懺悔が精神によいことは誰もが知っている。インターネットの時代には、それはサイトのアクセスにもよいことがわかった。ここ数年の間に、匿名で投稿したり読んだりするサイトが数多く現れ、ときには、他人の心の奥底にある秘密にコメントを与えることもある。DailyConfession.comとか、GroupHug.usといった名前のサイトは元々は宗教とは無関係のものだったが、そうしたサイトからヒントを得て、会衆たちを引きつけるためにネットでの懺悔を採用する牧師たちがいる。 |
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フロリダ州クーパーシティにあるフラミンゴロード教会のような教会のサイトは一年中決まったアクセス数がある。一方で、カリフォルニア州エルクグローブにあるインパクト・コミュニティ教会のように、特別なテーマの説教で訪問者を引きつけるところもある。インパクト教会の主任牧師バリー・スミスは、今年の春、秘密というテーマについての4週間にわたる説教を盛り上げるためにネットでの懺悔の部屋を設けた。スミス牧師によると、この考えは、「神学上のものというよりは心理的なもの」であり、長く持ち続けている恥ずべき秘密を抱える人たちを助ける方法だという言う。少なくとも信徒のうちの2人にとって、この懺悔は形をとって現れてきた。元刑務所護衛官(ここでは仮にジャックと呼ぶ)は妻に不実であり、その罪の意識で「押しつぶされて」いた。ネットで初めて懺悔した2,3日後、礼拝のときに取り乱し、妻に本当のことを話した。すると、妻もまた本来あるべき道を踏み外していることがわかった。ネットで秘密を明らかにするという行為は雪ダルマ的効果をもたらすとジャックは話す。そして意味のある会話をすることが容易になるという。「私が抱えていた重荷は、物理的なものといっていいぐらいでした」 今は? 「またデートをしている気分です」 |
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覗き趣味や露出狂、うそつきなどが集まってくるけれど、ネットでの懺悔は本来魅力的だと支持する人たちは言う。というのも、そうした懺悔は、惨めさや奇癖は自分だけではないと人々は理解し、懺悔をする人にとって、匿名で心の重荷を下ろすことは苦痛である事実に直面する第一歩となるかもしれないからだ。フランク・ワレンは、完全に宗教とは無関係なPostSecret.comという月間500万アクセスのある独自のネット懺悔を、ワシントンの美術展示サイトとして開設した。自分の名を印刷したハガキを見知らぬ人に手渡し、a)本当のことで、b)誰にも話したことのない、秘密を書いて送ってくれるように頼んだ。何百枚という手渡した以上のハガキが届いた。現在全国の大学を演説して回っており、2004年にこの企画を始めてから5冊目となる秘密に関する本を2009年に出版する予定のワレンは、未だに毎週届く1000通のハガキから20の秘密を掲載している。「誰もが引きつけられる」ものを選んだのだ。告白の力に驚いています、とワレンは語る。それは短かったり克明に描写されていたりします(「父親に10年間黙っていて、毎日それで苦しんでいます」;「食事をするとき、私は落伍者のように感じています」;「教会主催のキャンプでゲイのセックスをしました、3回」)この企画を始めて3週間、ワレンは自分自身の「恥ずべき子供の頃の出来事」を投稿したと言う。それについてはその後、妻と子どもにも話した。「他人が勇気を出して秘密を打ち明けるの見ることは重要でした、だから私も自分の秘密を投稿できたのです」と説明した。 |
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確かに、宗教的であろうと非宗教的であろうとPostSecretの競争相手は、神への告白行為や、自分たちの知っている人と秘密を共有しようとは主張していない。ここ2,30年、懺悔に訪れる人数が減少しているカトリック教会の場合は、ネットでの懺悔を指導的立場の人たちははっきりと拒否し、カトリックの7つの秘跡のうちの1つの儀式では、司祭が神とつながる唯一絶対のものであることを要求していると強調している。それでも、サイトはアクセス数が多い。ジャックが妻との関係を修復したあと、8月に、妻は病気の祖父を心配して州外まで遠出をした。そういうことはこれまでにも何回もあった。「以前は、そうだね、妻がいなくて寂しいが、男だけで過ごすのも悪くはなかった」とジャックは話す。「今回は、まったく違う。心が痛んで、本当にひどかった」 そうしたことが、実は非常に良いことだとジャックには分かっている。 |
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