Rare Birds, Indeed

Rare Birds, Indeed
(11.13.P30.2000)

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今回は ASIA から
 

なるほど、珍鳥だ


語彙は主に『英辞郎』Ver.33から抜粋

By MICHAEL FATHERS Bombay
 

大意

語彙

P30 インドのパールシー社会は、当地のハゲワシが感染している謎の病気に大打 撃を受けている Parsi : ゾロアスター教の人,拝火教の人,インド西部に多い mysterious disease : 得体の知れない病気 afflict : を冒す,ひどく苦しめる vulture : コンドル,ハゲワシ
1 インドで勢力をもつパールシー社会──あらゆるものを征服するイスラムか ら逃れたペルシャ難民の子孫たち──は、特異な葬儀で知られている:遺体 を埋葬することも火葬にすることもせず、敬虔なゾロアスター教徒である彼 らはハゲワシに遺体をついばむに任せるのである。今、その2000年に及ぶ儀 式が消え去ろうとしている。近年、インドのベンガルハゲワシの生息数が減 少し始めたためであり、鳥類学者の言うところでは、南アジアに蔓延しこの 種を絶滅の危険にさらしているウイルスに感染したためらしい。死の儀式を 守るため──そしてその猛禽を救うため──ボンベイのパールシーは、儀式 が執り行われる「死者の塔」の周りに巨大な飼育場を作ろうとしている。日 々その場所に置かれる遺体は平均して3人だが、それに処理できるハゲワシ を飼育するためである。 refugee : 亡命者,難民 distinctive : 独特の,特殊の rite : 儀式,儀礼 cremate : 火葬する,火葬にする corpse : 死体,死骸 devout : 敬虔の念を表す,信心深い Zoroastrian : ゾロアスター教徒 Indian White-backed Vulture :ベンガルハゲワシ devour : むさぼり食う ornithologist : 鳥(類)学者 contend : 強く主張する virus : ウィルス extinction : 絶滅 bird of prey :猛禽,肉食鳥、 set up : 築く,設ける aviary : 鳥の檻,鳥類飼育場 tower of silence : 死者の塔 breed :飼育する cope with : 〜に対処する corpse : 死体,死骸
2 この動きは、改革主義のパールシーから非難を浴びた。遺体の処理には、現 代的な方法を採用する時期だという理由だ。しかしそれに代わるもの──火 葬と埋葬──は明らかに、火、大地、水を神聖なる純潔の象徴とみなす宗教 の、正統なる指導者が忌み嫌うもの。「宗教にとって教義上正しいものを考 えなくてはなりません」と、オックスフォードで教育を受けたゾロアスター 教の学者Khojeste Mistreeは話す。「遺体の処置については宗教的側面を無 視することはできません」 criticism : 非難 reform-minded : 改革志向の dispose of : 〜を処分する anathema : 忌み嫌われるもの,教会の呪い orthodox : 正統の,正統派の,伝統的な divine purity : 神々しい純潔 doctrinally :教義上,学理的に、 Zoroastrian : ゾロアスター(教)の
3 インドのパールシーが新しく社会を築いたところ──北アメリカ、イギリス、 オーストラリア、ニュージーランドなど──では、信者は石を積んでその中 に埋葬されるので、大地は遺体に触れることもなく、従って汚されることも ない。「地中に遺体を埋葬するのがまったく自然だと感じる人もいるようだ」 とMistree。「私は、虫が遺体を60年間も食べるのは嫌だけどね」塔では、遺 体をハゲワシの群れが処理するのにわずか2時間しかかからない。 faithful : 忠実な支持者,教徒,信者 slab : 石板 corpse : 死体,死骸 defile : 汚す,不潔にする in the ground : 地中に repulsive : 反発する flock : 群れ
4 ハゲワシがいたときはそうだった。今ではトビとかカラス、それに太陽だけ、 処理には何日も、時には何週間もかかる。塔──ゾロアスター教徒がダクマ ーと呼んでいるものだが、英語では、小さい戸外にある円形劇場と間違えら れてつけられた名称──は、マラバルヒルという今ではボンベイで最も価値 ある地所の、20ヘクタールという広さの草木が生い茂るジャングルの中に隠 れている。パールシーはその場所を、この街の肺臓、1,300万人が住むスモッ グで覆われた大都会の最後の緑の楽園と呼ぶ。パールシーの力とその宗教に 対する敬意から、インド当局はこの地の上空を飛行機が通過するのを禁止し ている。 kite :トビ crow : カラス misnomer : 誤った名称,呼び誤り open-air : 戸外(の) amphitheater : 円形競技場,円形劇場 dakhma :《インド》《名》ダクマー《Bombay にある拝火教徒 Parsi の円形の 鳥葬場,'Tower of Silence' (沈黙の塔) とも呼ばれる》 amid : の真っただ中に real estate : 土地 lung : 肺 swath : 特定の地域 smoggy : スモッグの metropolis : 大都市 authorities : 《名》当局 overfly :の上空を飛ぶ
5 残念なことに、ハゲワシも飛んではいない。東はベンガルから西はパンジャ ブに至る北インド平原は、かつては何万頭ものベンガルハゲワシの生息地で あった。ハゲワシは至るところで見られた──野原でも、町の近くでも、木 々や電柱にとまっていた。今ではひょっこり訪ねたとしたら、1頭でも見る ことができれば運がいいほうだ。「状況は極めて深刻です」と話すのは鳥類 学者のVibhu Prakash。彼は1986年からハゲワシの観察をしている。「保護地 域でさえ、完全にいなくなりました」ラージャスターンにあるバラトプル鳥 類保護区の受持ち地区で、1987年彼は350対が巣作りをしているのを記録した。 10年後は25対。今年はゼロ。 in the east : 東部に perch : とまる,位置する telegraph pole : 電信柱,電柱 casual visitor : 思いがけない訪問客,不意の来客 ornithologist : 鳥(類)学者 monitoring : 《名》モニタリング,監視 protected area : 防護地域 wipeout : 壊滅,全滅 bird sanctuary : 鳥類保護区
6 なぜ鳥が死ぬのか?専門家がまず疑ったのは農薬、有害物質であり近代農業 の手法である。しかし今鳥類学者が指摘しているのは未確認のウイルスであ り、それは東南アジアから来た可能性があると信じられている。その地域で は50年前にハゲワシが姿を消した。このウイルスに感染すると、「首垂れ症 候群」として知られている症状が現れ、胃痙攣、脱水症状、それに腸炎も同 時に起こる。ハゲワシは普通、日中の一番暑い時期には頭を垂れてはいる。 しかし一度感染するとずっと垂らしたままである。ほとんどが、この病気に 感染すると6ヵ月で死亡する。 pesticide : 農薬,殺虫剤 toxic substance : 有害物質 modern farming : 近代農業経営 unidentified : 未確認の originate in : 起源を持つ droop : 垂れる syndrome : 症候群,病理現象 stomach cramp : 胃痙攣 dehydration : 脱水症状 enteritis :腸炎 infect : 感染する contract :病気にかかる
7 パールシーの指導者たちは時間と戦っている。ボンベイには76,000人のパー ルシーがいるが、その中の懐疑的な人たちを説得したあと、先月この都市の パールシー指導者たちは、ハゲワシの飼育場と繁殖計画に対して政府の認可 を求めることに満場一致で賛成した。彼らは既にそのための資金は用意して いる。「心配なこともあります」と指導者のDinshaw Mehtaは、この計画にか かる費用と、それが失敗に終わる不安について話す。「しかし、私たちがやっ ていることは、教義としては健全なものです。インドに名誉をもたらすこと になるでしょう。絶滅の危機に瀕している種を保護するのですから。政府か らは1文ももらいません」 doubter : 不信を抱く人 trustee : 管理者 unanimously : 《副》満場一致で government approval : 政府の認可 aviary : 鳥類飼育場 set aside :取っておく,積み立てる apprehension : 憂慮,懸念 credit :評判,名誉 rupee : ルピー,ルピー貨
8 第一の計画は15mの高さの飼育場を半ヘクタールにわたって建設すること。そ の場所には、使用中の3つのダクマーのうちの1つが含まれており、建設費 用は220,000ドルの予定;その後、飼育場は年間維持費用44,000ドルを要する とみられている。そこでは50対の若いハゲワシ──食料をあさるのにはまだ 慣れておらず、比較的狭い空間に容易に順応できる──が飼育される。ハゲ ワシは7年で成鳥となり交尾が可能となる。最終的には、繁殖センターも増 やし、飼育場もこの場所で3箇所まで増やすことを計画している。最終目標 は、元の集団に新しい血を導入し、そのあと、北インドの野生の地に解き放 つこと。 aviary : 鳥類飼育場 dakhma : ダクマー estimate cost : 見積原価,予定原価 upkeep : 維持費,維持管理 juvenile : 十分に生長しきっていない,幼い scavenge for food : 食料をあさる confine : 閉じ込める,限定する reach maturity : 成熟する site : 場所,用地 flock : 群れ
9 9月、インド及び海外の鳥類学者が、南アジアのハゲワシを救う行動計画を 立てるためにニューデリーに集まった。パールシーの飼育場は、この計画に おける重要な部分である。「インド国初のハゲワシ繁殖センターを作り、生 態系の改善に貢献できれば、市民として誇りですし、パールシーとしても幸 せです。どちらにとっても満足のいく状況です」Mehtaは話す。 ornithologist : 鳥(類)学者 draw up : 立案する,計画を練る action plan : 行動計画 ecological : 生態学の well-being : 福祉 win-win situation : お互いに有利な状況


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