A Change of Heart

A Change of Heart
(3.15.P45.1999)

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今回は SCIENCE AND TECHNOLOGY から
  日本初の臓器移植。確かにマスコミは凄かった!!何もあそこまで騒がなくとも よさそうなのに(^^;

心変わり


語彙は主に『英辞郎』Ver.17から抜粋

 

大意

語彙

P?? 30年間法的かつ倫理的に議論をしてきた後に、日本の医師は再び移植手術 をする ethical : 倫理の、 wrangle : 説き伏せる,口論する、 transplant : 移植
1 ヘリコプターが、病院から次の病院へと移動する警察の車の列を追って夜の 空を疾走する。テレビでは、ニュース放送のためにドラマが中断された。マ スコミがどっと押しかけるのが常である国とは言え、誰に聞いてもこの取材 合戦は気違いじみた光景だ。誰もが注目するその対象とは:心臓移植手術。 trail : の後を追う、 motorcade : 自動車の行列、 interrupt : を中断する、 soap opera : 昼メロ,連続ドラマ,連続ホームドラマ、 news bulletin : ニュース放送、 by all accounts : 誰から聞いても,誰に聞いても、 frantic : 気違いじみた、 spectacle : 光景、 mob : どっと押しかける、 norm : 平均,規準、 heart transplant operation : 心臓移植手術
2 ちょっと待った。今は1999年。今では、世界中の外科医が心臓移植手術 をし始めて30年経つ。この手術が日常茶飯事とは言わないまでも、もはや 決して目をみはるものではない。とはいえ、先週までは、日本ではどの医者 もこの手術を行うことはできなかった。この国は技術が驚くべき速さで進む 国ではあるが、態度の変化は氷河の流れの如き遅々たるものである。実のと ころ、漸く経口避妊薬を政府諮問機関が今年後半に認可すると言ったのはほ んの先週のことだった。 surgeon : 外科医、 routine : 日常業務、 whiz-bang : すばらしい,最高の、 glacial : 氷河の、 birth-control pill : 経口避妊薬
3 臓器移植に関する政策は1968年に遡る。当時和田二郎博士が心臓移植の 草分け的手術を行った──結果は殺人容疑で調べられることとなったが。心 臓提供者は、脳がまだ機能していたので死んではいなかったと非難されたの だ。移植を受けた患者がその83日後に亡くなったのも和田の場合は不運だっ た。最終的には和田に対する告発は却下されたが、彼の名声は──臓器移植 における手続き同様に──汚されてしまった。「医者が仲間を告発したんだ。 そりゃ、完全に医療の最前線に立とうという気持ちを叩き潰したね」と77歳 になる和田博士。 date back to : 遡る、 allege : だと主張する、 donate : 寄付する、 recipient : 受容者、 accusation : 告発、 tarnish : 〈名誉などを〉汚す、 medical doctor : 医師、 demolish : 粉砕する、 pioneer : 先駆者
4 過去30年間、生きるために不可欠な臓器移植を受けることができなかった何 千もの患者の気持ちは言うまでもない。「みんな恐かったのです」というの は、東京女子医大の心臓内科医布田新一。「殺人罪で告発されるのを外科医 は恐れたのです。一人の外科医が告発されれば、その科も病院も評判を落と してしまうのです」1991年、布田は自分の医師の資格を賭けて、心臓病患者 が移植のために海外へ行く手助けをした。過去15年間で44人の日本人が海外 で心臓の移植を受けた。「何度もこのことを考えました。私が手助けしなかっ たために、こうした患者が臓器移植を受けられなかったら、彼らは死ぬでしょ う。ずっとそれを後悔することになります」 cardiologist : 心臓内科医、 cardiac patient : 心臓病患者
5 先週の画期的手術が可能になったのは、1997年に医者が患者の脳死を宣言で きると国会が遂に認めたからである。脳死とは、心臓がまだ機能しているけ れども死と認めるもの。この法的な変更が重大であった。というのも、心臓 や肝臓も含めてほとんどの臓器は、心臓が脈打たなくなると急速にだめにな りだすからだ。つまり臓器が移植に適さなくなってしまう。 milestone : 画期的事件、 Diet : 国会、 brain-dead : 脳死の、 critical : 重大な、 organ : 器官、 liver : 肝臓、 deteriorate : 悪化する、 less likely : あまり〜しそうにない
6 法律の改正には、臓器移植に対する国民の疑惑を解消する必要があった。向 こう見ずな医者、やる気にはやる医者は、臓器を手に入れようと早めに患者 の死を宣告するのでは、といった恐れが抱かれていた。そのため、国会でそ の法案が改正されたときには、臓器移植に対する極めて厳格な規定が盛り込 まれていた。 overcome : 克服する、 skepticism : 懐疑,懐疑的な態度、 reckless : 無謀な,〜を気にかけない、 prematurely : 時期尚早に、 harvest : 収穫する、 revise : 改正する、 regulation : 規定
7 法の改正から初の臓器移植手術が行われるまでに2年近くかかったのはこれが 理由である。ドナーは、臓器提供を許可するという書類に記入してなくては ならず、また、残された家族はその提供に同意しなくてはならない。日本人 が携帯するドナーカードはただでさえ少ないのだが、それは当局によって厳 重にチェックされる。去年ドナーが一人亡くなったとき、彼の臓器は移植の 許可を得られなかった。そのドナーカードの記入に不備があったからだ。ド ナーは提供する臓器にチェックをし、カードにサインもしていたが、ドナー の選択肢の横の数字に丸を付け忘れていたのだ。「馬鹿げた話です。30年も 31年も待っていたのにまだ待ち続けるのです」と、東京に住む腎臓の専門医 大田和男。 successful transplant : 成功した臓器移植、 fill out : (書類に必要事項を)書き入れる、 give permission : 許可する、 donor card : ドナーカード、 scrutinize : 注意深く調べる、 improperly : 不相応に、 tick off : に印[チェックマーク]をつける、 fail to : しない,できない、 locate : 位置する、 ridiculous : ばかげた,おかしい、 kidney : 腎臓、 specialist : 専門医
8 しかし、その待ち時間が縮まりそうにもない。報道機関が大騒ぎをすること で、ドナーとして登録する人が少なくなるのではないかと医者は心配してい る。患者自身の名前は公表されなかったが、彼女が死の床に臥している間、 ラジオやテレビ局は症状の悪化を病的なほどに逐一放送していた。そのため か、家族が手術を止めると仄めかすほどとなった。医療班には責めるべき相 手もいない。手術に誰もケチをつけないようにと、外科医達は、病院のモニ ター画面で記者に生の心臓移植手術を見ることができるようにした。 intense : 激しい、 media coverage : 報道機関による報道、 sign up : 〜の名前を参加登録する、 TV station : テレビ局,放送局、 morbidly : 過敏なほど,病的に、 medical team : 医療チーム,医療班、 taint : を汚す、 heart transplant : 心移植,心臓移植、 video screen : ビデオの画面
9 不運なことに、日本人の中にも命を救うべき臓器移植を受けられる見込みの ない人達がいる。1997年のこの法律では、16歳未満の若者は臓器を提供する ことが許されていない。言い換えれば、子供は臓器移植を受けられないとい うこと──成人の臓器は子供には適合しないから。新潟に住む鈴木浩(25歳) が、これまで日本でよく目にした必至の資金調達運動をしている理由がまさ にこのことによる。2歳になる彼の娘玲奈が肝臓移植を必要としている。これ までに、家族が調達できたのは、デトロイトで手術を受けるのに必要な500,000 ドルの半分。その鈴木ですら、子供の臓器提供には複雑な思いである。「小 さな子供たちの脳死を判定するのは非常に難しいため厄介なのです」と鈴木 は言う。それでも大田博士に言わせれば、「大変情けないことです。子供た ちの命を救うのに他国に頼っているのですから」 tragically : 悲惨に、 carry out : 実行する、 desperate : 捨て鉢の、 fund-raise : 資金調達に従事する、 liver transplant : 生体肝移植,肝臓移植、 so far : 今のところ、 conflicted : 葛藤のある,矛盾した、 complex : 複雑な、 embarrass : 当惑させる


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