Einstein's Repulsive Idea

Einstein's Repulsive Idea
(4.16.P50.2001)

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今回は SPACEから  原文はここ
  英文は易しいけど、背景知識がちょっと必要ですね。

アインシュタインの反重力


語彙は主に『英辞郎』Ver.400から抜粋

BY MICHAEL D. LEMONICK
 

大意

語彙

P50 彼は苦し紛れに反重力を考え、同時にそれを捨て去った──しかし、それこ そが宇宙でも最強の力かもしれない antigravity : 反重力,反引力 in desperation : 破れかぶれで abandon :捨てる
1 アルバート・アインシュタインは、反重力という考えを非常に嫌っていた。 不自然な概念が嫌だったのではない。何しろ、彼の特殊及び一般相対性理 論は、時間と空間と物質が消しゴムのように圧縮され伸ばされるという驚く べき主張をしたのだから。問題とは、一般相対性理論の予測と、天文学者が 信ずるところの実際の見えている宇宙が一致するのにある種の反重力──ア インシュタインはそれを「宇宙項」と呼んだ──が必要だったからだ。そし てその余分な項が、アインシュタインの愛する数学的エレガンスを台無しに するからだった。1920年代、膨張宇宙が発見された結果、「最大の失態と宣 言したものを取り消すこととなって、この偉大な物理学者は非常に安堵した。 farfetched : こじつけの general relativity : 一般相対性理論 assertion : 主張 squeeze : 圧搾するに India rubber : ゴム,消しゴム,ゴム製オーバーシューズ some sort of : ある種の,何がしかの antigravity : 反重力,反引力 cosmological : 宇宙学の astronomer : 天文学者 mar :損なう,台無しにする、 elegance : 優雅,気品 beloved : 最愛の hugely : 大いに,非常に expanding universe : 膨張宇宙 cross out : 抹消する blunder : どじ,失態
2 だが彼は少し急ぎすぎたのかもしれない。先週科学者たちが、アインシュタ インの失態は実際はノーベル賞級のもう一つの予測だったのではないかと強 く主張した。遠くの超新星──爆発している星──を発見し研究するために ハッブル宇宙望遠鏡が使われていたが、2つのライバル関係にある天文学者 チームが協同してこれまででもっとも有力な証拠を集めた。つまり宇宙の膨 張はスロットルを全開したロケットのように、現実に加速しているという証 拠を集めたのである。言いかえれば、何かがそれを推し進めているというこ とだ。 make a case :主張する blunder : 失態 prediction : 予測 Hubble Space Telescope : ハッブル宇宙望遠鏡,《米国》大気の揺籃を受けずに 観測できるように,周回軌道に打ち上げた光学望遠鏡 supernova :超新星、 research team : 調査チーム strong evidence : 有力な証拠 throttle : スロットル,絞り弁
3 何かといっても現時点では確かなことは誰にもわからない。「手当たり次第 理論家をつかまえて聞いてみれば、20やそこらの仮説はすぐにでも出てくる だろう」と、メリーランド州バルチモアの宇宙望遠鏡科学研究所に所属し共 同研究のリーダーであるアダム・リースは話す。現在のところ、この未知の 力は、その謎に満ちた性質を強調するために単に「ダークエネルギー」と呼 ばれている。 at this point : この時点で anybody's guess :全くの当て推量 theorist : 理論家 collaboration : 共同研究
4 しかしその存在に異論を唱えるのは難しくなってきている。最初の兆候は2 年前のことで、2つの別々の天文学チームがIa型超新星という、特徴的な光 度曲線をもつ一種の爆発する星を用いて、宇宙膨張を測ろうとしたときのこ とだった。光度がわかっているこうした超新星が実際にどれほどの光度で見 えるかを調べれば、それがどれほど遠くにあるかの物差しとなる──すなわ ち、宇宙の歴史において、その光がどれほど昔に放出されたかがわかる。こ うして、風船のように全体がふくらんでいる宇宙で、それぞれの超新星がど れほどの速さで地球から遠ざかっているかを計測すれば、過去のそれぞれの 時間における膨張率を計算できる。 dispute : に異論を唱える calibrate : 目盛を決める,キャリブレーションをとる cosmic expansion : 宇宙膨張 supernova : 超新星 exploding star :爆発する星《新星・超新星などのように急激に光度を増す変光星》 intrinsic : 固有の,本質的な brightness : 輝度 consistent : 一貫性のある give good measure : 計りを良くする balloon :風船 expansion rate : 膨張率
5 誰もが驚いたことには、徐々に重力によって膨張が遅くなるという予想とは 異なり、膨張率は速くなっていることを両チームは発見した。チームの一方 を率いる、カリフォルニア州ローレンスバークレー国立研究所のソウル・パ ールミュッターは、「目にしているものを理解しようと、少なくとも1年間 を費やしてきた」と語る。結局のところ両チームは、一種の反重力として機 能するダークエネルギーだと考えるのが最善だという結論に達した。 struggle : 奮闘する in the end :結局は guess : 推測
6 それよりもこれまでの解釈、たとえば光度の測定をあいまいにする銀河間ダ ストといった解釈があるのではないかと批判するものもいる。だが新たな観 測によりこの可能性は消えたようだ。新しく確認された超新星はおよそ110 億年前──これまでの記録よりも50%も遡る──に爆発を始めた。「もしそこ にダストがあるのなら、その超新星はもっとぼんやりと見えたでしょう」と、 パールミュッターチームの一員であり、この新しい研究ではリースの共同研 究者であるローレンス・バークレーの天体物理学者ピーター・ヌジェントは 話す。 conventional : 従来(式)の intergalactic : 銀河系間の dust : 塵 contaminate : 汚染する brightness : 輝き measurement : 測定 loophole : 抜け穴 go off :爆発する record holder : 記録保持者 astrophysicist : 天体物理学者 collaborator : 協力者
7 新しい超新星が遠くにあることは、別の理由からもさらに重要であった。 「もしダークエネルギーが、現に見ているものを本当に説明するのであれば、 その影響は宇宙の初期にはもっと弱かったはずだ」とライバルチームの一員 であるリースは話す。なぜなら、銀河が互いに離れるにつれ銀河間の重力は 弱まるが、ダークエネルギーというのは空間の属性をもち、宇宙が膨張する につれて強まるものだからである。ビッグバンの直後というのは、宇宙が相 対的にはほとんど空間を占めていないときなので、ダークエネルギーはあま りなかった。今では宇宙ははるかに大きくなりより多くの空間を持っている ので、銀河を押し広げるエネルギーを多く持っている。案の定、この遠くに ある超新星は、はるか昔は膨張が緩やかだったことを示している。 remoteness : 遠隔 force of gravity : 重力 get stronger : 力をつける Big Bang : 《爆発宇宙論の》大爆発,ビッグバン take up :占める shove : 押しやる sure enough : 案にたがわず,案の定
8 この新しい超新星はダークエネルギーが本当にあることを確認するのに役だっ てはいるが、それを確かなものとするために、あと2,3個、遠くにある超新星 を見たいと天文学者は願っている。残念ながらこれは当面実現しそうにない。 リースとヌジェントが分析したハッブル望遠鏡の写真は、望遠鏡が他のもの を探しているとき全く偶然撮られたものだった。超新星が爆発するのを期待 して遠くの銀河に狙いをつけるのは、貴重なこの望遠鏡の使用時間を当てる には効果的ではない。最善の方法は、その目的のために打ち上げられる衛星 であろう──実のところ、その衛星が打ち上げられるまでには何年もかかる だろうが、パールミュッターたちはその計画に取り組んでいる。 go a long way :効果がある,成功する confirm : 確認する,追認する to be sure : 確かに analyze : 分析する purely by chance : 全く偶然に inefficient : 役に立たない valuable : 価値のある best bet : 最善の策,確実な方法 devote : 〜にあてる,向ける work on : に取り組む
9 もし本当にダークエネルギーが宇宙に充満していれば、長年議論の対象であっ た宇宙の運命は明らかだろう。昨日よりも今日、今日よりも明日ダークエネ ルギーが多くなるのであれば、時間が経つにつれ宇宙はますます速く膨張す る。誰かが予言したような、燃えさかる世界の終わりに何十億もの銀河が互 いにぶつかり崩壊するといった宇宙の収縮はないだろう。今から何百億年か 経てば、私たちのいる銀河は空虚な空間にただ一人存在する。一番近い星で も遠すぎて見ることはできない。最後には星は消えてなくなってしまう── そして、バンと音をたてることなく消え入るような音とともに宇宙は終わる のだろう。 seethe with : 〜で沸き返る longstanding : 積年の,長年の cosmos :宇宙 fly apart : バラバラになる Big Crunch : ビッグバンの反対で,宇宙の収縮 fall in : 〜の中へ落ちる fiery : 火の,激しい apocalypse : 啓示,黙示 wink out :輝きを失う,終わる,消え失せる、 meek : 意気地のない whimper : シクシク泣く


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