Day-Glo and Darkness

Day-Glo and Darkness
(11.19.P62.2001)

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今回は ARTから  原文はここ
  残念ながら読んでもよくわかりません。雑誌には少し写真も載っています。

光と蔭


語彙は主に『英辞郎』Ver.468から抜粋

BY MICHAEL FITZGERALD Sydney
 

大意

語彙

P62 ポップアート、政治、ロボット、それに放射線防護服がひとつに融合し、少 壮気鋭の日本人アーティストによる才気あふれんばかりのショーがシドニー で開催される Day-Glo : デイグロー(効果の強い印刷用蛍光インキ),安ピカの radiation : 放射線 fuse : 融合する ebullient : ほとばしり出る up-and-coming young : 少壮気鋭の
1 9月11日以前では、1995年3月20日の事件がある。陽射しの明るいある春の朝、 オーム真理教信者5人が東京の地下鉄に入り、液体サリンガスの入ったビニ ール袋に傘の先で穴を開け、12人が死亡、数千人が負傷した。そのわずか2ヶ 月前には、関西の港市である神戸市を襲った地震により5,000人以上が亡くなっ ている。「ある奇妙な不安感、ほろ苦い後味の悪さといったものが残っている」 と小説家村上春樹は当時の記録Underground:東京ガス攻撃と日本人の真理に 書いている。「私たちは首を伸ばし周りを見る、まるでこう尋ねるかのよう に:こうしたものはすべてどこから来たのか?」 sunny : 日のよく照る cult : 宗派 pierce : に穴を開ける liquefy :液化する sarin : サリン,毒ガス umbrella tip : 傘の先端 port city : 港市 malaise : 倦怠感,不安 aftertaste : あと味 linger on : 余韻が残る psyche :心理 crane : 伸ばす
2 こうした惨事の時代に美術学校に行き今30代となった日本の芸術家の世代も また自分たちの首を伸ばし疑問を投げかけてきた。90年代初めにはじけたバ ブル経済の恩恵のもとで育ってきたこの芸術家の世代は、純真さと暗い精神 を併せ持つ──ロンドンのヘイワード美術館で大掛かりなサーベイ展示会で ある「Facts of Life」で独創的にチャンスをものにした。「内省と分析と いう強い気持ち同様に将来についての深刻な不安感のある時代です」と語る のは館長のレイチェル・ケント氏。彼が9人の新進芸術家とその作品を「新 ─東京:現代の日本の美」としてオーストラリアに紹介している。これは2 月10日までシドニーの現代美術館で開催中。 art school : 美術学校 calamitous : 災難の多い bubble : シャボン玉 wide-eyed :素朴な,純真な creatively : 独創的に seize the moment : チャンスをつかめ Hayward Gallery : ヘイワード美術館 profound : 深刻な,難解な self-reflection : 内省 curator : 館長 emerging : 新生の contemporary : 現代の
3 MCAを訪れるものは、その暗さではなく爆発して光輝くポップアートにまず驚 くであろう。Kenji Yanobeの壁に据え付けられシャボン玉を飛ばしているア ストロボーイの像、Myeong-eun Shinの400体ものビニール製のピンクプード ルがいるフロア、Satoshi Hiroseの部屋では5,000個のレモンが香り、日本の 現代文化であるKawaii(可愛い)を祝っているかのようである。しかし砂糖 をまぶしたアーモンドのように、「新─東京」は少しばかり苦味のある後味 が残る。 Day-Glo : デイグロー(効果の強い印刷用蛍光インキ) Astro Boy :「アストロボーイ」 《手塚治虫の『鉄腕アトム』の日本製米国テレビ 版で, 米国に輸出されたテレビアニメの第 1 号; テーマ曲の米国版作詞は Don Rockwell, 作曲は日本と同じ高野達雄》 sculpture : 彫像 poodle : プードル fragrant : 良い香りの ongoing : 進行中の,現行の aftertaste : あと味
4 Shinのプードル広場の角を曲がると、Miwa Yanagiによる床から天井までの DVDプロジェクターによって観客はどこまでも遠ざかっていく暗い回廊にその 身を置くこととなる。白いコートを着た女性の姿が現れ、何かをつぶやき手 招きをしながら両サイドのドアへと姿を消していく。謎めいた心理劇を演じ ている精神病院にいるのかもしれない。別のギャラリー・スペースでは、子 供のような5体の像が丸く集まっている。原色でかつ幸福な表情からすると、 1998年制作Yoshitomo NaraによるLittle Pilgrims(夜活動する人たち)は テレタビーなのかもしれない──子供たちが包帯で包まれているのに気づく までのことだが。これらの不可解な像は、「どういうものか方向を見失い不 確かな将来に直面している世代、傷ついた世代」の肖像画であると館長のケ ントは言う。この意味において、「新─東京」はまさしく深い心の傷を受け たあとの治療の芸術である。 around the corner : 角を曲がった所に pooch : 犬 projection : 映写 endlessly : 無限に,延々と recede : 遠ざかる mental hospital : 精神病院 play out : 最後まで^演じる psychodrama : 心理劇 gallery space : ギャラリー・スペース primary color : 原色 beatific : 幸福にする nightwalker :夜間うろつく人,夜間活動する動物、 Teletubbies :テレタビー,英国のテレビアニメ番組 swaddle :細長い布で包む bandage : 包帯 enigmatic : 謎めいた portrait : ポートレート,肖像画 uncertain future : 不確かな将来 posttraumatic :外傷後の
5 東京の地下鉄攻撃から1年後、大阪生まれのKenji Yanobeはネバダ州やチェ ルノブイリといった核実験場や事故現場を訪ねると同時に、耐放射線服とか 車を作りはじめた。「精神的にも肉体的にも強くはないのです」とこのアー ティストは言う。「だから防護服なんかを作らなくてはならないのです。臆 病だから色んなものが怖いのです。何かを作らなくてはなりません。生き延 びなくてはならないのです」シドニーに開催されたAntenna of the World, 2001では、Yanobeは400体のミニチュア「アトム」の中に等身大の自分のフィ ギュアを置いた。400体の中には光ったりガイガーカウンターの音を発するも のもある。彼の口は音もなく叫び、不吉なことを予言する芸術的表現となっ ている。 radiation-proof : 耐放射線(の) travel to : 〜に赴く nuclear test : 核実験 accident site : 事故現場 Chernobyl : チェルノブイリ mentally : 精神的に physically : 肉体的に protective suit : 防護服 coward : 臆病者 survive : 生き延びる life-size : 等身大の soundlessly : 《副》音もなく artistic : 芸術の prophet of doom : 不吉なことばかり言う人
6 こうした芸術家の中に人生を絶え間なく続く交戦地帯とみるものがいるとき、 Taro Shinodaは自分で新しい避難方法を考案した。個人的な衛星計画2000で、 ロケットの発射装置と衛星一式の試作品を建造し、最後にはそれを宇宙に送 り込もうと計画している。これをShinodaは日本のお盆で思いついた。お盆の ときに、死者の魂を送り出すことを願ってちょうちんが川に流されるのである。 continuing : 継続している war zone : 交戦地帯 devise : 考案する means of escape : 避難方法 suite : 一組 prototype : 試作(品) rocket launcher : ロケット発射装置,ロケット弾発射砲 inspiration : ひらめき paper lantern : ちょうちん waterway : 水路
7 シドニーのショーでの他の芸術家の関心事はもう少し地に付いたものである。 過去5年間、ニューヨークに本拠を置くMomoyo Torimitsuは電池で動くサラ リーマンロボット「Miyata Jiro」を世に送り出し、それはロンドンやリオデ ジャネイロやシドニーの通りをのろのろと歩いてきた。看護婦の服装をして この企画を催したこの芸術家の手で、ロボットツアーの全貌がビデオに収め られている。Torimitsuにとってサラリーマンとは、失われたこの10年間にお ける経済戦争の犠牲者であり、打ち砕かれて慈しみを必要とする魂である。 earthbound : 現世的な,地に固着した battery-operated : 電池で動く crawl : のろのろ進む preside : 主宰する casualty : 被害者 economic war : 経済戦(争) shatter : 〜を打ち砕く
8 ヴェニスの隔年開催される美術展を先頃マクドナルドのアーチのある神社が 美しく飾られたが、その作者である東京の芸術家Masato Nakamuraは別の種類 の戦争──文化間の戦争──について述べている。シドニーでの彼のブース Minimal Selves, 2001で、暗くされたギャラリースペースに8社のコンビニ エンスストアのネオンサインのロゴを再現するためにその各社と連絡を取り 合っていた。そのような作品は東京の空を覆っている西洋的企業文化の勝利 を暗示している一方で、その効果はといえば極めて日本的である。美しく静 穏でありながら服従しているわけではないNakamuraのライトボックス型のロ ゴは礼拝堂となっており、その中で見に来た人は将来について黙想できる。 「こうしたネオン世代」に生まれ育ってきたので、次世代に伝える新思考法 を取り入れなくてはならない」と彼は言う。 shrine : 神社 grace : 美しく飾る biennale : 隔年美術展 comment on : 解説する installation :設定,基地 liaise with : 〜と連絡を取り合う reproduce : 再現する logo : ロゴ,意匠文字 gallery space : ギャラリー・スペース corporate culture : 社風,企業文化 skyline : スカイライン,建物の輪郭 serene : 静穏な submissive :従順な chapel : 礼拝堂 meditate on : 〜について熟考する take on : 採用する
9 こうして「新─東京」は、現在の不安と取り組むことを恐れず苦痛に満ちた 過去を精神を高揚する美の対象へと変えることも恐れない新進のアングラ芸 術家たちの希望のメッセージをもって終える。 underground : 反体制の grapple with : 〜に取り組む painful past : 苦痛に満ちた過去 edify : の精神を高揚する


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