかし、子 供が学習障害を乗り越える手助けができる会社にとりなによりの報酬は金銭 で測られるものではない。「なんと、生徒が自分の能力に自信を持てる手助 けができるというのは、その子達の人生に関われるということなんですよ」 とクレヨン。ニュージャージー州のニコル・ディビスはそのことについて詩 を書きたくなるかもしれない。 boffo : 世間をアッと言わせるような,大当たりの、 fierce competition : 激烈な競争、 feud : 敵意、 disdain : 侮蔑、 profit motive : 利潤動機,利益目的、 payoff : 利益


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