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| P34 | インドネシアに猛威をふるう森林火災からの肺を焦がすような煙が、東南アジア 全域に暗雲を投げかけ、交通、環境、さらに人命にも多大な損失をもたらす | haze :煙霧、 raging : 猛威をふるう、 forest fire : 山火事,森林火災、 cast a pall over :に暗いかげりを投げかける、 take a toll on :損失をもたらす,多くの人命を奪う、 |
| 1 | 先週金曜日、ガルーダ航空のA-300がメダンの南西30Kmの丘の斜面に突っ込んだ。 乗客234人と乗員に生存者はいない。東南アジアはすでに恐るべき1週間を 過ごしてきたのであるが、このインドネシア最悪の飛行機事故は更なる悲劇を もたらした。事故の原因はまだ不明だが関連する要因として:インドネシアの 森林火災から流れてきて、フィリピンからスマトラまで陸海を問わず覆ってい る煙霧。このため、メダン空港の視界は500mを切り、空港を閉鎖するほどでは なくても理想的とはいえなかった。 | descent : 下降、 plow into :衝突する,突っ込む、 horrendous : 恐ろしい、 choking : 息詰まるような、 pall :ひつぎ,棺、 smog : スモッグ、 visibility : 視界、 runway : 滑走路 |
| 2 | 地域全域にわたる環境と衛生に関する怒りがつのっているなか、その悲劇が 起こった。インドネシア大統領スハルトが国家的災害と宣言したが、その ときには既に火災は何週間も続き、ボルネオなど300,000ヘクタールが焼失。 インドネシア人35,000人、マレーシア人15,000人が呼吸器疾患で治療を受け、 2人が死亡。マレーシアのサラワクでは大気汚染指数が記録的な839に上昇。 (100から200が「不健康」;301以上は一日80本の喫煙と同程度に「有害」) スカーフやマスクをした光景は、ブルネイ、シンガポール、タイ、フィリピン ではもう見慣れたものとなった。今週末には、そのスモッグはマニラまで 到達。東南アジアは、一つの国の悪習が引き起こした危機に直面した。 | outrage : 激怒、 public-health : 公衆衛生、 ravage : 破壊する、 respiratory : 呼吸の,呼吸器の、 ailment : 病気、 be akin to :似ていて、 hazardous :有害な、 swathe :包帯する;包む、 surgical : 外科手術の、 leading edge :最先端,先端、 spark :突然起こさせる |
| 3 | スモッグは、聖書に現れる天罰の様相を呈してきた。空と海の交通は混乱: マラッカ海峡を行き来する貨物船の視界はわずか数百メートル。煙雲が 長引けば作物にも観光事業にも影響は甚大なものとなる。クアラルンプール では、7階以上の建物では1日30分屋上から水を撒くよう(政府)当局 から指示が出された。 | unstoppable : 止められない、 biblical : 聖書の,聖書に現れる、 plague : (天罰としての)災い、 glossy : 光沢のある、 seep :浸透する、 climate control :環境制御,室温調節、 skyscraper : 摩天楼、 shipping : <船積みする、 disrupt : 中断させる,混乱させる、 freighter : 貨物船、 ply :定期的に往復する、 sun-drenched : 強い日差しを浴びた、 linger :長引く、 staple crops :主要商品作物、 rooftop : 屋上 |
| 4 | (火災の)地元では光景はさらに現実離れしている。パランカラヤに通じる 道路の両側は、炭化した草地が狭まった水平線まで続いている。薄汚れた明るさ のなかに、かつては青々とした平原が墓地に変わり果て、ただワシだけが 獲物を求めてむなしく飛んでいる。ところどころに枝を剥がれた木々が墓石 のごとくぼんやりと現れ、低木は道路ぎわでくすぶっている。地下で泥炭 が燃えているのか煙が噴き出たりする。 | ground zero :爆心地、 surreal : 超現実的な,妙に現実離れした、 charred : 炭化した、 limited : 制限された、 lush : 新鮮な,豊かな、 prey : えさ、 loom :ぼんやりと現れる、 headstone : 墓石、 smolder : くすぶる、 peat : 泥炭、 belch :(火・煙を)噴出する,げっぷする |
| 5 | 消防関係者は火災はもうすぐ沈静化すると言っているが、カリマンタンや スマトラのほとんどを覆っている泥炭のため、雨季になるまでくすぶり続ける かもしれない。「泥炭は一度燃え始めれば、その火は地下に広がる。丸一日 雨が降ってもその火は消えない」とノエリド・ラダムは言う。 | spongy : 海綿状の,吸収性の、 monsoon :季節風、 put out :消す |
| 6 | 他の自然条件もこの災害に一役買っている。カリマンタン南部と東部は、石炭が 地表面近くに埋蔵されていたり露出していたりする。ここ2年の比較的乾燥 した気候により他の可燃性物質もそこに蓄積されてきた。きこり達が森林を 伐採すると、赤道の太陽の熱が直接その火口箱に到達する。早くも5月には気象庁 はエルニーニョによる長期的乾季を予想。いつもは9月から始まる雨季が 今年は11月まで来ないかもしれない。 | devastation : 荒廃,破壊、 deposit :堆積物,貯蔵所、 atop : 頂上に、 combustible : 可燃性の、 accumulate : 蓄積する、 logger : きこり、 canopy :天蓋(てんがい)、 fell :伐採する、 hardwood : 堅木、 tinderbox : (一触即発の)危険な場所[状態],火口箱、 meteorology : 気象学、 drought : かんばつ、 El Nino : エルニーニョ現象、 monsoon :季節風 |
| 7 | 過去20年間、毎年起こる火災は焼き畑農業をする農民のせいだとされてきた。 だが、彼らは「その点では専門家であり、彼らのつけた火が広がるとは考え られない」とラダムは言う。今年、インドネシアの環境大臣サルウォノは、 衛生写真によれば火災のほとんどは大規模プランテーションから出火したもの であることを認めた。9月半ば、サルウォノは出火の疑いのある企業176を名指し し、2週間で無実を証明するよう要求、証明できなければ事業停止と宣言。 スハルトは、火災を起こした企業は最大25万ドルの罰金と発表した。 | authorities : 当局、 roving : 放浪する、 fertilize :肥やす、 cultivation :開墾,耕作、 nomad :遊牧民,流浪者,遊牧民の、 inconceivable : 想像もつかない、 arson : 放火、 fine :罰金、 |
| 8 | 今までは、プランテーションの持ち主はその政治的影響力のお陰で規制を 免れてきた。だが今年の空前とも言える火災の広がりで、かつてないほど の反発も生れた。良き隣人に慣れた地域の基準からすると、バンコック ポストの社説は激しい非難ととれる。「良き隣人は他人を傷付けない。 インドネシアが汚染を止めなければ、良き隣人にはなれない」と新聞は 述べた。 | clout : (政治的)影響力、 wield :行使する、 confidant : (大統領などの)補佐官,側近,親友、 shield :かばう、 regulatory : 取り締まる、 unprecedented : 空前の、 prompt : を促す,駆り立てる、 backlash : 激しい反発、 strident :押し付けがましい・(自分が正しいと)信念を持った、 rank as :の部類に入る、 tirade :激しい非難 |
| 9 | 最も被害を被っているマレーシアの非難は穏やかだ。首相がスハルトに、 煙を非難する手紙を書き、謝罪を引き出したもの。インドネシアの副首相 イブラヒムはマレーシアの非難を軽くいなし、火災の沈静に近隣諸国と もっと密接に協力したい旨を表明。マレーシアは口調は穏やかだが、行動 は断固たるものだった:スマトラとカリマンタンに1,200人の消防士を派遣、 水爆弾用あるいは、人降雨の種となる食塩水を蒔けるように飛行機を改造 する命令を出した。 | elicit : 引き出す、 muffle :抑制する、 back up :応援する、 transport : を運ぶ、 firefighter : 消防士、 seed :《人工降雨の》〈雲〉に種をまく、 water bomb :水爆弾《水を入れた紙袋など》、 saline solution :塩水,食塩水 |
| 10 | 「政府の対応が真剣になったのは、近隣諸国からの不満が出てからである」 とボルネオのBanjarmasin Postの編集長は言う。インドネシアはその火災に 8,500人の消防士と百万ドルの費用をかけ、マレーシア以外の国からの援助 も到着しだした:日本は放水泡300台を約束、カナダなどの国々は技術援助 を約束した。煙霧はついに災害と認識されたのである−−だが依然として 健康も生活も煙の下にある何百万人ものアジアの人々にとっては、とても 早いとは言えない。 | editor-in-chiefe :編集長、 water cannon :放水砲《デモ隊などを散らす放水車の》、 pledge : を誓う、 catastrophe : 大災害、 livelihood :暮らし,生計 |
第8段落
strident neighborliness
ここは一見論理が合わない気がします。
strident :かん高い,甲高い,耳障りな、
"neighborliness"の適訳がないのですが、「よき隣人であること」ぐらいかな?
とすると、「口うるさい隣人付き合い」となるのでしょうか?
「そういった基準からすると、社説は非難と言える。」
どうも"strident"が変なのですよね。"strident"と"neighborliness"とが
合わないのです。
記事の流れからいきますと、"strident neighborliness"は「うまくやって
いこうという隣人どうしの付き合い」となり、
「うまくやっていこうという隣人どうしの付き合いに慣れている地域では、
先週金曜日のバンコックポストの社説は非難と思える」ぐらいになるのですけど
SHIRAさんから情報提供がありました。
strident :押し付けがましい・(自分が正しいと)信念を持った(from ロングマン)
これだと意味がすっきりしますね。 「良き隣人とはこういうものだ」という信念なり
伝統なりがある地域社会で、「良き隣人は他人を傷付けないものだ」というのは、
その社会では痛烈な非難になり得ますね。
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