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| P22 | インドとパキスタンとの間で熱烈に戦われたクリケットの試合が、亜大陸 (両国)を瀬戸際まで追いつめる | contest : 争う、 brink : 瀬戸際 |
| 1 | スポーツは戦争が昇華したものだろうか?亜大陸では、永遠の敵インドとパ キスタンがクリケットの試合のために競技場に赴くときこれが明らかになる。 クリケットは南アジアで関心を持たれている唯一のスポーツだ。両国の商業 活動は停止。夕食は静まり返ったテレビのある部屋へと移る。まるで戦車が 音を立てて国境を越えて来たようである。競技場では、パキスタンのクリケッ ト解説者オマール・クレイシが、ある種心を奪われたうつろな目をした情熱 が観衆に取り付いている、と解説している。「この人達はクリケットの試合 に来ているのではありません。戦場に来ているのです」と、観衆を見てクレ イシは言う。 | sublimate : 昇華させる、 archrival :大敵,第1級の競争相手、 take to : 〜に赴く、 pitch :競技場、 grind : 砕ける、 halt : 中断,停止、 decant :移動させる、 hush : 静かにさせる,黙らせる、 rumbling : ガラガラ[ゴロゴロ]鳴る音、 sports stadium : 競技場、 commentator : 解説者、 rapt : 心を奪われた、 glassy-eyed : とろんとした目をした、 ardor : 情熱,熱心、 possess : 悪霊などが〜に取り付く、 go into battle : 戦いに出る |
| 2 | 先週の一時期に、クリケットに起因するあらゆる争いがインドで吹き荒れた。 パキスタンのクリケット選手が1990年来始めて5日間に渡る国際試合の ために飛行機でやってきて、あらゆる地獄が解き放たれた。怒り狂って抗議 するインド人は、過激なヒンズー教徒の政党に煽り立てられ、既にニューデ リーのクリケット競技場を壊し、インドの管理当局でボンベイにある、イン ドのクリケット管理委員会本部を破壊していた。その後、はるか南のマドラ ス市では、公共輸送機関の運転手が焼身自殺をしようとして失敗し、3人の 兵士予備軍が切り落とされた豚の頭を5つ持っているという理由で逮捕され た。豚の頭を競技場に投げ入れ、地元及びパキスタンから来ているイスラム 教徒を嘲笑しようというのである。(イスラム教では動物を不浄と考え、切 り落とされた豚の頭というのは宗教暴動を引き起こすことがもうわかってい るのである。)これだけで十分でないときには、51人の決死隊が命をかけ て試合を中止させるべく控えていると言われている。 | brew : 起こる、 test match :クリケット優勝決定戦,国際試合、 break loose : 脱出する,束縛を脱する、 whip up :煽り立てる、 political party : 政党、 cricket pitch : クリケット競技場、 trash : 破壊する、 Board of Control : 管理委員会、 far-off : はるか彼方の、 public transport : 公共輸送機関,公共輸送、 unsuccessfully : うまく行かなくて,失敗して、 immolate oneself : 焼身自殺する、 would-be : 〜のつもりの、 spoiler : 台無しにする人、 sever :切断する、 dump : 放り出す、 taunt : あざける,なじる、 deem : 思う,判断する、 unclean : 汚れた、 time-tested : 長い使用で保証済みの,長年かけて有効性が実証されている、 spark : 〜の口火になる、 suicide squad : 決死隊 |
| 3 | 表面上は宗教的なものとかあるいは社会問題に対する不満によるものとみえ る亜大陸における他の対立と同様に、クリケットの小競合いも実はシブ・セ ナによる全国的なピーアールであった。シブ・セナというのはインド西部の マハラシュトラ州とその州都ボンベイの政府を支配している政党である。シ ブ・セナは、その攻撃の全てとは言わないまでもそのほとんどを陰で操って おり、試合を中断させようというその脅しをインド、パキスタン両国は真剣 に憂慮していた。パキスタンのチームとインドのトップ選手何人かには、通 常なら国家元首にしかつけられない安全措置がとられた。パキスタンは、遠 征の間、チームの監督としてシャリャール・カーンを任命するという異例の 手段をとった。カーンの苦境における経験は、パキスタンの外部大臣や首席 外交官としての役割も含めて象徴的である。彼は、去年の夏行われた核実験 により、既に緊張している両国の関係を、クリケットが暴発させないよう送 り出されたのである。今までとは異なる仕事を始める前に、このずっと外交 畑を歩いて来たカーンはこう言った、「わくわくする試合を期待しています。」 | ostensibly : 表向きは,表面上は、 divisive : 不平を生じる、 social issues : 社会問題、 spat : 些細な喧嘩、 nationwide : 全国に渡る,全国的な、 public-relations campaign : ピーアール活動、 threat : 脅迫、 disrupt : 中断させる、 head of state : 元首,国家主席、 for the duration : 当分の間は、 sticky wicket :【クリケット】スティッキーウィケット (=sticky dog)《雨上がり のボールのはずまないフィールドで, 打者に不利》,厄介な立場, やりにくい相手 [人物],苦境にある、 metaphorical : 隠喩的な、 stint : 割り当てられた仕事、 Foreign Secretary : 外務大臣、 derail : 狂わせる,脱線させる、 nuclear device : 核爆弾、 embark on : 〜に乗り出す,〜を始める、 |
| 4 | 事態は、試合を中止せよという要求をシブ・セナが止めたとき静まった−− その政党が早くに行われるクリケット決定戦を2試合、アマチュアのゴルフトー ナメントを1つ止めさせ、大きな国際スカッシュトーナメントをボンベイか らカタールの首都ドーハに移させたことを考えれば、これは予期せぬ譲歩で ある。シブ・セナ党首で、漫画家から政治家に転身したバル・サッカレイは、 パキスタンがジャム アンド カシミールで反インドとか独立に賛成する分離 主義者を支持する限り、インドはパキスタンと接触を持つべきではないと主 張している。「私たちの立場は愛国心に基づいているのです」と、サッカレ イ。サッカレイへの票は、人民主義の政策によるものである。よりヒンズー 教徒であろうとするのとは別に、彼はマラーティー語を話す人達の運動を支 持している。マラーティー語とは、この州の言語では多数派である。(彼が ボンベイという名をマラーティ語からとられた名であるムンバイに変えたの はこのためであった。) | calm down : 静まる、 climb-down : 譲歩,撤回、 abort : 中止する、 test match : クリケット優勝決定戦,国際試合、 tournament : トーナメント,競技、 squash racquets :スカッシュ《四面を壁で囲まれたコートで柄の長いラケットとゴム ボールを用いて行なう球技》、 supremo : 至上の指導者,総統、 cartoonist : マンガ家、 separatist : 分離主義者、 Jammu and Kashmir : ジャム アンド カシミール《Kashmir の公式名; 北西部はパキスタン領, 南東部はインドの Jammu and Kashmir 州》、 patriotic fervor : 愛国の情熱、 populist : 人民主義者、 platform : 政治要綱、 aside from : はさておき,は別として、 champion :支持する、 Marathi :マラーティー語《マラータ族のことば; Indic 語派の一で,Maharashtra 州の公用語》、 linguistic : 言語の,言葉の,語学上の、 moniker :名前 |
| 5 | 傍から見ているものにとっては驚くべき事だが、性質から考えてスポーツマ ンらしくなく、必要なら暴力も持さないシブ・セナが譲歩した。「ニューデ リーの見方からすると、これは極めて重要でした」と、首都にあるジャワハ ラル・ネール大学で国家間の研究をしている助教授アミタブ・マットは語る。 問題があるとすれば、シブ・セナがスポーツのみならず、インド−パキスタ ン間の関係も乗っ取ったように思われることです。」インドの首相アタル・ ベハリ・バジュパイ率いる政府にはますます不運なことだが、クリケットの 騒動は極めて深刻な政治論争の種になってきていた。インド人民党は似たよ うなヒンズー教徒よりの姿勢で勢力を伸ばしているのだが、国外には、たと え核兵器を持っていてもインドとパキスタンは共存できるし、互いに礼儀を 尽くすことができると示したかったのである。少なくともクリケット競技場 ではそうであった。それが今では可能となるかもしれない:クリケットの国 際試合と2つの地方のトーナメントが、これからの数週間亜大陸で行われる であろう。シブ・セナが譲歩したことで、クリケットファンは国境を挟んで の緊張感ではなく、単にどちらのチームが勝利するかを見守ることとなる。 | onlooker : 傍観者、 characteristically : 特質上、 unsportsmanlike : スポーツマンらしくない、 back down : 譲歩する、 extremely important : 極めて重要な、 associate professor : (大学の)助教授、 hijack : 強奪する,乗っ取る、 hapless : 不運な,哀れな、 fracas : 喧嘩,騒ぎ、 political football : 政治論争の種、 Bharatiya Janata Party : インド人民党、 thrive on : を食べて育つ,で栄える、 stance : 立場,姿勢、 armory :武器庫,兵器工場、 coexist : 共存する、 cricket field : クリケット競技場、 capitulation : (条件付き)降伏、 cross-border : 国境を挟んで、 prevail : 勝利を得る |
第3段落
Khan's only experience with sticky wickets has been metaphorical
onlyが特に不明。metaphoricalもよくわかりません
第4段落
It's all part of the populist platform that gets Thackeray votes.
more-Hindu-than-thou:
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