ワシントン発−地球人がほとんど始めてといってよいぐらい水星をじっくり見た結果、この小さく生命のない惑星は、自らの形を決めるのに予想以上の役割を果たしたことがわかってきた。謎に満ちた黒っぽい青色の物質を火山が吐き出したようだ。 |
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NASAのメッセンジャー宇宙探査機からの新しい画像は、水星はなぜ本来あるべき姿よりもやや滑らかなのはなぜかという何十年来の論争に解決に役立つだろう。今月メッセンジャーが接近通過した際の写真を、NASAは水曜日公表した。それによって答えが得られたのである。初期の探査機から得られたものよりもはるかに多くの火山活動があったのだ。 |
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太陽に最も近い惑星である水星は、単なる「死に絶えた岩」、水星を形成した宇宙の衝突の標的にしかすぎないものとして、天文学者たちは片付けていました、とMITの惑星科学者マリア・ズバーは話している。 |
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「今は、もっと興味深く見えます」と、メッセンジャー探査機の実験をするズバーは言う。「非常に沢山の火山物質があります」 |
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バルティモア・ワシントン地域に匹敵する大きさで深さ1マイル以上のところに冷えた溶岩をもつクレーターがあるが、そのようなクレーターが埋め込まれているという新たなイメージからは、38億年から40億年前は、かつての月以上に水星は火山活動が激しかったことを示していると、ズバーは説明した。 |
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しかし、クレーターが埋め込まれているだけではない。特殊なカメラを使った探査機からは、ある科学者が言うところの「謎の暗青色の物質」が見られた。それは惑星のいたるところに見られるため、アリゾナ州立大学の地質学者マーク・ロビンソンは、その鉱物が火山の爆発によって水星の大きな核から噴出した重要な、しかしまだ未知の物質であると推測している。 |
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その物質は、マリナー10号によって1970年代に始めて撮影された部分的な水星の画像で見つけられている。メッセンジャーによって、今年初めに水星の裏側の画像でも再び発見されていた。最近の水星の画像と初期の画像と合わせると、惑星の95%をカバーするが、その青い物質は天文学者が予想していたよりも多くの場所で見られる。 |
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その物質の色を「暗青」とロビンソンは表現したが、特殊な赤外線カメラではそう見えるのであって、普通の可視光線のもとでは、「淡い青みがかった色で」、水星のほかの部分よりも「赤みが薄い」と、ロビンソンは話した。 |
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その物質について話すのは時期尚早であるが、鉄を含んでいるかもしれないと、ロビンソンは言う。マリナー10号ではあまり鉄が見つからなかったので驚きだとも言った。 |
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