How I Got That Story

How I Got That Story
(12.18.P78.2000)

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今回は ESSAY  原文はここ
  ネット小説はまだちょっと不便な気がしますが、どうでしょう?

如何にして小説を書いたか


語彙は主に『英辞郎』Ver.38から抜粋

BY STEPHEN KING
 

大意

語彙

P78 小説家がネット出版から得たものを吟味する ponder : を熟考する
1 今年7月、自分のサイトであるstephenking.comで小説の連載を始めた。月に 1つの話からなっており、気に入れば払うし、払うのは自己申告システム。 この着想は、今世紀前半にあったニューヨーク市の新聞販売人から得たもの。 新聞販売に雇われた人の多くが盲目だったのだが、少し不心得ものがいたと しても盲目の新聞売りからは盗んだりしないだろうと販売店が考えたのだ。 私の場合、そう思った通りにはいかなかったが、実験の第一段階は今月完了 する。The Plantの第6回──これまでで最長──がアップされ、今回は無料。 serial novel : 連載小説 pay as you go :現金で支払う honor system : 自己申告システム inspiration : うまい思い付き newspaper vendor : 新聞販売機 distributer :配給業者、 dishonest : 不正直な newsboy : 新聞売り run one's course : 自然の経過をたどる first phase : 第1段階 for free : 無料で
2 The Planの出版を巡るちょっとした騒ぎの中で、ストーリーそのもの(恐ら くわざわざ読むこともしなかったのだろうが)を話題にしようという解説者 はメディア界にはほとんどいなかった。偶然にも、The Plantはペーパーバッ ク出版社に自生し始めた、なんでも貪り食う超自然のつる性植物についての ストーリー。それが提供するのは、成功、富、それに常に望まれているより 大きな市場。見返りは、わずかばかりの肉…わずかばかりの血…そしてあな たの魂を少しばかり。The Plantがかくも滑稽でインターネットにあっても 少しも不思議ではないのは(ご指摘どおり少なくとも私のひねくれたこころ には)、出版社やメディア界の人たちはまさしくこの手の怪物を目にしてい るように思えるからだ。つまり彼らが一般にネット、特に言えば電子出版を 考えるときはいつでも目にしているのだ:電子出版とは、昔ながらの利益を 生み出すかもしれない厄介な寄生植物。それも、慎重に取り扱えばのこと。 modest :地味な,適度の hoopla : 大騒ぎ analyst : 解説者 voracious : むさぼり食う supernatural : 超自然の vine : 蔓,蔓植物,蔓草,ブドウの木 begin to grow : 大きくなり始める grow wild : 自生する,自然に生える paperback : ペイパーバック publishing house : 出版社 in return : お礼として hilarious : 滑稽な,笑いを誘う admittedly : 明らかに contemplate : 沈思黙考する,もくろむ troublesome : 厄介な strangler fig :締め殺しイチジク型植物《他の木に寄生し,その先端にまで達する と,根でおおったり巻きついたりして締め殺し,それに取って代わる木》 handle with gloves : 優しく取り扱う
3 The Plantの連載(連載は終わってはないが来夏までは休止)中に分かった もので一番がっかりしたことは、ビジネスで切れる男と、ますます娯楽に飢 えてきた社会でその娯楽を提供するちょいとバカだが才能のある男との間に 深い深い誤解があるということ。出版社、投資家それにメディアに関心を持っ て注目している人たちは、The Plantのような冒険をみてこういうのだ。 「ああ、キングはEコマースに移っていってるね〜」と、ヒットラーが東方 に移動しているというニュースを伝える1940年代のニュースキャスターの調 子で話すのだ。その一方で、キングは次のような一節を考えている、「やあ みんな、叔父さんが芝居小屋を手に入れたんだよ!ひとつみんなで芝居をやっ てみよう」言ってみれば、バカなことだ。全然商売とは無縁だ。儲からない というのではないし、文化的な影響がないというわけでもない。ナップスタ ーを考え出したバカ者を思い出すがいい。 dismay : 幻滅,失望 dormant : 休止状態の profound crevasse : 深い割れ目 business world : 業界 goofball : ばか,あほ along the lines of :〜に似たやり方で,〜のようなこと barn : 納屋,物置,倉庫 goofy : 間抜けな clout : 影響力 Napster :インターネットを利用して、ユーザー同士がMP3の音楽ファイルを交換 できることを可能にしたナップスターのソフトウェア
4 事態がこうなったのに不満かって?とんでもない。The Plant執筆は素晴らし く楽しかったし、これまでの収入は600,000ドル。最終的には100万ドルを超 えるかもしれない(数字に関しては来年早々サイトで発表する予定、10セン トに至るまで発表する)現在の本の市場では、この数字は大きな数字ではな いが、The Plant──ご注意あれ、ここが重要なのです──は本ではないのだ。 ただ今現在、その存在は、サイバー空間で陽気に踊る電子的ビットやバイト にすぎない。そう、それは何十万人の人たちに、部分的であれ全体であれダ ウンロードされてきた。またそれをプリントアウトした読者もいるだろう (私の知る限りでは、写本を彩色する中世の修道僧のようにそれを飾り立て る人もいる)しかし、ほとんどの場合、サミュエル・コールリッジの堂々た る邸宅のように、それは単に他の手を経ずにそこに漂う電子的蜃気楼にすぎ ない。印刷の費用もいらず、出版社の手数料とかさらにその手数料を下げる ための代理人の費用もいらないのだ。宣伝(少しは宣伝したが、それほど多 くはしてない)は別にして、経費は無きに等しいまで少なく、潜在的利益は 制限なし。 work on : に取り組む gross : の総利益を上げる post on : 公表する,発表する to the last : 最後まで nothing but : 〜に過ぎない electronic : 電子の bit : ビット byte : バイト,記憶容量の単位 cyberspace : コンピューター空間 decorate : 飾る medieval : 中世の monk : 修道僧,僧侶 manuscript : 手書で書かれた原稿,写本 mirage : 妄想,蜃気楼 all by itself : ひとりでに Coleridge :Samuel Taylor Coleridge(1772-1834)《英国の詩人・批評家》 stately : 堂々とした pleasure dome : 行楽地,豪華な邸宅,歓楽宮 pull down :引き下げる advertising : 宣伝 profit potential : 潜在的利益 unlimited : 無限の
5 第1回から第6回で小説が完結するのか?序章があり、本文があり結論があ るという意味では完結している。読者は、そう例えばフィリップ・プルマン のHis Dark Materials(私の本がこれと同じほどの文学的内容を持っている というのではない:そんなことは考えたこともない)のような3部作の第1 巻を読んだときと同じ程度の満足感を得られるだろう。今は普通の本の出版 をするところ。それが好きだから、また契約──あと2冊──が残っている からでもある。 resolution : 解決 volume : 巻 trilogy : 3部作 literary : 文学の,文芸の contract : 契約
6 この素晴らしい冒険で私が悩むことなどあろうか?自己申告制をとっている ので、人々の正直さを信用するといった世間知らずを露呈したとか、(もっ と悪いのは)サイバー空間でバンジージャンプを耽溺しているといったこと をそれとなく考える人もいるだろう。どちらも違う。何回かに話を分けて提 供し、しかも支払いが悪ければ手を引くと宣言することで、自分の利益を守 るべき武器は手にしていたと考えたのだ。効果はあった。第5回の支払いは 急減したが、それはこの冒険が終わりに近づいていると発表してからのこと。 残念ながら、この試みはかなり損をしてしまった。 coverage : 範囲 implication : 意味あい honor system : 自己申告システム naive belief : 単純な考え fellow man : 人間同士,同胞 indulge in : 〜に耽る electronic : 電子の bungee jumping : バンジージャンピング in installments : 何回にも分けて,分割払いで pull the plug : 中止する,手を引く arm oneself : 武装する steeply : 急勾配で,急に bring on : を招く certain amount of : 一定の loot : 戦利品,略奪品
7 The Plantが市場に存続できるかどうかという本当の意味でのテストは12月末 から1月にやってくるだろう。その頃、フィルトラム出版──私の本の出版 社であり、ほとんど20年間の間臨時的に本を出してきた──が6回すべてを 電子出版(The Plant、第1巻:The Rise of Zenith)する予定だからだ。 値段はペーパーバック並の7ドル。で、これを購入するには、実はクレジッ トカードが必要だ。 marketplace : 市場,売り込み市場 viability : 実行可能性,存続できること publishing company : 出版会社,出版社 at odd intervals : 不定期に paperback : ペイパーバック紙表紙 credit card : クレジットカード
8 私の母は決してバカ者を育てたのではない mamma : おかあさん


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