|
| |
| P42 | アドレス:Business @ the Speed of Thought」の中でマイクロソフト会長は 言う。デジタル領域を手中におさめた経営者のみ,他社との差別化が可能となると | |
| 1 | 1980年代が質,1990年代は再編成の時代とすれば,2000年代は速度の時代となるであ ろう。つまりいかにビジネスそのものがすばやく行われるかや,いかに情報へのアクセスが 消費者のライフスタイルや,ビジネスへの期待感に影響を与えるかが問われる時代となるだ。 質の向上そしてビジネス過程の改善が想像以上に速く起きる。速度が十分な大きさになると き,ビジネスそのものの質が変化するのである。 | 語彙 re-engineering: 再編成 velocity: 速度 transact: 行う alter: 変える consumer: 消 費者 improvement: 改善 occur: 起こる nature: 本質 |
| 2 | デジタル時代に機能するために,私達は新たなデジタル基盤を作り上げてきた。それ は,人間の神経系のようなものである。会社はその手の神経系のシステムが必要となるのだ ―それは,滑らかに効率よく実行する力,非常事態や好機にすばやく対応する力,社内で必 要としている人間へ貴重な情報をすばやく与える力や,迅速に物事を決め取り引き先との 関係をスムースに行う力を意味している。 | 語彙 infrastructure: 基盤 nervous system: 神経系 efficiently: 効果的に emergencies: 非常事態 opportunities: 好機 interact:(=mesh,engage) 絡み合う customer: 顧客 |
| 3 | 今後10年において成功する会社は,自分達が今まで行ってきた方法に甘んじることな く改善を行うのに,デジタルツールを用いるもの達であろう。デジタル情報によるスムーズ な情報交換が,あなたの会社に本来備わっている部分となるために,ここで12の重要なス テップを置くこととする。 | 語彙 decade: 10年間 reinvent: 徹底的に作り直す flow: 流れるようにする intrinsic: 本 来備わっている |
| 4 |
1. 情報伝達はEメールを通じてよどみなく流れていくものと主張せよ 大企業が中小を競争相手とし同等あるいは優れた状態で企業運営を行うことは,従業 員の力とデジタルシステムの用途に対する証となる。個人の実行力や責任は,話し合いを生 み出す環境の中で高められるものなのだ。Eメールは私達のデジタル神経系における重要な 構成要素となるものであるが,まさにその話し合いの機会を作り出すものなのだ。それは 中間管理職を,情報をうまく扱えない人間から「実際に扱える人間」へと変えさせる手助け をするのである。Eメールが組織における階層性の構造を平らなものへと変えてしまうこと は間違いない。それは,人が勇気を持って発言するよう働きかけ,管理職が耳を傾けるよう に仕向けるのだ。それゆえに,取り引き先が自分達の情報組織からさらに価値あるものを引 き出し,社内の協力関係を築き上げたいとき,まず初めに何ができるのかという問いかけに 対し,私は常に「Eメール」と答えるようにしている。 |
語彙 maneuver: 計画を練ってうまく行動する competitor: 競争相手 testament: 証 employees: 従業員 initiative: 実行力 responsibility: 責任 enhance: 高める environment: 環境 foster: 育てる component: 構成要素 filleter: (=beginner,amateur) doers: 実行する人 no doubt: 明らかである flatten: 平らにする hierarchical: 階層性の speak up: 勇気を持って発言する collaboration: 共同,協力 |
| 5 | 私は従業員が送るEメールのすべてに目を通し,その問題を解決できる人間に書かれ た内容の明細を送りつけている。頼まれもしないのに送られてくるメールは,マイクロソフ トで働く多くの人々へ影響を与える姿勢や問題を理解し続けるのに,とても有効な手段であ ると私は理解している。昔のことわざに「知識は力だ」というものがあるが,これは時に知 識を蓄えるように働きかけることがある。知識を蓄えることで自らを必要とされる人間にし てくれると堅く信じてしまうのだ。しかし,力というものは蓄えられた知識ではなく,互い に分かち合った知識によって得られるものであり,会社の価値や報酬を与えるシステムはそ の考え方を反映しなければならないと思われる。 | 語彙 pass〜on to…: 〜を…に送る unsolicited: 頼まないのに与えられる incredibly: 大変に attitude: 態度 issue: 問題 hoard: 蓄える indispensable: 必須の reflect: 反映させる |
| 6 | 私はみなさんと同様に,良い知らせというものが好きだ。ところが一方で私を疑いの 気持ちへと導きもする。私はどんな悪い知らせが私の耳に入っていないのだろうとあれこれ 考えてしまうのだ。(会社にとってプラスになるような)新しい顧客に関し,私にメールを送 ってくるものがいると,必ず次のように考えてしまう。「(社内で)誰もメールで話題にしな い多くの顧客がいるわけだが,これは,私達がその人達をみな失ってしまったことを意味 するのであろうか」と。良いEメールシステムは,悪い知らせがすばやく伝わることを保 証する。しかし一方で,あなたの部下達もあなたに積極的に情報提供しなければならなくな るのだ。あなたは絶えず悪い知らせにさらされることとなり,それに基づいて行動しなけれ ばならなくなる。時折,私は社長としての最も大切な仕事は悪い知らせに耳を傾けることに あると思う。もしそれに基づいて行動しなければ,ゆくゆくあなたの部下達は,悪い知らせ をあなたに気づかせることを止めるようになるであろう。そしてそれが終焉の始まりとなる のである。 | 語彙 skeptical frame: 疑いの気持ち account: ここではnew customerの象徴 ensure: 保証 する consistently: 絶えず receptive: 良く受け入れる CEO: (=chief executive officer), (大会社の)社長,最高経営責任者 act on〜: 〜に基づいて行動する eventually: 結局,ゆく ゆく attention: 注意 |
| 7 |
2. 容易に,見通し(個々の情況要素から連関を把握すること)が共有できるようになるため,
オンライン上のセールスデータを調べよ 「数字を押さえること」はビジネスにおける鉄則である。事業が進むあらゆる段階の ビジネスデータや,取り引き先との話し合いの中で発生するビジネスデータを集めることが 必要となる。もちろん,ビジネスパートナーとの話し合いの中でも同様である。そこで,デ ータの意味することを理解する必要が出てくるのだ。 |
語彙 fundamental: 必須の precept: (行動・考え方の)指針 interaction: 相互に影響し合うこ と |
| 8 | 初めからデータをデジタル化することは,肯定的な事の成り行きがすべての領域に渡 って引き起こされる可能性を示唆する。コカコーラ(株)は携帯電話や赤外線信号によって, コンピュータ化した自動販売機から直接データを収集しているのだ。地域毎の炭酸飲料業者 はパソコンを基礎に置いた商品補充プログラムを取り入れている。そのプログラムはデータ を分析し,配達する人間にどの商品とどの場所で翌日商品補充が必要であるかを示す配達伝 票を打ち出すのである。 | 語彙 trigger: 引き起こす range: 領域,範囲 positive: 肯定的な event: 成り行き smart: コンピュータ制御の,高性能の vending machine: 自動販売機 via: 〜を媒介として cellular phone: 携帯電話 infrared: 赤外線の restock: 補充する bottler: 炭酸飲料業者 analyze: 分析する delivery: 配達の slip: 伝票 location: 場所 stock:〈店など〉に〔商品 を〕仕入れる |
| 9 | 販売場所で発生するデジタルデータを利用して,新たなビジネスの機会を生み出すこともあり えるのだ。ここに,テキサスで試験的に行われているプログラムがある。それは,ガソリン スタンドで給油しているとき,コカコーラ製品の支払いにクレジットカードや即決決済カー ド(デビットカード)を使わせようとするものである。給油所で支払いを済ませる大半の人間 は建物の中へ入ろうとしないので,給油所におけるクレジットカードでの支払いシステムは, コカコーラ製品に対する新たな客層のまるまるひとつ開拓するのだ。 | 語彙 take advantage of〜: 〜を利用する source: 源;ここでは自販機の象徴 opportunity: 好機 pilot: 試験的に行われる debit card: 即決決済カード fuel: ガソリンを入れる pump: ここでは給油所の象徴 segment: 区分,部分 |
| 10 | 数字がコンピュータに打ち込んであれば,知識労働者は数字を調べ,その数字に注釈 を加え,自分達の望む詳細や見解でその数字を判断し,協力を求めてその数字を次々と回す ことができる。デジタル化は,あなたのビジネスをかえるのである。 | 語彙 figure: 数字 annotate: 注釈を加える detail: 詳細 pass〜around: 次々とまわす collaboration: 協力 |
| 11 |
3. 知識労働者をハイレヴェルで物事を考えさせるように導け 法人の中間管理職や役職を持たない従業員は,そこまで高水準での経営を任されては いないが,ビジネスデータを見る必要はある。彼らは,実際の行動が求められるが故に,正 確かつ活きたデータを必要としている人々なのだ。彼らは,直接入手可能な絶え間のない流 れと貴重な観点を正確な情報に求めているといえる。会社は,財務上のデータを従業員に知 らせず非公開とする点にあまり時間をかけるべきではなく,それらのデータを分析させ,そ れらに基づいて行動するよう導いていく点により時間を割くべきなのだ。 |
語彙 executive: 経営者 precise: 正確な actionable: 活きた immediate: 直接入手可能な constant: 絶え間ない financial: 財務上の |
| 12 | マクドナルドでは最近まで,販売データは必要とする人間の手元の届くまで何度も人 の手を介して「触れられ」なければならなかった。今日マクドナルドは,すべてのレストラ ンでの売上集計に,パソコンやインターネットテクノロジーを用いた新しい情報システムを 導入する過程にある。ハッピーミール(子供向けの小さいハンバーガーやジュースがセットに なったもの)を2つ注文すると,マクドナルドのマーケティングマネージャーはすぐに知る こととなる。表面的でずさんなデータというよりはむしろ,消費者傾向を追跡するための, 厳しく現実的なデータをマネージャーは手にすることとなるのだ。 | 語彙 make one's way to〜: 〜へ苦労して届く install: 取り入れる Web:インターネットの 象徴 rather than〜: 〜というよりはむしろ superficial: 表面的な anecdotal: factual: 事実の track: 追跡する trend: 傾向 |
| 13 | ここで私が言いたいことは,知識労働者が消極的なデータを積極的な情報へと変換さ せる新しい段階の情報分析―マサチューセッツ工科大学のマイケル・ディマトゥーゾスが 「動詞としての情報」と称するもの―である。 | 語彙 describe: 描く enable: 可能とさせる passive: 消極的な |
| 14 |
4. 事実上のチームを作り出すためにデジタルツールを使え 協力の文化は,情報がうまく伝わることによって強化されるものであるが,法人内で 頭の切れる者が互いに交流を持つことを可能とさせるのだ。もしあなたが,IQレヴェルの 高い人間を,効果が十分期待できる人数集め,一致協力して仕事させられるのであれば,そ の力はとてつもなく高いものとなる。情報管理というと,わかりやすいアイディアを表現す るにはずいぶん大層な言葉となるものだが,次のことを表している。あなたはデータ,文書, そして人をなんとかやりくりしている。そこでのあなたのねらいは,人々が一致協力して働 き,アイデアを共有し,時にはお互いのアイデアに関して激しくぶつかり合い,依存し合い ながら―究極は同じ目標のもとで一致団結して,行動する方法を強化するものであるべきな のだ。 |
語彙 reinforce: 強化する a critical mass of〜: 効果が十分期待できる数量 in concert: 協 力して shoot way up: (=go very high) fancy: 専門の,難しい term: 言葉 enhance: 高め る wrangle: 口論する build on: 頼る common: 共通の |
| 15 | ジャック・ナーサはフォードの社長かつ最高経営責任者であるが,その彼が従業員へE メールを送り,皆と情報を―良いものでも悪いものでも―共有している。誰もそのメールを 隠すことはないのだ。彼は,従業員と直接向かい合って話をする。また毎月送られてくる何 百という従業員からのメールに目を通し,返答が必要なものはいかなるものであろうともス タッフに命じて返事を書かせているのである。 | 語彙 assign: 割り当てる follow-up: 追跡調査 |
| 16 | 人に責任を取る気持ちにさせるのは,組織構造の問題ではなく,組織における姿勢の 問題である。デジタルツールは門戸を開き,適応性を取り入れる最良の方法である。仮に, しっかりと仕事ができる人間が,数日ではなく数時間で問題を解決できるならば,ビジネス は大いなる優位点を手に入れたこととなるのだ。 | 語彙 motivate: やる気を起させる responsibility: 責任 flexibility: 適応性 obtain: 手に 入れる huge: 莫大な |
| 17 |
5. 紙によるプロセスからデジタルによるプロセスへと変換させよ 1996年に私はマイクロソフト,紙の書類をコンピュータ形式で置きかえることを大き く提唱している法人,が未だに紙を使っている実態を調査し始めた。驚いたことに,私達は その年のセールスレポートのコピーに350,000枚をプリントしていたのだ。私は,使用され る形式を一枚ずつ求めたが,机の上に積まれた分厚いバインダーには無数のフォームが閉じ られることとなった。 |
語彙 advocate: 主唱者 replace: 置きかえる contain: 含む hundreds and hundreds of〜: 非常に多くの〜,hundreds and thousands 〜とほぼ同義だが,前者の方が一般的. |
| 18 | しかし,紙の消費量は,より大きな問題の兆し―あまりにも複雑で時間を必要とする 管理プロセス―にすぎない。ペーパーフォームを置きかえるためにイントラネットを用いる ことは,私達に驚くべき結果を生み出した。私達は1,000以上のペーパーフォームを会社全 体で60にまで減らしたのだ。 | 語彙 consumption: 消費量 symptom: 兆候 administrative: 管理の complicated: 複雑な time-intensive: 時間を必要とする intranet: インターネットとコンピュータ通信サービスを 取り入れている企業内システム striking: 著しい |
| 19 | 会社は,独創性を褒め称え,従業員をビジネスに集中させることに関して論じている。 障害となるものや労働時間内で日々時間を取られる細々とした仕事を会社が取り除いてい るのを見れば,従業員達は自分達の時間に会社が価値を見出し,それをうまく使いこなすこ とを求めていることがわかるのだ。 | 語彙 initiative: 独創性 eliminate: 除去する,削除する bottleneck: 障害 time-draining: 時間のかかる routine: いつもの,日常の administrative: 経営[管理]の chore: 雑用 workday: 労働時間 value: 価値を見出す profitably: 有益に |
| 20 |
6. 単純作業を取り除くためにはデジタルツールを使え 私の知人の叔父は,ミシガン州フリントにある自動車工場で25年間働いていた。クロ ムメッキされた細長い小さな部品や,最終段階の部品を自動車に取りつけるのことが彼の仕 事だったのだ。第2次世界大戦後まもなくの数年間は良い仕事であったが,その仕事もオー トメーション化の工業時代が近づくと仕事内容にも変化が訪れた―ひとつのプロセスを小 さな,個々の仕事へと細かく分け,それぞれを「(ネジの取りつけのような)たったひとつの 単純作業に関して最良の方法で」行える労働者達に割り当てたのだ。 |
語彙 acquaintance: 知り合い plant: 工場 tack: 接合する chrome: クロムメッキの strip: 細長い小さな片 discrete: 個々の assign: 割り当てる |
| 21 | 新しい組織において,労働者はもはや機械の歯車ではなく,知性を有し全プロセスに おいて有機的に機能する役目を担うものであるといえる。労働者を全プロセスに関わらせ ることは,これまで増して興味深く意欲をそそる仕事に彼らを取り組ませることを可能に させるのだ。深みを感じさせない仕事全体(や仕事の一部)は取り除かれ,より大きなプロセ スに自動的に移行して行くことが可能なのだ。 | 語彙 cog: 歯車 intelligent: 知性のある overall: すべての tackle: 取り組む one- dimensional: 深みのない |
| 22 | ゼネラルモータースはスターン(株)を始めたが,それは遡ること1985年のことである。 その目的は部品段階から最新の車を作るだけでなく,車作りや労働者に権限を与える新たな 方法を作り上げるためでもあった。それぞれのチームは結束力が高くそれぞれが独立した単 位となっている。それぞれのチームはエンジン作りやドア作りなどそれぞれが特有の機能を 持ち,それぞれのチームのメンバーはその分野における約30もの異なる仕事がこなせるよ うに訓練されている。これにより,繰り返される仕事で新鮮味が持てなくなるものはいなく なったのだ。インターネットを通して労働者はデータベースから情報検索し,自動的にスプ レッドシートにそのデータを送りこみ,問題点となる部分やタイプによってデータを分析す るのにすばやくデータを捉えられるのである。 | 語彙 launch: 始める brandnew: 最新の from scratch: 始めから empower: 機能[権限]を 与える autonomous: 自主的な approximately: 約 stale: 新鮮味がなくなる repetitive: 繰 り返される interface: インターフェース retrieve: (情報を)検索する spreadsheet: 必要に 応じて相互の関係を規定した縦横のます目を埋める形で表形式に表現されたデータ pivot through〜: =go quickly through〜 analyze: 分析する |
| 23 | もっと使い勝手の良いツールを与えて,部下へもっと込み入った仕事を任せるとよい。 そうすれば,従業員が今にも増して責任感を持つようになり,自らの仕事にさらに多くの知 性を注ぎ込むことがわかるであろう。面白みがなく繰り返される仕事は,まさにコンピュー タ,ロボットなど機械の類が得意とする分野であり,それは人には適さず,誰もがひどく嫌 がるものである。デジタル時代にあなたはすべての従業員から可能な限り知識労働者を作り 出す必要があるのだ。 | 語彙 sophisticated: 高度な,非常に複雑な uniformly: 一様に despise: ひどく嫌う |
| 24 |
7. 双方向で情報交換が可能となるデジタル環を作り出せ マイケル・ハマーとジェームズ・チャンピーによって1993年,構造改革という概念が 世に送り出されたことを受けて,世界の至るところで会社という会社が自分達のビジネスプ ロセスを再検討してきている。彼らの著書「法人の再編成」を読んで,彼らの考えで3つほ ど私にインパクトを与えるものがあった。ひとつは,自分達のプロセスをじっくり見るため に定期的に引き下がる必要があるというものである。プロセスは正しく問題点を解決してい るのであろうか。またそのプロセスは複雑すぎないことが可能であろうか。2つ目はもしあ なたが一つの仕事を非常に細かく分割してあまりにも多くの人間を関わらせるとしたら,誰 一人全体像がつかめなくなり,その仕事は動きが取れなくなってしまうというものである。 3つ目は,2つ目と関連度合いが高いものであるが,部下にどんどん仕事を渡して任せすぎ てしまうと,船頭多くして船山に登る,に象徴される失敗を引き起こしかねないのである。 |
語彙 stand out: 突出する periodically: 定期的に simplify: 簡単にする involve: 巻き込 む,関係させる bog down: 動きが取れなくなる hands-off: 自分の手元から離してしまう こと |
| 25 | 新たなプロセスを作り上げることは,一大プロジェクトである。成功を具体化的に思 い描くこと,時間と仕事の点から見た具体的な始まりと終わり,さらには所々に存在する重 大時点や予算も有しなければならない。最もよいプロジェクトとは人々が顧客の反応を明瞭 に描き出せるプロジェクトを言う。これはプロセスプロジェクトにも当てはまることである。 | 語彙 definition: (輪郭・目的などの)明確化 in terms of〜: 〜の点から intermediate: 中間の milestone: (歴史・人生などの)重大時点 budget: 予算 customer: 客 scenario: 起こりそうな筋書き be true of〜: 〜に当てはまる |
| 26 | 昔ながらのペーパープロセスは次々に改良部分ばかりが増えて行く。これにより生み 出される様々なフォームの中でいつしか,動きが取れなくなるのだが,この点においてデジ タル技術は,今まで以上にずっとすばらしいプロセスを作り上げてくれるのだ。あなたは, 次々と生み出される要求に対し柔軟性を持たなければならない。変化そのものを評価するた めに,きびきびとした決断するプロセスを持つべきなのだが,それは本来のプロジェクトゴ ールを再評価するための準備をも含むものなのだ。 | 語彙 be stuck: 行き詰まる variation: 変種 incremental: 増加する flexible: 柔軟な in the face of〜: 〜に対し evolve: 案出する requirement: 要求 crisp: きびきびとした evaluate: 評価する provision: 準備 |
| 27 |
8. 顧客のクレーム対処をすばやく行うためにデジタルシステムを使え 客の声に耳を傾けることは,現時点で作り出されている製品の不満点を聞き入れるこ とを意味する。しかし,客から送られた悪い知らせを製品開発グループへいちいち渡して行 くことは,とても実現可能とは言えない。 そこで,この点に関して次のようなアプローチを勧めたい。 1. あなたの一番苦手とする客に焦点を絞れ。 2. 客があなたの製品に関して不都合だと思う貴重な情報を集め,彼らがあなたの製品に何 を望んでいるのかを見つけ出すために,科学的な技術を用いよ。 3. 適任者へ情報をいち早く送るために,科学技術を用いよ。 |
語彙 complaint: 不満 shortcoming: 短所 recommend: 勧める |
| 28 | もし,これら3つの事柄を行えば,あなたは,この疲れさせる悪い知らせを製品や業 務を改善させるための待ち遠しいプロセスへと変化させるだろう。文句を言う客はいつでも 心配であるが,彼らはまた,あなたに大いなる好機を提供してくれるもの達でもあるのだ。 | 語彙 draining: 疲れさせる exhilarate: 浮き浮きさせる concern: 心配 |
| 29 | 投書箱の内容を捉え分析し利用するため,早い時期からデジタル神経系システムに投 資する会社は競合他社との差別化が可能となろう。会社の収益よりも,顧客からのクレーム にずっと気を配る必要がある。あなたがデジタルシステム用いるとき,それは製品や業務に 関する嫌な知らせを,より良い製品や改善された業務へと作り変えるのに役立つのだ。 | 語彙 capitalize: 利用する differentiate: 区別する competition: 競争相手 examine: じっ くり調べる company financial: 収益報告 convert: 変換させる |
| 30 |
9. 限界を再び調べ上げるためにデジタル通信を使え インターネットは,法人内での付随的機能や相談および協力関係の機能の中で,どの 従業員が壁の中で働き,どの人間が外で働くかを決めることで法人が以前よりも増してず っと(効率良く),自らを機能させることに集中できるようになるのだ。 |
語彙 adjunct: 付加的な consult: 相談する partner: 人と組む |
| 31 | マイクロソフトにとって,外注は膨れ上がる労働力を和らげることや経営管理の一般 諸経費を削減する方法として今日まで続いている。インターネットを用いて仕事を行うアプ ローチは,それぞれ貢献してくれる人や会社が自らを最適な状態に組織化する場所であるが, ネット上での協力の幅を広げ,さらには(私はこう望んでいるのだが)不適切な分野で成長す ることや諸経費がかかりすぎることで機能的でなくなることを押さえてくれるものである のだ。 | 語彙 outsourcing: 外注 temper: 和らげる expansion: 拡張 work force: 総労働力 reduce: 減らす overhead: 一般諸経費 contributor: 貢献者 optimally: 最適に partnership: 協力,共同経営 |
| 32 | ビジネスマネージャーとして,自分自身の本当の力というものをじっくり考えてみる 必要がある。これまで挙げてきた能力をはっきりとした形では持ちえないあなたの会社の領 域を訪れ,そしてインターネットの科学技術がこれまで触れてきた仕事を副産物として生み 出すかどうかを考えよ。他のグループに経営面での責任を引き継がせ,その人々―今や従業 員ではなくビジネスパートナー―と連携して仕事を行うために,現代の通信技術を用いよ。 ネットで仕事を行うアプローチでは,従業員はネットが生み出す自由を限界まで推し進めて くれるのである。 | 語彙 competence: 能力 revisit: 再び訪れる spin off: 副産物として生み出す 人々の集 団 take over: 引き継ぐ |
| 33 |
10. すべてのビジネスプロセスを時間厳守で受け渡すようにせよ マサチューセッツ工科大学のニコラス・ネグロポンテは,デジタル世代における有形 商品と情報商品の違いは,動き回る原子(車やコンピュータのような有形商品)と動き回るビ ット(財政分析やニュース放送のようなコンピュータを用いる製品)と言う。ビット製品は, 配送回数を実質的にゼロの段階まで下げるのにインターネットを用いることができる。それ に対し,原子商品は有形物を分解して宙へ送る込むこと(スタートレックなどにある転送シ ステムのイメージ)ができずにいるが,反応時間を劇的に減少させるのに,ビットの速さ― あらゆる物をデジタルでつなぎ合わせること―を用いることができるのだ。 |
語彙 bits: ビット;情報量の基本単位 practically: 実質上 |
| 34 | 一部の産業では,市場への到達時間の短縮というよりはむしろ,驚異的に増加の一途 をたどる複雑さをものともせず,いかに市場への時間厳守で行くかなのだ。インテルがその 一例として挙げられるが,集積回路をプリントしたシリコン片―ほとんどのパソコンを動か しているもの―を常に90日サイクルで生産してきている。インテルはこの90日という生産 率をいかにマイクロプロセッサが複雑さを増そうとも維持し続けようとしているのだ。 | 語彙 maintain: 維持する astronomically: 驚異的に complexity: 複雑さ power: 動かす |
| 35 | 最終的に,会社にとって最も重要な「速さ」の問題は,文化的な問題である。が,そ れは,誰もが動かなければならない速さに関する法人内の理解を変えつつあるのだ。質を落 とすことなく顧客の要求を時間内で間に合わせることができなければ,競争相手の方が勝つ ということは誰もが理解しておかなければならない点なのである。 | 語彙 ultimately: 最終的に perception: 理解 meet: (要求・期待)を満たす sacrifice: 犠牲 にする |
| 36 |
11. 中間業者を取り除くために,デジタル配送を用いよ 1995年,The Road Ahead (邦題:「ビル・ゲイツ未来を語る」) の中で私は摩擦のない資 本主義という用語を用いた。それは,いかにインターネットがアダム・スミスの理想市場― そこでは売り手と買い手があまり時間やお金をかけずに,互いを見つけられる―に役立つか を描き出すためであった。 |
語彙 friction-free: 摩擦のない capitalism: 資本主義 marketplace: 市場 |
| 37 | もしあなたが中間業者ならば,より安価で迅速なサービスというインターネットが私 達に保証してくれることが,あなたの仲介業を阻止し,あなたが生産者と消費者の間の取り 引きを手助けするという役目を取り除いてしまうことになる。仮にインターネットが今すぐ にでも,あなたの仲介を阻止しようとしているならば,活動再開にインターネットを使うと いう手があるのだ。 | 語彙 middleman: 中間業者 disintermediate: 仲介させない eliminate: 取り除く transaction: 取り引き |
| 38 | それはまさにEgghead.com(以前,Eggheadとよばれていたもの)―ソフトウェアの小売 チェーンとしては大手―が数年間の奮闘努力の末に成し遂げたことである。Eggheadは1998 年,全国的に旧来の小売店舗をすべて閉鎖し,ネット上のみ店舗を構えた。Eggheadは今日, インターネットの特質を利用した新しいオンラインプログラムを数多く提供してきている。 約50の異なるカテゴリーのハードやソフトそして中古のパソコンに関するネット上の競売 を手がけているのだ。それは,ネット上で使用可能なプログラムに関する弁済用の特別価格 を提示し,「ホットリスト(最新目録)」と呼ばれる週間メールマガジンを,購読者のみに提 供可能なものを添えて配信しているのだ。 | 語彙 retail: 小売 struggle: 奮闘する nationwide: 全国的に exclusively: 全く〜のみ auction: 競売 reconditioned: 修理した liquidation: 弁済 subscriber: 購読者,加入者 |
| 39 | 大多数の商品―それらの多くは,様々な販路から入手可能なもの―にとって,消費者ji 自身がは大きな恩恵を受ける人々となる。しかし珍しい商品やサービスに関しては,売り手 の方が潜在的顧客を見つけ出し,高めの価格設定を行うこともあろう。消費者がネット上の ライフスタイルを取り入れれば取り入れるほど,経済はあらゆる商業領域において,アダ ム・スミスの唱える完璧な市場へと移行するのである。 | 語彙 outlet: 販路 beneficiary: 利益を享受できるもの potential: 潜在的な commerce: 商業,通商,交易 |
| 40 |
12. 顧客が自分で問題解決するのを手助けをするデジタルツールを用いよ。 インターネットビジネスがにわかに活気付くに従い,自らの人的関係や顧客管理を強 化するため,今までにないやり方でインターネットを用いるのは中間業者だけではなくなっ た。電子決済を超えるもの(ただ科学的な機能や利便性のみを追及するのではなく,顧客と 交流までも考えられるもの)としてインターネットビジネスを扱う者は,この上もなく良い ことが実践できるようになるのだ。 |
語彙 boom: にわかに活気付く strengthen: 強化する |
| 41 | Dell社は,初めてインターネットビジネスに移行した大手の1社であった。総収益180 億ドルを超える世界規模のコンピュータ会社として,1996年半ばにDell社はその商品をオ ンラインで販売し始めたのだが,会社のオンラインビジネスはすぐさま,週100万ドルから 1日100万ドルへと膨れ上がった。その後まもなく,1日300万ドルへ大きく伸びを示し, その後,500万ドルにまで至った。そして今や,1400万ドルへ到達したのである。 | 語彙 e-commerce: インターネットを使ったビジネス supplier: 供給者,会社 revenue: 総 収益 |
| 42 | マイケル・デルは今日のビジネスを,次のように見なしている。「直接会う,電話をす る,さらにはコンピュータの端末を使う,といった異なるもの同士を組み合わることが今 日のビジネスなのだ。そしてそれはそれぞれがそれぞれの役割を担っている。インターネッ トは人間の代わりとなるものではない。それは,人々をより機能的にするのである。いつも 通りインターネットにアクセスをし,顧客に自分で物事が行えるようにすることによって, 私達は,販売員達が顧客ともっと意味のあることを自由に行えるようにしてきたのだ」。 | 語彙 characterize: 見なす,特徴づける combination: 組み合わせ replace: 取って代わる efficient: 有能な,能率の良い routine: 日常の,型どおりの interaction: 対話,相互作用 |
| 43 | 賢い会社は,ネット上の業務と対面業務を連動させるようになるだろう。それは,そ れぞれが持ちうる機能面の利益が顧客に還元できるプログラムにおいてである。純粋な処理 をインターネットに求めること,情報の共有や日々の情報通信にコンピュータ通信を用いる こと,そして最も大きな価値が見出せる対面交流を差し控えておくこと,これらをあなたは 望むのだ。 | 語彙 combine: つなげる benefit: 利益 transaction: 処理 |
| 44 | The Road Aheadの中で私は述べているが,私達は常に今後2年間に起こる変化を過大評 価し,今後10年に起こることに対しては実際よりも低く見積もりがちである。それゆえに 動きが鈍らないようにしなければならないのだ。 | 語彙 overestimate: 過大評価する underestimate: 実際よりも低く見積もる be lulled: (人 を)ある状態へする inaction: 何もしないこと |
| 45 | 情報が組織内を,あたかも人間の頭で考えられたように,素早く自然な形で流れるとき, またそれぞれのグループの人間を一つの問題に対し,一個人に直接命じたように導き,調和 のもと機能させるのに工学技術を用いることが可能となるとき,あなたはすばらしいデジタ ル神経系を築き上げたことを知るのである。それこそまさに,高速で情報処理されるビジネ スといえるのだ。 | 語彙 excellent: すばらしい marshal: 先導する coordinate: 調和して働かせる |
感想などがありましたら、メールを下さいね!!