Who Gets the Good Genes?

Who Gets the Good Genes?
(1.11.HP.1999)

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今回は The Future Of Medicine から
  金野さんのサマリーです。1月11日号の一連の遺伝子関連記事の一つです。

良い遺伝子を手に入れるのは誰なのか?


語彙は主に『英辞郎』Ver.17から抜粋

 

大意

語彙

1 1932年の小説'ブレーブ ニューワールド' でオールダーズ・ハクスリーは、 将来の出産を非常に整然としたものと想像した。中央ロンドン孵化場並びに条件 付けセンターで、社会予定室からの命令に従い、卵は受精され、瓶詰めされ、 ベルトコンベヤーに乗せられる。9ヶ月後胚は 'デカンティング(1種の遺伝子 操作)'の後 -- 赤ちゃんになった。国家による洗脳のため、 人々は遺伝子によ って割り当てられた社会での役割に満足していた。社会階層には、賢く覇気満々 としたアルファから、うすのろのイプシロンまであった。 Brave New World :『すばらしい新世界』《Aldous Huxley の小説 (1932); 物質 的欠乏と肉体的苦痛がなくなり家族関係も消滅した未来社会を, そこに適応でき ない自然児の眼を通して描いた反ユートピア小説》、 envision : 想像する、 orderly : 秩序のある、 in accordance with : に従って、 predestination : 予定説,宿命、 fertilize : 受精させる,受胎させる、 conveyor belt : コンベヤベルト、 decant :別の容器[デカンター]に移す、 state-sponsored : 国が後押しする、 brainwash : 洗脳,洗脳する、 assign : 指定する,任命する、 alpha : 第一位(のもの)、 dim-witted : うすのろの,ばかな、 epsilon : ないも同然の
2 ハクスリーのこの反理想郷小説の出版以来、薄気味悪い社会効率のために国家 が個人の生殖の自由を奪うというのは、標準的な優生学の悪夢となってきた。だ が遺伝子工学の時代が訪れてみると、それとはおよそ反対のことが、もっともっ ともらしい悪夢なのだ。自由放任優生学が、何百万ものおやたちの選択の自由か ら生まれ出るだろう。確かに、ハクスリー風の社会的地位のヒエラルキーを避け る唯一の方法は、国家が優生学に関与していくことなのかも知れない。 dystopian : 《ユートピア (utopia) に対して》暗黒郷,地獄郷、 eugenic : 優生学的な、 nightmare : 悪夢,恐怖、 social engineer : 社会工学者,社会事業家、 subvert : 滅亡させる,堕落させる、 reproductive : 生殖の、 eerie : 不気味な、 genetic engineering : 遺伝子工学、 plausible : もっともらしく思われる、 laissez-faire : 自由放任主義,放任主義、 social stratification : 社会的階層分化
3 1932年当時はハクスリーのシナリオは意味をなした。「知能の低い人たち」 を強制的に断種させていた州もあったのだ。ヒトラーはこの政策を'我が闘争' の中で賞賛した。だが、ハクスリーがおぼろげに予見した生命工学の革命は、優 生学の論理をひっくりかえした。選択的中絶や試験管で受精させた卵を選択的に 再移植することなどにより遺伝子の特性を選べるようになった。そしてあと何年 かすれば、受精卵に遺伝子を付け加えることも可能になるだろう。ハクスリーの 時代の優生学は国の命令によってのみ起こった。だが今では、優生学を避けるた めに、遺伝子操作の禁止という国の命令が必要とされている。 scenario : シナリオ,筋書き、 forcibly : 強制的に、 sterilize : 不妊にする,根絶する、 feebleminded :精神薄弱の,低能の、 Mein Kampf :『我が闘争』(1925)《A.Hitlerの自伝》、 biotech : 生命工学、 dimly : かすかに,ぼんやり、 inside out : 裏返しに,あべこべに、 genetic trait : 遺伝形質、 reimplant : 再移植する、 fertilize : 受精させる、 in vitro : ガラス管内で,試験管内での,生体外で、 fertilized egg : 受精卵,授精卵、 mandate : 指図,指令,命令
4 だが徹底的な禁止は起こりそうにない。子供が血友病にならないようにしよう としている親を誰が止めようなどとするだろうか?そしていったん治療が許さ れれば、どこで境界を引くかを決めるのは困難となる。 out-and-out : 徹底的な、 in the cards : ありそうで、 hemophilia : 血友病、 draw the line : 一線を画する
5 エジンバラ主教は線引きを試みた。大英医学協会の生命倫理に関する研究論文 を調べ、主教は、'医療目的'の遺伝子操作は受け入れたが、容姿が良くIQの高い 'デザイナー ベービー'を作るという'フランケンシュタイン的考え' は非難した。 だがその差はどこにあるのだろうか?臨床医は学習障害を医学的問題と考えてい る。もし生まれる前に学習障害を診断し治療する方法をみつけたとすれば、それ は知能テストの点を引き上げていることではないか。そういうことはしてはなら ないと親たちにいうべきなのか?国が失読症の子をあなた方は持たなければな らないと決めたのだと親に言わなければならないのか?ちょっとした記憶障害 の子だったらどうだろうか?平均以下の言語能力の子ということならどうだろう? あるところで、障害と不便の境界線を越えてしまう。だがその境界線がどこなの かということについて意見の一致を見ることはないだろう。 oversee : を監視する、 British Medical Association : 《英》医学協会、 bioethics : 生命倫理(学)、 embrace : 受け入れる、 tinker : いじくりまわす、 denounce : 糾弾する、 high IQ : 高い知能指数、 learning disabilities : 学習障害,学習不全、 medical problem : 医学上の問題、 diagnose : 診断する、 dyslexia : 失読症,難読症、 flaw : 欠陥、 verbal skill : 言葉の技術、 inconvenience : 不自由
6 国がある種の優生学的策略を禁止したとしても、裕福な親たちはもっと寛大な 国の病院に行き、帰国してから最高の子供を産むだろう。(すでに英国の親たち は、本国では違法なので、体外受精の手法で男女を産み分けるためサウジアラビ アにいっている。)たとえ禁止されていなくても、高価な遺伝子技術の恩恵に預 かれるのは上流階級の親たちだけだろう。ともかくも最高の医師のもとへいき、 最高の学校にいく子供たちは、健康と学力で、他の子供たちよりも遥かに有利な スタートが切れるだろう。 eugenic : 優生学的な、 maneuver : 操作、 tip-top : 極上の,最高、 illegal : 違法の、 upper-class : 上級の,上流階級、 can afford : 余裕がある、 pricey : 高価な、 in any event : いずれにしても、 head start on : 幸先の良い(有利な)スタート
7 このような不平等な手段は、ブレーブ ニュウワールド風の厳しいカースト制 度はもたらさないだろう。遺伝子と環境の相互作用は頭脳と精神の安易な微調整 を許すにはあまりにも複雑すぎる。その上体外受精を愉快な経験だと思う人は誰 もいない。ひどく恐ろしい遺伝病がかかっているということでもなければ、裕福 な人たちでさえ不快な侵襲的な処置は避けるだろう。だが遺伝子技術はもっと力強 いそして患者に優しいものになっていくだろう。遅かれ早かれ、最もひどい障害 を持つ人々が社会経済的等級の底辺へと流されて行き、生物学的階層社会がはっ きりと現れ、アメリカ人が現在有する価値観をあざ笑うだろう。 caste system : カースト制,カースト制度、 a la :…流の[に]、 interplay : 相互作用,〜し合う、 fine-tune : 微調整する、 in vitro fertilization : 体外受精、 affluent : 裕福な、 forgo : 〜なしで済ませる、 painful : 苦しい、 hereditary : 遺伝的な、 at stake : 問題となって、 user friendly : 使いやすい、 liability :障害、 socioeconomic : 社会経済の,社会経済的な、 stratification : 層化、 mock :ばかにする
8 国家登場。この悪夢を避ける現実的な一つの方法は、裕福な人たちが使ってい る科学技術を貧しい人たちも使えるようにすることだろう。そのような考えは 無邪気に聞こえる。だが、評論家たちは間違いなく、それは結局優生学に補助 金を出すことに等しいというだろう。 realistic : 現実的な、 amount to : 結局〜ということ[意味]になる、 subsidize : 補助する
9 国家の関与を認めれば、とんでもない生命倫理の泥沼にはまるだろう。たとえ、 誰も彼もが不思議にも、子供の記憶力の改善は失読症の回避と同程度に妥当であ ると認めたとしても、まだ効果の証明されていない遺伝子や良い面よりも悪い面 が多く現れるような改変など、納税者がそのために税金を払いたくないと思うよ うなものもあるだろう。(1 個の遺伝子が 2 つ以上の結果を生む多面発現性の 遺伝子は例外というよりは一般的なようだ。)どれがらちを越えた技術なのかが 問題になるだろう。その答えは科学の進歩とともに変わっていくだろう。しかし、 その議論は決して終わることはないのだ。 quagmire : 泥沼、 dyslexia : 失読症,難読症、 taxpayer : 納税者、 alteration : 改変、 downside : マイナス面、 upside : 良い面、 pleiotropy :多面作用、 beyond the pale : 社会の常識をはずれて
10 ブレーブ・ ニュー・ワールドでは、国家による優生学は、 全体主義の一部で あり、文化的な戦いだった。それは、一つには、家族の絆に対する戦いであり、 もう一つには、不朽の恋を初めとする、生殖の自由選択に関する古風な趣のあ るなごりに対する戦いだった。 この小説は成功した。 読者は、国家がデザイ ナーベービーの問題に手を染めることほど、ぞっとすることはないと考えるよ うになった。だが、もしデザイナー ベービーの問題が市場に放置されるとした ら、 どんなに混乱するにしても、どんなにおぞましいにしても、国家がそれ に関与することは最悪の選択枝ではないと思うかも知れない。 totalitarianism : 国家統制主義,全体主義、 family bond : 家族の絆、 romance : 恋愛、 quaint : 古風で趣のある、 vestige : 痕跡,跡、 ghastly : 恐ろしい,青ざめた、 government involvement : 政府介入,政府の関与、 messy : 乱雑な,厄介な、 creepy : 気味悪い,ゾッとする


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