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| P78 | 切り分けられた骨と猿人、これは驚きだ:この大きな歯をもつ腐食動物は 私たちの先祖だと言うのだろうか? | fillet :〈魚を〉おろして切り身にする,…からヒレ肉を取る、 ape-man : 猿人、 scavenger :腐食動物、 ancestor : 祖先 |
| 1 | 東アフリカにある古代の乾燥した堆積物を75年間以上発掘した結果、現代の 人類につながる長い進化の軌跡について多くのことを知ることができる。例 えばルーシー、およそ320万年前にこの大陸を闊歩した直立歩行の前人類であ るアウストラピテクス。あるいはホモハビリス、分っている最初の人類であ りルーシーから120万年後にこの同じ地域に現れ石器を使い、また作っていた。 そして直立猿人、彼らはその後まもなくアフリカに出現し世界中に広まった。 | arid : 乾燥した,不毛の、 sediment : 堆積物,沈澱物、 evolutionary : 進化した、 trail : 痕跡、 australopithecine : アウストラロピテクス類の,アウストラロピテクス類の化石人、 stride :大股で歩く、 Homo habilis :ホモハビリス 《初めて道具を作ったとされる直立猿人; 約 200 万年前 の最古のヒト属》、 Homo erectus :直立猿人,ホモエレクトゥス、 thereafter : その後 |
| 2 | だが、この有史以前の系統が大まかには分ってきたものの、肝心の部分はま だ分ってないところが多い。その中でももっとも重要なものと言えるのは: 正確に、いつ、どうやって、また最も重要なことなのだが、ルーシーのよう なアウストラロピテクスがなぜ人類へと進化したのか、ということ。不幸な ことにここでもマーフィーの法則が当てはまるのだ。つまり重大な転機が起 きたまさにその200万年から300万年前の間の化石が特に少ないのである。 | broad outline : 大体の輪郭、 prehistoric : 有史以前の,先史時代の、 genealogy : 系譜,血筋、 crucial : 極めて重大な、 pivotal : 中枢の、 evolve into : 進歩して〜になる、 Murphy's Law :マーフィーの法則《経験から生まれた種々のユーモラスな知恵; うまくいかない可能性のあるものはうまくいかないとか仕事は常に予想したより 長時間を要する, など》、 arrange matters : 繰り合わせる、 fossil : 化石、 sparse : わずかな、 transition : 移行 |
| 3 | だからこそ、先週雑誌サイエンスに発表された一連の発見に古生物学者がそ れほど色めきたったのだ。エチオピアで発掘作業をしている国際探検隊が、 人類の祖先にあたる新種の頭蓋骨の一部を発見。まさに移行期間のど真ん中 の250万年前のものであった。また、ほぼ同時期に同じ場所で動物を屠殺する 道具を使っている者がいたという証拠も発見された。腕、脚、それに足の骨 の化石も見つかり、当時人類の祖先がどのような体型であったかについての 重要な手がかりを得ることができる。「これは全く凄いことです」とペンシ ルバニア州立大学の解剖学者アラン・ウォーカーは主張する。 | series of discoveries : 一連の発見、 paleontologist : 古生物学者、 expedition :遠征,探検隊、 skull : 頭,頭蓋骨、 new species : 新種、 butcher : 畜殺する、 foot bone : 足骨、 anatomist : 解剖学者 |
| 4 | それの意味するところを誰もが分っていると言うわけでもない。まず第一に、 これら3つの発見が互いにどう関連しているかは研究者にもさだかではない。 例えば、研究者がアウストラロピテクス・ガーフィ(ガーフィとはアファル 語でで驚きを意味する)と呼ぶところの新種が確定されたのは、エチオピア のミドルアワシュというボウリ村近くの乾燥した岩だらけの大地から発掘さ れた頭蓋骨の断片に、完全な上顎と並外れて大きな一そろいの歯が残ってい たことによる。古生物学者がその頭蓋骨をよくみてみると驚くべきことがわ かった。歯と骨から判断すると、明らかに初期の人類よりも原始的だがアウ ストラロピテクスとして知られるものよりも現代人に近い種よりもだったの だ。すなわち、それは人類に直接つながる移行期の種かもしれない──もし くは、進化の行止まりになった系統樹の一つの枝だったのかもしれない。 | not to say : 〜とは言えないまでも、 to start with : 第一に,とにかく、 relate to : 〜に身近である、 Australopithecus : アウストラロピテクス属、 Afar : アファル語、 fragmentary : 断片的な,破片の、 upper jaw : 上あご,上顎、 unusually large : 並外れて大きな、 excavate : 掘る、 arid : 乾燥した,不毛の、 paleontologist : 古生物学者、 australopithecine : アウストラロピテクス類の,アウストラロピテクス類の化石人、 transitional : 移り変わりの,転換の、 lineage :系統,血統,親族、 family tree : 系統樹,家系図、 dead end : 終端,袋小路 |
| 5 | 腕、脚、それに足の骨は同じ地層で見つかったのだが、頭蓋骨と歯はおよそ 900フィート離れていた。2つの発見を結び付ける身体的特徴が無ければ、 また、比較のための歯がなければ、古生物学者にもそれらが同一の種である との確信は得られない。しかし、頭蓋骨と同様に、これらの化石には原始的 な特徴と進化した特徴が合わさって存在する。アウストラロピテクス・アファ レンシスは360万年から290万年前に住んでおり下肢よりも前腕が長かった。一方、 ホモ・エレクタスはおよそ170万年前に現れたのであるが、現代の人類と同様 に前腕が短く下肢が長い。新しく発掘された化石はこの中間に位置する。年代的 にも解剖学的にもそうなのだ。つまり、下肢の骨は前腕の骨が短くなる少なくと も100万年前には長くなったということ。 | geological : 地質学(上)の、 physical proximity : 物理的近接,体と体の接近、 paleontologist : 古生物学者、 primitive : 原始的な、 trait : 特性,特徴、 Australopithecus afarensis :アウストラロピテクス アファレンシス 《エティオ ピアで化石が発見された初期の猿人; 350-400 万年前に生存したと推定されている》、 forearm : 前腕、 chronologically : 年代順に、 anatomically : 解剖学的に |
| 6 | とはいえ、ある意味では食肉解体人だったという証拠は最も興味をそそる発見だ。 私たちの先祖と思われる人々がどのような姿だったかだけではなく、どんな 行動をしていたかもわかるから。サイエンスに掲載された記事によると、ア ンテロープの顎骨の化石には、「鋭い石の破片でつけられた分かり難い切断 の跡」が見られ、石片は恐らくこの動物の舌を切り離すために使われたのだ ろうと科学者は考えている。ミツユビ馬は足を切断され、その脚の肉が剥が されていた。また別の動物の脚の骨には人間がつけたと思われる切り口、刻 んだ跡、叩いた跡が見られるが、これは恐らく内部の髄を得るためだったの であろう。またやや古い道具が60マイルほど離れた場所で以前に見つかった のであるが、今度のものは屠殺に関連したものでは最も古い証拠となる。す なわち、これは人間への進化の重要な段階であり脳の容積の増大に対する一 要素なのである。 | butchery : 屠殺、 putative : 推定(上)の,推測(上)の、 jawbone : (下)顎骨、 antelope : カモシカ、 unambiguous : あいまいでない,明白な、 flake : 薄片,一片、 horse : コカイン,【変化】《動》horses | horsing | horsed,馬,鞍馬,騎兵,物を掛ける台,好色、 dismember : 手足を切断する、 fillet : 魚をおろす、 scar :〜に傷跡を残す、 chop mark : 刻印、 hammer : 叩く,〜を槌で打つ、 marrow : 骨髄,髄,髄質、 associate : 関連づける,関連させる、 carnivorous :肉食性の、 milestone : 画期的事件 |
| 7 | 道具を使った跡があったといっても、使用した者がハンターだったとは限ら ない。この過酷な砂漠が250万年前には今ほど乾燥していなかったとはいって も、そこはほとんど身を隠す場所の無い草原であった。「二足動物にとって は格別快適という環境ではなかった」と言うのは、カリフォルニア大学バー クリー校の古生物学者のティム・ホワイト、探検隊のリーダーの一人である。 道具を使うものにとって待ち伏せしやすい場所ではなかったから、恐らく彼 らは死んだ動物を食べていたのだろうと、他の古人類学者同様に、ホワイト も考えている。 | harsh : 苛酷な、 arid : 乾燥した,不毛の、 grassland : 草原、 habitat : 生育地,生息地、 biped : 二足動物、 paleontologist : 古生物学者、 University of California, Berkeley :カリフォルニア大学バークリー校、 hide in ambush : 〜を待ち伏せする、 paleoanthropologist : 古人類学者、 scavenger :腐食動物 |
| 8 | なかでも一番興味をそそることは、有史以前の食肉解体人達はあらかじめ道具を もって行くことができたらしいことである。ホワイトに言わせれば:「動物 の骨と同じ地層には道具が見つからないので、この技術的な道具は持ち込ま れたりまた持ち出されたりしたのだろう」こうしたことは、道具を作る材料 がこの地にないという事実によりさらに確実視される、とも言っている。 | intrigue : 興味をそそる,好奇心をそそる、 likelihood : 可能性,見込み、 prehistoric : 有史以前の,先史時代の、 butcher : 殺戮者、 geological : 地質学(上)の、 raw material : 原材料,原料 |
| 9 | 残念ながら現時点では、この3つの発見がほぼ同時期に住んでいた移行期に おける一つの種なのか、それとも2つの種なのか、あるいは3つの種である かを知る術はない。またこれら祖先達が私たちと具体的にどういう関係を持 つかは研究者にも分らない。更なる答えを求めて、ホワイト達はこの秋、エ チオピアへ再び向かうことだろう。 | transitional : 移り変わりの,転換の、 colleague : 仲間,同僚、 head back : (出発点に)再び向かう |
第4段落
That's not to say anyone knows what it all means yet.
私は、まだ誰にもそれの意味するところ全てはわかっていない、という感じに読
みました
by 金野さん
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