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| P42 | 突然、数学が面白く、ゲームをやってるみたい。だけど、子供のために なるのかしら? | math :数学 |
| 1 | カリフォルニア、サンバレーのファーナンゲル小学校5年生の算数の時間。 みんな戸惑っている。身近な問題をあれこれ考えて1時間過ごす:「ここ の皆が他の人と手をつなぐとしたら、何回手をつなぐでしょう?」子供達 は小グループに別れてなんとか実際に手をつながずに答えを出そうとする。 その間、先生は教室を歩き回っている。1時間が過ぎても答えはでない。 「難しい授業のときはよくあるの」と先生は平然と答える。昼食後にまた 取り組むのだろう。 | stump : 人を困らせる,途方に暮れさせる、 at hand :手近の、 frown :顔をしかめる、 scribble : 走り書きする、 devise : 考え出す、 alternatives : 代案,別の選択、 roam :歩き回る、 unfazed : 平然とした |
| 2 | この授業を見ると、算数がアメリカの教育で論争の的になる理由がわかるだろう。 今年はアメリカの小学校の半数がこのような算数の授業を受けることになる。 つまり、九九や定理を覚えるのではなく、試行錯誤で問題を解くやり方。 計算機を手近に置き、先生の指示はあまり無い。このやり方の支持者は、 これを対話型算数と呼び、アメリカの子供の数学的能力を高めると主張。 | peer : 垣間見る、 glimpse :ちらりと見る、 times table :掛け算の表(?)、 theorem : 定理,法則、 calculator :計算機、 advocate : 支持者、 interactive : 対話型 |
| 3 | 反対者はこれをナンセンスと片づける。そしてあれこれ レッテルを貼る。"whole math"とは、読み方の学習方法で、 音声学まで含む全ての語彙を学ぶことを強調する"whole language" 法をもじったもの。"new-new math"とは、1960年と70年代に集合論 などを導入し、消えていったNew Mathを思い出させるもの。 | pejorative :軽蔑的な,非難の意を含む、 phonics : 音響学,音声学、 new-new : ぐっと新しい、 ill-fated :不運な、 fad :気まぐれ、 arcana : arcanum(奥義,秘密)の複数形、 set theory :集合論、 congruence :合同 |
| 4 | 反対派は、将来のアメリカ算数教育についての激論を教育委員会の 公聴会などに持ち込んだ。教育学者E.D. Hirsch Jr.に言わせれば、 反対派は「突然人々を目覚めさせこういうのだ。それは効果がない、 信頼できる理論に合わない、間違いを冒そうとしているのだ」という。 | pitched battle :賛否伯仲の議論,激論、 school board :教育委員会、 academia :学究的な世界 comport :似合う,適合する |
| 5 | 始まりは1989年。アメリカの子供たちの相変わらずの数学不振に答えて、 全国数学協会(?)が数学教育を一新する新しい基準を設けたのだ。 伝統的な算数:丸暗記の演習、かったるい黒板の授業を止め、 かっこいいやりかた:計算機、図形ボードを使い、実践的で自由な問題、 生徒自身が自らの手で問題を解くべく奨励する。「この基準は子供達 の考え方に重点をおくことを強調している」と協会長は言っている。 | in response to :に答えて,に対して、 overhaul :見直しする、 stalwart :信念の固い(人)、 rote :まる暗記の,機械的な、 memorization : 記銘、 drone :ものうげに話す、 geoboard :碁盤の目の様にドットが整列しているボードで,これをつないで簡単に三角、四角などの図形を描くもの。コンピューターソフトとしてこの、ボード状のものが用意されてもいる,(What's a geoboard? It's a fun manipulative used in school to explore geometry. On a standard square geoboard with rows of pegs, children place rubber bands around the pegs to make cool geometric designs. With Edmark's electronic geoboard, the GeoComputer, you can do much more!)、 hands-on : 実践の、 open-ended : 制限のない自由形式の |
| 6 | 8年経った今、40の州で「基準に基づく」数学教育を実施、全国科学財団は 包括的な指導教材の開発に毎年1000万ドルをかけている。カリフォルニアが 先頭に立ち、最先端のMathLandと呼ばれるカリキュラムが州の小学校の 60%で使われている。「こうした子供達は問題をうまく解くようになる だろう。深く考えるようになるのです」とパルマンは言う。 | institute : 始める,実施する、 cutting-edge : 最先端の、 K-6:小学校 |
| 7 | だが反対派に聞けば、改革の恐るべき話を耳にするだろう。基本的演算を止める とか、6から4を引くのに1年生が計算機に頼るとか、算数の教科書に絶滅に 瀕した種とか西アフリカのゴン族の話が載っているなど。分子生物学者の マイケル・メケオンに言わせれば、「Whole mathというのは厳格さもなく、 深みもなく、扱う量も少ないってこと。」メケオンは対反抗の中心となる ウエブサイトを開いた。ジェニングスのような親がここから最新の情報を得ている。 ちょっと前にオールAの娘のサラが、470の10%を計算するのに電卓に手を伸ばす のに気が付いた。「あれを見て血が逆流したわ」とジェニングスは言い、 他の親達と一緒になって、以前の算数教育も選択できるように学校に圧力 をかけた。 | algorithm :演算手順、 subtract :を引く,引算をする、 endangered :絶滅の危機に瀕した、 Dogon : ゴン族、 rigor :厳密,正確、 nerve center :神経中枢、 counterinsurgency : 逆反乱,対反乱計画 |
| 8 | 同様の小規模の不満があちこちで起こり、教育委員会はまもなくカリフォルニア の学校にもう少し従来に近い形の算数教育を導入する予定だ。whole mathの 反対者は、1999年に予定されている中学2年の全国テストはwhole mathを推進 するために用いられるだろうと警告する。「テスト審査員に任命されているのは 皆whole math支持者だ。」教育省関係者はこの非難に、テストは、算数の基礎的 技能と高次の問題解決能力を測るものだと怒りを込めて言う。 | small-scale : 小規模の、 revolt : 反乱、 detractor :中傷者、 bristle : 怒る,いらだつ |
| 9 | whold mathは本当に悪いことなのか?アメリカの数学教育に必要とされている 刺激を与えるという、改革者の動機を疑うものはいない。だが、このやり方は 確かに子供に刺激を与えるものの、同時に目標が曖昧にもなるのである。 フェルナンゲルの5年生が手をつなぐ問題に頭を抱えているとき、近くの 4年生のクラスでは、緑と赤のタイルで遊んでいた。何個の緑の門が何個の 赤いフェンスにピタっとはまるかを考えていたのだ。「48個の緑の門が あれば何個の赤いフェンスが必要でしょう?」と先生が訴える。少しして、 「80」と生徒の一人が答えると、何人かが電卓を叩くが答えはでない。 20分経っても答えらしきものは出なかった。 | inject : 注射する、 adrift : 漂って,目標を失って、 mull : 熟考する,頭をしぼる、 fiddle :もてあそぶ,時を空費する、 figure out :計算して出す,解く,理解する、 implore :懇願する(嘆願)する |
| 10 | 無論、whole mathを弁護するのに最たるものはその効果のほどである。 new-new mathを支持するコネチカットのような州では、早々と生徒の 学業が改善されたという証拠を挙げている。その一方で、whole math が導入されてから少なくとも一時的な低下が見られると指摘する人 もいる。確かなことは、いい加減な結果は役に立たないということ。 世界と比較すると、第三回国際数学科学研究(?)で、アメリカの中学2年 は国際レベルを下回り、シンガポール、韓国、日本のはるかに下だ、 ということ。 | indicator : 指示器,指示、 drop-off :減少、 lukewarm :いい加減な,不熱心な cut it :効き目がある、 |
| 11 | 我慢せよと支持者は言う。1989年の数学基準を作るのに参加したトーマス・ ロンバーグはこう言う、「十分な研究と教師の訓練が必要なことは分 かっている。これをうまくやるには20年から25年かかるということも 分かっている」と。まだ指を折って数えることができない12才の子供を 持つ親は、そんなに長くは待てないかもしれない。 | pull off :うまく成し遂げる count on one's fingers :指を折って数える |
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