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| P38 | ラモスは、大統領の地位をゲームにしている。そのため憲法改正のうわさ が飛び交う、大統領2期め、さらに戒厳令とか。 | fuel :油をそそぐ、 constitutional :憲法上の、 martial law :戒厳令、 |
| 1 | 戦後のフィリピンの歴史的瞬間は1972年9月21日にやってきた。 マルコス大統領が戒厳令を敷き、アジアで最も活気のあった民主主義を 押しつぶした日である。最近、その25周年が記念され、テレビの特別 番組では当時の大量逮捕の映像を繰り返し放映している。解説者は、 権力の地位に留まり独裁性を正当化するためにマルコスが用い、時には 仕掛けた爆弾を列挙している。 | defining moment :その後を決定づける瞬間、 vibrant : 活気に満ちた、 squelch :押しつぶす,鎮圧する、 commemorat : を祝う,記念する、 resurrect : 復活させる、 grainy :【写】〈画像が〉粒子の粗い《不鮮明な》、 footage : (映画,ビデオの)一連の映像、 mass : 一般大衆、 commentator :解説者、 recoun : 列挙する,数え上げる、 engineer :(陰謀などを)たくらむ |
| 2 | フィリピン人が戒厳令時代に興味を持つのは郷愁からというだけではない。 現大統領フィデル・ラモスは来年6月に任期満了。憲法では1期のみしか 許されてないが、彼は大統領に留まる方法を模索している。そのため、 この国の若い民主制度をいじくるのは賢明だろうかという懸念が生じて きた。また、ラモスの任期延長の賛否両論や、喫茶店での陰謀説などが どっと出てきた。その一つでは、マニラでの誘拐や爆弾テロの多発を理由に、 ラモスが新しく戒厳令を敷くというもの。「ラモスの任期は終わろうとして いる。自分の仕事は他の誰にもできないと信じているのです」と マニラの司教ジェイム・カーディナル・シンは言う。シンと前大統領アキノ は憲法改正反対運動を展開し始め、この2週間、毎夜大統領に5分間の たわごとを送ることを呼びかけた。「彼は自分が救世主だという危険な考えを 持っています」とシンは語っている。 |
nostalgia :郷愁、
impetus起動力,推進力、
current :現在の、
prompt : を促す、
tinker :いじくりまわす、
unleash : 解放する,放つ、
pros and cons :賛否両論、
extension :延長、
Pinatubo :ピナトゥボ山、
conspiracy : 陰謀,、
rash :突然の多発,頻発、
tenur : 在職期間、
collectively :集合的に、
dub :を呼ぶ、
nightly :毎夜,夜に、
barrage: 一斉射撃、
messiah 救世主 "coffee shop conspiracy"は日本だと、料亭での闇取引かもしれませんね |
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これはフィリピン人にとって極めて微妙な問題だ。マルコスを追放してから
というもの、民主主義は自分達にピッタリのものだという信念を持っている。
その一方で、それだけではないということも分かっている:アキノが在任中、
クーデターもあり、経済はガタガタだった。ラモスは間違いなく独立以来
最高の大統領で、1992年からGDPは3倍に伸びた。実業家で彼の留任
を望まないものはいないだろう。不幸なことに、マルコスもフィリピンでは
戒厳令を敷いた初期の頃でさえ最高の指導者と考えられていた。ラモスの
熱烈な支持者も、憲法を、度々変えたり、在任期間を延ばすために変える
危険は認めている。「6年間でこれほどのことを成し遂げた大統領はいない
と思う。だが、在任が長くなればマルコスのようになるかもしれない」と
ロバート・ジェイク・ジャクソンは言う。 (ミドルネームに"Jake"とあるのは、信用できるという意味に掛けているの かもしれません) |
profoundly : 大いに、 tricky : 扱いにくい,微妙な、 inspirational : 鼓舞する,霊感の、 oust : 追放する、 for all :にもかかわらず、 mar : 損なう,台なしにする、 coup :クーデター、 moribund : 消滅しかけている、 arguably : 論証できる、 GDP :国内総生産,Gross Domestic Product、 forward-looking : 進取の,進歩的な,積極的な、 shrewdly : 抜け目なく,利口に、 ardent :熱心な、 concede : 真実と認める、 hazard : 危険、 changing : 変化する、 perpetuate : を永続させる、 jake :《米》信用できる人物 |
| 4 | ラモスが2期めもねらうだろうという憶測は1992年6月に宣誓をしたときから 既にあった。その後5年間は、そういう気持ちは無いと否定してきた。だが 2週間前、事態は判然とはしなくなった。経済界の会合で、態度を保留すると 言ったのである。先週のテレビ放送では、5月に予定の選挙は実施するし、 戒厳令の施行は否定したものの、憲法の改正は否定しなかった。その夜、 シンとアキノからの晩餐会への招待を受けた。目的は9月21日予定の憲法改正 反対集会を止めるように二人を説得すること。そのとき、大統領は、自派のラカス派が 大統領候補を選定する11月までは憲法改正に関するイニシアティブについて は話さないと言った。シンとアキノは不満ながらも集会の名称を「祈とう集会」 と改名。それでも、反ラモスの集会を予想して株式市場もペソも下落した。 | maneuver : 巧みに扱う,作戦行動を取らせる)、 take oath :宣誓する、 muddy : 濁った,さえない、 keep one's options open :選択の自由を保留にしておく,態度決定を保留する、 in the offing :近い将来に,近く起こりそうだ、 fail to :しない,できない、 rule out :を除外する,禁止する、 baronial : 貴族風の、 residence :邸宅、 amendment :改正,修正(条項)、 rally : 集会、 elaborate :詳しく述べる、 pending : 懸案中の、 initiative :イニシアティブ 《一定数の有権者が立法に関する提案を行なって選挙民や議会の投票に付する制度[権利]》 |
| 5 | ラモスが政治ゲームをしているのは確かだ。少なくとも、残りの在任期間中権力 が弱まっていくなかで、権力を維持しようとしている。「野党をかき混ぜようと いう気持ちは彼にはありそうだ」と、大統領に立候補予定のルナト・ド・ヴィラ は言う。だが、5ヶ月以上も前から、ラモスの側近達は、憲法から大統領と議員 の任期条項を外す署名運動をしている。「ラモスはマルコスそっくりだ。彼は いつもA,B,Cのプランを考えている。プランBは無論今の議会を"憲法改正 議会"に改変し、憲法を改正できる力を与えることだ」とジョン・オスメナ議員 は語っている。口実としてはミンダナオの南部の島に上院の議席を当てる必要が 急務である、というもの。いったん憲法をいじり始めれば、大統領の任期延長や 大統領と議員の任期制限も破棄されるかもしれない。こうした変更は国民投票を 必要とする。「国民に審判させよ」とラモスの事務総長ルーベン・トーラスは 言っているし、「我々の大統領は自らその職に相応しいことを示した。そのまま 在任させてはどうか?」とピープルパワー革命時の同僚ジュアン・ポンス・エンリレ も同意している。 | political game :政治ゲーム、 waning : かけていく,弱まっている、 bid :立候補の声明、 legally 法律的に,合法的に、 torpedo :水雷で破壊する、 Supreme Court : 最高裁、 much like : そっくりの,酷似の、 congressman :下院議員、 constituent assembly :憲法改正議会,憲法制定会議,国民議会、 empower : 権限を与える、 underrepresent :実際以下に評価する、 dismantle :取りのぞく、 nationwide : 全国にわたる、 plebiscite : 国民(住民,一般)投票、 executive secretary : 事務局長,事務総長 |
| 6 | ラモスを酷評する人達は、ピープルパワー運動の英雄はまた、マルコス側近の 一人でもあり戒厳令を実施したひとでもあったと指摘する。今日では、こうした 非難は不適切のようにも思える:ラモスは在任期間中決して独裁的ではなかった し、支持率24%で勝利して以来大統領としては成功してきた。元将軍は洗練さ れた政治手腕を発揮してきたが、マルコスの記憶が残る国では、それは障害とも なりうるのである。 | critic :批評家、 chief lieutenant :?、 anything but :決して〜ではない、 autocratic : 独裁の、 electoral :選挙の、 haunt :(忘れないように)〜の脳裏にしっかり刻み込む、 guile :ずるさ,陰険さ、 hindranc :障害 |
第3段落
"I cannot think of a president who has done so much in six years,"
says Makati-based mining executive Robert "Jake" Jackson.
ミドルネームと思われるものに""がついてます。"Jake"です。なぜあえて""を付けたので
しょうか?強調したいものとは思えますが。
「jake :《米》信用できる人物」という意味があるようなので、""をつけることによって、
この意味を掛けているのかもしれません。
第4段落
having already issued a denial that martial law was in the offing
この文章、thatの用法が謎でした。同格と考えるには、that以下が肯定、denialが否定と
なっており、しっくりきません。しかし、どうやらこれは慣用表現のようですね。
「that以下をしなかったと否定」と訳すようです。
denial that:〜を否認 Despite his denial that he robbed the bank, he was found guilty. :(彼は銀行襲撃を否認したにもかかわらず有罪となった。)
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