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大意
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語彙
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BY CHRISTINE GORMAN
| P43 |
アルツハイマーの遺伝子治療
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gene therapy : 遺伝子治療
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| 1 |
脳の手術というのはいかなる場合でも難しいものだ。それを遺伝子治療といっ
た実験的治療と組み合わせると、その複雑さは信じがたいものとなる。とは
いえ、それこそが、サンディエゴのカリフォルニア大学の研究グループが、
アルツハイマーの新しい治療法を見つけようとして行っていることだ。先週
の記者会見では、マーク・ツチンスキィと彼の同僚たちは、遺伝的に組替え
た組織を、アルツハイマーの初期症状にかかっている60歳になる女性の脳深
くに挿入したと発表。
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surgery : 手術
complexity : 複雑さ
stagger : たじたじとさせる
press conference :記者会見
cluster : 塊
genetically modified : 遺伝子操作された,遺伝子組み換えの
tissue : (細胞の)組織
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この手術は、アルツハイマーの遺伝子治療としては初の試みであり、11時間
かかった。今回の主たる目的は、この治療実験をさらに続けていっても安全
かどうかを決めるもの。前脳下部に位置するコリン作動性神経細胞と呼ばれる神経
単位を強化するのがその目的である。この脳細胞は、私たちが論理的に考え
たり情報を処理したりするのに重要な役割を果しているのだが、実は病気の
進行に伴って退化していく細胞のうちのひとつにすぎない。
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bolster : 増強する,強化する
neuron : 神経単位,ニューロン
cholinergic : コリン作用性の
forebrain : 終脳,前脳,端脳
brain cell : 脳(神経)細胞
critical : 重要な
degenerate : 悪化する
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神経成長因子と呼ばれるたんぱく質がコリン作動性神経細胞の健康を維持するのに
欠かせないことは既に動物実験で示されている。遺伝子治療の技術を用いて
サンディエゴのチームは、患者の皮膚細胞を取り出してそれを神経成長因子
小工場に変換させた。そしてその変換した細胞を患者の脳に植え付けたので
ある。すべてがうまくいけば、コリン作用性細胞の退化のスピードが弱まる
か、あるいは止まるかもしれない。
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protein : 蛋白(質)
nerve growth factor : 神経成長因子
cholinergic :コリン作用性の
skin cells : 皮膚細胞
implant : に植え付ける,注入する
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それは全くの仮説である。コリン作動性神経細胞がアルツハイマー病でなぜ死ん
でしまうのかは誰にもわからない、とツチンスキィ。神経成長因子レベルを
強化してもその細胞を生かしておくには十分ではないかもしれない。さらに
は、脳内で他の多くの細胞が死んでいる状況では、健康なコリン作用性細胞
があっても助けにならないかもしれない。アルツハイマー症の複雑さという
のを研究者は理解し始めたところである。たった一つの手術で答えをすべて
得られるわけではない。
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not matter : 問題にならない
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