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大意
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語彙
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BY MICHAEL D. LEMONICK
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頭蓋骨が2つ、、私たちの祖先がいつ、またなぜアフリカを離れたかを
知るのに役立つ
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skull : 頭,頭蓋骨、
ancestor : 祖先
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何十年も前に、進化の専門家は、人類発祥の地はアフリカであると断言した。
そこで発掘された化石の骨は、他の地域で発見された人類の骨よりもはるか
に古い。しかし、私たちの祖先が初めてアフリカの地を去り世界の他の地域
に居住したのはいつであり、またなぜなのかは、依然として議論の的である。
一般に考えられているところでは、人類の直接の祖先であるホモエレクタス
は、およそ100万年前に大移動をしたという。やや精巧な石器が開発され
たことにより、放浪しているときに能率的に食料を採取するのが可能になっ
てからのことだ。
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evolution : 進化、
human species : 人類、
fossil : 化石、
venture : 思い切って〜する、
take up residence : 住居を定める、
conventional wisdom : 従来から培われてきた知恵,一般通念、
Homo sapiens :ヒト,人類、
sophisticate : 洗練させる、
stone tool : (石器時代の)石器
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しかし、こうした考えは1994年になってひっくり返された。インドネシアで
発見されたホモエレクタスの頭蓋骨が、今から180万年前に遡るものだった
からである。この発見が学者たちの間で論議を呼んでいるとき、先週のサイ
エンス誌にひとつの発表があり、それがすべての論争に決着をつけるかもし
れない。ホモエレクタス2体の頭蓋骨が、グルジア共和国のドマニシで発見
され、それが少なくとも170万年前に遡るものだという。さらに、その発掘
現場では、アフリカのホモエレクタス発掘現場で発見されたものに似た、原
始的な石器も発見された。つまり、精巧な道具が大移動を促したのではない
ということになる。
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dispute : 議論、
cranial : 頭の,頭蓋の、
Republic of Georgia : グルジア共和国、
unearth : 発掘する,発見する、
site : 遺跡,現場、
primitive : 原始的な、
stone implements : 石器、
resemble : に似ている、
dig :発掘中の遺跡,発掘地、
fancy : 見栄えがいい,高級な
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それどころか、バークレー大学の地質年代学センターの年代判定専門家であ
り、サイエンスに寄せられた論文の共同著者でもあるカール・スウシャーは、
放浪癖は単にホモエレクタスの性格のひとつなのかもしれないと言っている。
この種はおよそ200万年前に進化し、進化前のホモハビリスよりも大きな脳と
体を持っているので、「たちまちのうちに活動範囲と居住地を変えていった
のであろう」スウシャーは言う。ホモエレクタスはまた、肉食の傾向を強め、
獲物を求めて移動したと思われる。「菜食に頼らなくなるとすぐに、彼らは
生活様式を変えた。そしてアフリカから出ていったのだ」と語るのは、ペン
シルバニア州立大学の古人類学者、アラン・ウォーカー。
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geochronology : 地質年代学、
wanderlust : 放浪癖、
personality : 個性,人格,性格、
arm with : 武装する、
predecessor : 前任者、
habitat : 居住地、
carnivorous : 肉食性の、
appetite : 食欲,欲求、
vegetation : 植物、
paleoanthropologist : 古人類学者
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アフリカ以外で発見されたホモエレクタスのうちで、新しく発見されたこの
2つは、外観においてもアフリカのホモエレクタスに最も近い──ひょっと
すると別種のホモエルガスターに属するかもしれない。このホモエルガスタ
ーというのは、今までアフリカにのみ生存していたとする専門家もいる。現
人類の直接の祖先はホモエルガスターだと信じられており、ユーラシアにお
ける極めてこれに近い骨の発見は、現人類が祖先が生まれた大陸の外で進化
したか、あるいはいくつかの場所で同時に出現したかもしれない、というこ
とを示唆している。「アフリカ以外で祖先と同じ形態をとっているとすると、
こうした考えを検討する必要があります」とスウシャー。
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belong to : 属する、
distinct : はっきりと識別する,別個の、
assign : を割り当てる、
simultaneously : 同時に、
ancestral form : 祖先型,祖先形、
entertain : 受け入れる,考慮する,検討する
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しかし、完全なる化石の記録がないと、いずれが正しいか断定することは難
しい。また、ホモエレクタスがどの道筋をとったかも明らかではない。この
論文の著者は、ホモエレクタスはアジアに向かって東に移動してアジア種を
生み出し、その後恐らくは北に向きを変え、最後に西方のヨーロッパに戻っ
てきたと考えている。ヨーロッパにおける化石の記録は殊にあちこち抜けて
おり、ドマニシで発見されたものと、他の地で発見された原人とでは、およ
そ100万年の時代の差がある。
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route : 経路、
spotty : 班点の多い、
hominid : ヒト科,原人
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ヨーロッパで大量の骨が続けて発見されることを研究者たちは期待している
し、ドマニシでの凄い発見によって自信を深めている。「ホモエレクタスが
早期にアフリカを出たのが間違いないとすると、他の地域にも移動したにち
がいない」と言うのは、フロリダ大学の人類学者で、サイエンス誌に寄せた
論文の共著者、スーザン・アントン。「問題は見つけるかどうかなのです」
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encouraged by : 〜の余勢を駆って、
anthropologist : 人類学者
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