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大意
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語彙
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By RICHARD LACAYO
| P40 |
テストステロンは、セックスにおいてもスポーツジムでもその効果のほどが
分かる。まもなくゼリー状のテストステロンを入手できるようになるのだ。
だが危険な代物ではある。おまけに、本当にそれは男性を男性たらしめるの
だろうか?
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testosterone : テストステロン《精巣から分泌される雄性ホルモン》、
gym : スポーツクラブ、
gel : ゲル(コロイド溶液が流動性を失ったゼリ-状態)、
substance : 物質
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テストステロンに関しては色んな事を考えはするだろうが、それが最新の話
題であることは間違いない。それについて書くことがあるとその度に聞かれ
る質問は、「手に入れられる?」(誰もがそう聞くのである。女性も聞くの
だ。まあ、驚くほどのことではないのだろう。血液以上に噂にのぼるもので、
体内にある物質があるとしたら、それがテストステロンだ。男らしさの源泉
と理解され、また誤解もされているホルモンのことである。テストステロン
はこれまで、男性のあらゆる栄光と悪行を説明する際の象徴的なもの(時に
はそのもの)として扱われてきた。街角で喧嘩を始めたり、内戦を始めるの
はなぜか、チャンネルを次々に変えるのはなぜか、探検をするのは、支配す
るのは、誰とでも寝るのは、車を飛ばすのは、盗みを働くのは、怒鳴るのは、
競技に出るのは、会社乗っ取りを計画するのは、ファイナルフォーの試合の
とき、裸体に青いペンキを塗るのはなぜか? なんとまあ、やらないって手
はないね?
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hot topic : 最新の話題、
bodily : 肉体の,身体上の、
fabled :伝説に名高い,有名な、
essence : 本質、
manhood : 男らしさ、
literal :文字どおりの、
infamy :悪名,醜行、
channel surfing :チャンネル・サーフィン,テレビのチャンネルを次々に切り換
えていろいろな番組を見ること、
prevail : 支配する、
sleep around : 誰とでも寝る,色々な相手と寝る、
plunder : 〜を略奪する,こっそり盗む、
bellow : どなる,うなる、
joust : 馬上槍試合をする,試合[競技]に出る[参加する]、
corporate takeover : 会社の乗っ取り、
Final Four :アメリカ合衆国では大学バスケットボール全国選手権の準決勝と
決勝のこと、
bare : 裸の、
torso : 胴
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今までは、テストステロンについて語るのは簡単だったが、それでどうにか
できるわけでもなかった。体内で十分な量のテストステロンを生産しない米
国男性およそ400万人が、医者の処方する合成物質を1週間から3週間に1度、
たいていは自分で注射し摂取する。しかし注射では、絶え間なく行われてい
る体内のテストステロンレベルの調整を模倣できるわけではない。注射の場
合は、感情や情緒、及び、身体への浮き沈みの激しい影響を生み出す。初め
の数日はエネルギーが噴出し、怒りっぽく性欲が強くなる。その後疲れて落
ち込むことになる。もっとも有望な代替物としてはテストステロンパッチが
ある。毎日陰嚢に貼るのが一番効き目があるのだが、どう考えても具合の悪
い場所である。その小さな部位をドライヤーで温めるのを薦める医者もいる。
楽しいかどうかはわからないけど。
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synthetic : 合成物質、
mimic : 模倣する、
roller coaster : 突然急激に変化するできごと、
snappishness :がみがみ言う,怒りっぽい、
libido : 性衝動,性欲、
fatigue : 疲れ、
depression : 憂鬱,意気消沈、
scrotum : 陰嚢、
inconvenient : 不都合な、
put it mildly : 控えめに言う、
dryer : ドライヤー,乾燥機
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こうしたことすべてが、今年後半に一変する。簡単に塗ることのできるテス
トステロン軟膏アンドロゲルが処方箋によって始めて一般に利用できるよう
になるからだ。それを開発したのはイリノイに本社のあるウニムド製薬会社
であるが、その会社の説明によると、アンドロゲルは一日一度以上塗ること
になるので、テストステロンの量を一定にすることができ、注射の場合のよ
うな気分の浮き沈みを避けることができるという。30才を過ぎたあたりで、
男性がこのホルモンを体内で生産する量は徐々に減少するのだが、今のとこ
ろテストステロンを補う治療を受けている人(必ずしも必要だというわけで
はないのだが)は多くはないし、テストステロンの量を検査を受ける人すら
少ない。しかし注射やパッチがジェルに替わるとすると、話は違う。ちょう
ど、デイトナビーチで春休みを過ごす間にココナツオイルか何かを身体にす
り込むようなものになるのだから、テストステロン治療というのもそう悪い
話ではないように急に思えてきたりする。
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ointment : 軟膏、
generally available : 一般に利用できる、
prescription : 処方箋、
administer : 塗布する,(薬を)投与する、
ups and downs : 上下,変動、
trail off : 次第に消える、
therapy : 治療,療法、
coconut oil : やし油,ココヤシ油、
spring break : 春休み、
plausible : もっともらしく思われる
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テストステロンとは結局のところ筋肉増強、性欲を増進させるもの。(それ
はまた、肝臓障害を引き起こし前立腺ガンを成長させることもあるが、その
ことについては後で詳しく述べる)つまりテストステロンは現文化で高まっ
ている関心事のうちの2つに的を絞っている:完璧なる男性の肉体とオスの
性衝動の維持、それも他の男性的特徴がなくなるときにである。かくしてテ
ストステロンは第二のエストロゲンになるであろう。男性をして、ミスター
Tに変身させてくれと医者の門を叩かせるホルモンのことだ。磨り減ってへ
こんだ中年の肉体に、若者の官能に満ちた力を回復させると保証する物質が
もつ魅力を過小評価してはいけない。男なら、この考えはまさに心の奥深く
にもっている自分のイメージ、風にさらされてきた鋭い風貌と陽の光に映え
て輝く自分のイメージに訴えるに違いない。おまけにこの名前だ:テストス
テロン!ギリシャの神にちなんで名づけられたイタリアのデザートのごとき
響きをもつものに誰がいやと言えようか?
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boost : 高める、
sexual drive : 精力が出る、
liver damage : 肝損傷、
prostate cancer : 前立腺ガン、
preoccupation : 夢中,最大の関心事,偏見、
libido : 性衝動,性欲、
estrogen : エストローゲン(女性ホルモンの特性を持つ発情物質の総称)、
underestimate : 過小評価する,侮る、
voluptuous : 官能的な、
scuff : 擦り減らす、
dent : へこませる、
flesh : 肉体、
be bound to :きっと〜する,必ず〜する、
ornament : 飾り,装飾
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しかし、男女間の行動の差異、また、その差異のどれほどが生物学的に決定
されているのかについての延々たる論議においてもなお、テストステロンに
関しては意見の相違がみられる。2,3週間前、ニューヨークタイムズ紙は、
ニューリバブリックの元編集長アンドリュー・サリバン36歳の長い記事を載
せた。そこで彼は、自分自身のテストステロン療法の経験を報告している。
2年間で筋肉が9kg増えた。また、2週間に1度の注射のあと数日は、性欲が旺
盛になり、元気が出、自信満々になり喧嘩早くなる──あらゆる意味におい
て強くなるのである。
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at issue : 意見が相違して、
behavioral : 《形》行動の、
New Republic :『ニューリパブリック』 《米国の進歩的知識人の意見を代表する
といわれる週刊誌; 1914 年 Herbert Croly 主筆で創刊, New Republic 社刊;
政治評論が中心だが, 文学・演劇・映画などの批評も充実している》、
therapy : 療法、
lusty :強壮な,性的に興奮した、
energetic : 気力がある,精力的な、
confident : 自信がある、
potent : 強い,有力な
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サリバンは、テストステロンの研究をちょっと調べてみて、攻撃性、競争と
危険負担といった、今でも男性の行動と考えているような特性は、男性の体
は女性の体よりもはるかに多くのテストステロンを生産しているという事実
に関係しているというところまでは推測するに至った。彼の提示した答えは
──かなりの度合いで──科学的結論というより直感的洞察によるものだが、
マスコミや学会という高級な霊長類の間で剥き出しの牙を多数生み出した。
つまりは、それが、性の違いというのは人々が考えている以上に生物学的な
ものであると仄めかしているからだ。3人の研究者が、サリバンは自分の考え
を大げさに表現しすぎているという不満の手紙をニューヨークタイムズに送っ
た。オンライン雑誌スレートでは、コラムニストのシュルビッツが、環境か
生まれつきか、どちらが重要か誰にも分かっていない問題で、サリバンは生
まれつきを重視していると非難。数日のうちにサリバンはスレート紙上でシュ
ルビッツに反撃、それに彼女がまたも非難、さらに、他のライターがそれに
加わった。テストステロン使用が本当の意味での文化的現象になるとすると、
性差におけるテストステロンの役割にかんしての議論は、なるほどさらに激し
くなるだろう。
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look over :〜にザッと目を通す,〜を調べる、
scientific research : 科学的調査,科学的なリサーチ、
speculate : 推測する、
trait : 特性,特徴、
aggression : 攻撃性、
competitiveness : 競争、
risk taking : 危険負担、
intuition : 直観,洞察、
spate of : 多数の,大量の、
fang : 牙,犬歯、
bare :裸の、
primate : 霊長類、
scientific world : 科学界、
gender difference : 性による違い、
biology : 生態学,生物学、
overstate : 誇張する、
columnist : コラムニスト,特別寄稿者、
fire back : 反撃する
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さて、テストステロンは実のところなんの役にたつのか? 本当に役にたつ
のだろうか? さらに、乱暴な攻撃性、あるいはウォール街での立会い場の
原因とさえ言われている肉体上及び環境上のプレッシャーの中で、それはい
かなる役割を果すのか? テストステロンが神話のごとき扱いを受ける理由
のひとつに、神話とは決定的な証拠が欠けているときに幅を利かせる、とい
うのがある。テストステロンが始めて特定されたのは1935年だが、ホルモン
療法は、男性に対する研究が女性の場合に比べて遅れている分野のひとつだ。
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account for :〜の原因となる、
headbanging :荒っぽくふるまう,乱暴な、
pit :(米)(商品[証券]取引所などの)特定商品の仕切り売り場,立合い場、
mythical : 神話的な,架空の、
take over : 前のものに代わって優勢になる、
scarce : 不足して、
isolate : 分離させる、
lag behind : 遅れをとる,立ち遅れる
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現在分かっているのは、テストステロンがアンドロゲンという男性ホルモン
に属するものだということ。これらの男性ホルモンはそれはそれで、ステロ
イドという脂肪から作られる。男性も女性も体内でテストステロンを作るの
だが、男性はこう丸と副腎で、女性は副腎と卵巣で作る。男性の方が作る量
ははるかに多い──平均的な健康な男性は、血漿1デシリットル当たり、
260から1,000ナノグラムのテストステロンがある。女性は15から70の値だ。
しかし、体内でこの物質をどれほど効果的に処理するかは人によって異なる
──例えば、これを吸収する受容体を人より多く持っている人がいる──の
で、平常値の一番低い値しかない男性でも、通常の性欲などの男性の特徴が
機能するに必要な、十分なテストステロンを持っていることもある。健康な
男性では、一日の間でそのレベルが変化し、ピークは午前8時である。男性
が一般に性的刺激を受けた状態で目覚めるのはこれが原因である。そして、
寝る前にはそのレベルは半分に落ちる。
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androgen : アンドロゲン,男性ホルモン、
family of : 一群の、
male sex : 男性、
in turn : つぎには,それはそれで、
steroid : ステロイド(剤)、
testes : こう丸,精巣、
adrenal gland : 副じん,副腎、
ovaries : 卵巣、
nanogram :10億分の1グラム,ナノグラム、
deciliter : デシリットル、
blood plasma : 血しょう,血漿、
receptor : レセプター,受容体、
normal range : 正常範囲、
sexual arousal : 性的刺激
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テストステロンは、文字通り子宮内で男児を男児たらしめる物質だ。受胎後
数週間は、どの胎児も厳密な意味では中性と言える。妊娠期間6週目当たりで、
男性のY染色体がテストステロンをドッと放出させる複雑な一連の信号を送
り出す。中でもこれはペニスとこう丸の形成を促す。思春期の少年は、もう
一度この噴出を経験する。これによって声変わりし、体に毛が生え、筋肉が
増えるのである。10代の少年の血流内のテストステロン値は2,000ナノグラム
もの高さにはねあがることもあるのを知っていれば、彼らを理解する一助と
もなる。
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womb : 子宮,母胎、
conception :妊娠,受胎、
embryo : 胎芽,胎児、
technically : 技術的に(は),厳密に言えば、
gestation : 妊娠(期間)、
chromosome : 染色体、
surge in : ドッと流れ込む、
set in motion : 運転する,動かす,発動する、
formation : 形成、
testes : こう丸,精巣、
adolescence : 思春期、
undergo : 経験する、
enlarge : 増やす
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テストステロンを手軽に使用する際の危険のひとつが、それが、スポーツジ
ムで筋肉隆々の体になりたいという若い男性への誘惑物となることだ。テス
トステロン数値が減少しているといって、医者から合法的に入手できる人は
多くはない。しかし、10代や20代の男性──あるいはもう少し年齢の高い─
─が、店頭で入手可能なテストステロン代替物よりも強力で、注射しなくて
はならない蛋白同化ステロイドよりも使用法が簡単な物質の話を聞けば、ア
ンドロゲルのブラックマーケットの将来性は想像に難くない。特に10代では、
テストステロンを使いすぎる際の危険は、単ににきびや胸がふくらむという
だけではなく、骨の成長を停止させることである──もっとも、彼らはそう
いった危険には耳を貸そうとはしないだろうが。高年齢の男性にとっては、
ハイレベルのテストステロンが必ずしも前立腺ガンを引き起こすものではな
いが、一度生じた腫瘍は成長がそれによって促される。それこそ、進行期の
前立腺ガンで化学的去勢がひとつの治療法であるゆえんである。
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easy-to-use : 使いやすい、
temptation : 誘惑物、
bulk up : 大きくなる、
legally : 合法的に,法律的に、
black market : やみ市場,闇市場、
supplement :補完,栄養補助食品、
over the counter : カウンター越しに,店頭で、
anabolic steroid : 蛋白同化ステロイド、
overload : 使い過ぎ、
acne : ざ瘡,にきび、
shutting down : 終業、
deaf : 聞こうとしない、
prostate cancer : 前立腺ガン、
fuel : を刺激する、
tumor : 腫瘍、
chemical castration : 化学的去勢、
advanced stage : 進行期
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男性の同性愛者は、テストステロンの交換について語る最初の人たちだった
かもしれない。テストステロンの補充は、ニューヨークタイムズ紙の著者で
あるサリバンのようなHIVポジティブの男性に対する治療計画の一部になるこ
とがよくある。補充すると、性的欲求やスポーツジムでの好結果という高揚
感が生まれ、それはまた多くの異性愛者の関心を引くこととなる。ことに中
年のベビーブーマー世代は、性的欲求に関する限りは主導権を握りたいと思っ
ている。「こうした人たちは早くも[テストステロン]を求めてやってきてい
ます」と語るのは、サンフランシスコ州カリフォルニア大学の性的健康計画
の共同理事である、ルーアン・ブリゼンダイン博士。「この世代は性革命を
経験してきました。自分たちを心の底から性的存在と認識しているのです。
それを諦めたくはないのです」
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gay : 同性愛の,同性愛者、
replacement : 交換,取り替え、
regimen : 処方計画,投薬計画、
buzz :酔っ払ったような気持ち,スリル、
look to : 〜を期待する、
as far as : 〜に関する限りは、
sexual revolution : 性革命
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ジーン・ティーズリィは66歳。ダラスで家業の旗を作っており、ベビーブー
マーよりも一世代上であるが、彼にはそういう気持ちがよく分かる。9年前、
セックスに興味がなくなってきたとかかりつけの医者に不満をもらした。そ
れ以来、2週間に1度テストステロンを注射を打ってもらっている。「セック
スだけではなく、色んな点でより健康だと感じており、その結果に満足して
います。外でもっと働きたいし、出かけるのが好きですし、スポーツなども
もっとしたいのです」と彼は言っている。「誰もが、20代、30代のときと同
じように感じたいのです」
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family business : 家業、
get the idea : アイデアを得る,発想を得る,想像する,分かる、
one's doctor : かかりつけの医者、
complain of : 〜のことでブツブツ言う
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研究者の中には、「男性の更年期」という、未だに議論の余地ある考え方を
真剣に捉えている人もいる。これは50過ぎの男性に現れる肉体的変化のひと
つである。症状には、疲労、憂鬱、性欲低下などがあり、テストステロンな
どのホルモンの低下によって生じると考えるのである。それほどはっきりし
てはいないと考える研究者もいる。「テストステロンの低下は、血流量の減
少といった変化や、精神的および社会活動における変化とも関わっている、
ということは認めないわけにはいきません」と、ダラスにある男性健康セン
ターの医学部長、ケネス・ゴールドバーグ博士は言う。「男性ホルモン不足
の人に、テストステロンを摂取すればすべてうまくいく──そんなわけには
いきません」
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controversial : 論議を呼ぶ、
notion : 考え、
male menopause : 男性の更年期、
constellation : 星座、
physical change : 物理的変化,物理変化、
depression : 憂鬱,意気消沈、
droop : 意気消沈する,衰える、
libido : 性欲、
have to recognize : 〜を認めざるを得ない、
intertwine with : 絡み合う、
blood flow : 血流(量),血流量、
psychological : 精神的な,心理的な、
medical director : 医長、
androgen : アンドロゲン,男性ホルモン、
deficient : 不十分な
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さらに、時間が経てば、つまり中年になる頃までにはということだが、ある
男性のテストステロンが精神的に影響を与えるレベルにまで下がる、という
わけでもない。中年男性でも、20代のときと同じ体重を保っている人は、まっ
たく減少しないかもしれず、どの年齢層であっても、肥満成人男性はテスト
ステロン値が低いという傾向もある。2人組のソプラノギャングは多分、欠
乏しているでしょう。もっとも彼らにそんなことは言いませんけど。
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passage of time : 時の経過,時の流れ,時間の経過、
preserve : 維持する、
falloff : 減少,衰え、
overweight : 太り過ぎの、
mobster : 暴力団、
Sopranos:1998年、秋からHBOケーブルチャンネルで始まった、一時間ドラマ、
deficient : 欠けている
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テストステロンと、性欲とか筋肉増強との関係は既に明らかになっているが、
それを除けば、テストステロン値を高く維持する利点をあげるのは難しい。
もっともそれでも聞いてみたいという興味はある。本当のところ、攻撃性と
か競争それに好戦性といった行動を引き起こすのに、これはどの程度役割を
果すのだろうか? 注射によって定期的にテストステロンを摂取している男
性は次のように報告している。注射直後の数日間、つまりテストステロン値
が極端に高いときだが、自信が増し、健康だと感じ、高慢になるという──
威張り散らすといってもいいだろう。同時に、怒りっぽく落ち着きがなくな
るとも言っている。
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no less : それでもなお,やはり、
competitiveness : 競争、
belligerence : 好戦性,闘争性、
well-being : 健康,幸せ、
feisty :怒りっぽい,攻撃的な,高慢な、
swagger : 威張り散らす,ほらを吹く,ふんぞりかえって歩く、
snappish : 怒りっぽい、
fidgety : 落ち着きのない
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ジム──仮名──は家族療法医だが、彼は40才のときに注射を始めた。疲労
を感じ、それに性欲がそれほどでもなくなってきたためであり、テストステ
ロン値のテストを受ける気になったのである。注射後の1日目と2日目は、手
足のしびれが直りかけてチクチクする感じだったと言う。「婚約者は賢明に
も私を避けてました。私は気短になり、批判的になり、家の周辺をもめごと
を探して歩いていました。田舎に住んでいるので、注射を打った後すぐに、
雑草切りやチェーンソーを取り出しました。ちょっと常軌を逸してました。
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family therapy :家族療法、
so-so : まあまあ、
on pins and needles, be :しびれてチクチクしている,ひやひやする、
steer clear of :〜と関係を持たない,〜を避ける、
fiance :(男性)婚約者,婚約中の男性、
short-tempered : 気短な、
weed :雑草、
whack : 強く打つ、
chain saw : チェーンソー,鎖のこ、
go crazy : 気が狂う
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なんと。前立腺ガンの危険がはるかに増すという時期は別にしても、人生の
後半を、ホルモンがぶ飲みになるような男性になって欲しいでしょうか?
そういった考えは、女性には少しいらつくものかもしれない。このニュース
を、はた迷惑な乱暴ものね、と女性が感じても許されるでしょう。しかし、
この点こそが、テストステロンの議論が抽象論に変わる点なのです。
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gee :うわ〜,へえっ,ちえっ、
put aside :脇へやる,棚上げにする、
prostate cancer : 前立腺ガン、
keg party : ビールを飲んでの大騒ぎ、
exasperate : 怒らせる,ひどくいらいらさせる、
bull in a china shop :はた迷惑な乱暴者,そこつ者、
point at : 〜を指差す,〜を指す,〜に向ける、
veer : (話題が)変わる、
metaphysical : 極めて抽象的な,形而上学の
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寝室やスポーツジム以外では、テストステロンの効能とは何でしょう? 動
物実験の研究では、テストステロンと攻撃性が密接な関係にあることが繰り
返し立証されています。どの種も去勢されるとおとなしくなります。注射で
テストステロンを高めると、去勢された動物はむしろ虎のように振舞います。
男性の研究のひとつにテストステロンを抑制する(このときは薬を用いまし
たが)というのがあり、このときは、性欲と支配欲が減少しました。しかし、
テストステロンのわずか20%を戻してやると、性欲と支配欲は以前の状態に
まで回復しました。このことからすると、男性は今まで獲得してきた習性を
続けるには、この物質をさほど必要とはしないのかもしれません。
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aggression : 攻撃(性)、
hand in hand : 手に手を取って,同一歩調を取って、
castrate : 去勢する、
pussycat : おとなしい人,忍び足で歩く、
injection : 注射、
suppress : 抑える、
medication :薬剤、
libido : 性欲
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テストステロン値がもともと高い男性は、低い男性よりも攻撃性が強く、何
事も自分で取り仕切るという研究もある。2つのスポーツチームが試合をす
るときは、どちらのチームも試合中にテストステロンが増えるという。「競
技に際して、テストステロン値が増えるのです」と、ペンステイト大学の社
会学者、アラン・ブースは言う。「これによって競技者は戦いの準備をし、
勝利の機会が増えるのかもしれません。テストステロンが増えると、視力と
か筋力が増すという肉体的な利点があるのかもしれないのです。しかし、試
合が終わったあともテストステロン値が高いのは勝ったチームだけです」
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take-charge : 管理能力のある,ボス的な、
sociologist : 社会学者、
visual acuity : 視力
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| 20 |
この点に関しては、パッカー対バイキングを思い描く必要はありません。T
上昇というには肉体を使わない競技ででも起きるのです。例えば、チェスと
か、ちょっとしたコンクールなどです。試合がなんであれ、進化の点では、
これは意味を成すのです。祖先である霊長類の間では、どのような対決であ
れ勝利したオスはテストステロン値を高く維持する必要があったのでしょう。
というのも、序列関係というものがあり、その中での自分の地位は、次にやっ
てくるオスの挑戦を受ける可能性があるからです。
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boost : 値上げ,励まし、
trivia : つまらないこと、
evolutionary : 進化的な、
make sense : なるほどと思える、
primate : 霊長類、
victorious : 勝利を得た、
encounter : 遭遇,衝突,対決、
peck order : つつき順位,人間社会の序列,順序
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| 21 |
しかし、ここが厄介なところです。テストステロン値が高いほど、行動はそ
れだけ攻撃的になるのでしょうか?それとも、より攻撃的な男性──その攻
撃性は、例えば、家庭や学校、あるいは地域で、またそれが集団の中とか、
広く文化の中で学習されてきたとしましょう──は、その攻撃性を助けるた
めに自分自身でテストステロンの放出を求めるのでしょうか?さらに、もし
もテストステロンがほんとうに攻撃性のような男性の行動を決定するのであ
れば、思春期前の男女はテストステロン値がほとんど同じにもかかわらず、
既に異なる行動をする、という事実をどう理解すればいいのでしょう?
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get complicated : こじれる,面倒になる、
call for :〜を必要とする、
at large :あまねく,一般の,広く、
make of : 〜を理解する、
prepubescent :思春期前の
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| 22 |
確実に分かっているのは次のことです:攻撃的な行動とテストステロンは同
じ場所に現れます。また、攻撃的行動は、体内にいくばくかのテストステロ
ンを必要としているらしいのです。しかし、既にテストステロンが正常な値
である男性が、それをもう少し増やせば、もっと攻撃的になったり対立的に
なったりするとは、研究者もはっきり示すことはできてません。UCLAのクリ
スチナ・ワンの研究では、低テストステロン値の男性が、正常値の男性より
も怒ったりいらいらしたりする傾向があることがわかりました。ホルモン代
替治療中、テストステロンが増えると、怒りはおさまり、幸福感が増えたの
です。「テストステロンは恐らく過大に評価されているホルモンなのでしょ
う」と、スタンフォード大学の生物学者であり、テストステロンの問題の著
者である、ロバート・サポルスキィは言っています。
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aggressive behavior : 攻撃行動[的]行動,攻撃的な行動、
have yet to : まだ〜していない、
normal range : 正常範囲、
confrontational : 対立的な、
more likely to : 傾向が強い、
irritable : イライラしている、
hormone-replacement therapy : ホルモン補充療法,ホルモン入れ替え療法、
sense of well-being : 幸福感、
overrate : 実際以上に高く評価する,過大に評価する、
biologist : 生物学者
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それでも、誰もがそれに結び付けて考える分野がひとつあります。テストス
テロンが役に立つことを事実として知っている分野です──性欲です。既婚
男性はテストステロン値が低いという傾向があります。それは、さまようふ
らつく男性を家に留めるという進化の一手段なのです。(離婚したばかりの
男性は、Tレベルが再び高くなり、女性を求める戦いに参入する準備をして
いるのです)もしも初老の男性が、定期的にテストステロン値を若い頃のレ
ベルまであげ、性欲を増大させれば、家族と呼ばれる、絶滅の危機に瀕して
いる社会的な規約の根底を揺るがすのでしょうか?「男性が正常値を超える
高いレベルのときにはどうなるのでしょう?」とジョージア州立大学の心理
学教授、ジェイムズMダブズは問い掛けます。「彼らはただ、制御できなく
なるのです」
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all the same :いずれにしても同じ,それでもやはり、
implication : 密接な関係、
know for a fact :(that以下を)事実として知っている、
boost : 高める、
sexual appetite : 性的欲求,性欲、
endangered:危険にさらす,危うくする、
psychology : 心理学、
unmanageable : 扱いにくい,御し難い
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| 24 |
男性ホルモンの重要性に関する本、英雄、ごろつき、愛人の著者であるダブ
ズは、Tが男性の気分や行動の多くに重要な意味を持つと信じている研究者
の一人である。「それは大胆さや集中力に役立ちます」と彼は主張している。
科学の世界で、この物質にたいしてこれほどまでに異なる結論に達すること
はあり得ることである。研究が進んでいないからではなく、人間行動の複雑
さがそれだけ大きいからである。テストステロンが新たな再生可能資源とし
て取り扱われる日が近いなら、それがどういうものであるかについて、もっ
と明確に議論することになるだろう。しかし、男らしさの価値が容易に手に
できる文化では、もし男性が、自分自身への最大の疑問を答えるためにテス
トステロンに期待するとしたら、まずがっかりするだろう。ひとつ確かに言
えることは、男性たることの本質というのは、血液中のちょっとした物質な
どよりも複雑だ、ということである。
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rogue :悪漢,ごろつき、
count for : 意味がある,重要である、
any number of : 〜がいくらも,どっさり、
contribute to : 〜に寄与する、
boldness : 大胆さ、
disparate : 異なる,共通点のない、
human behavior : 人間挙動,人間行動、
verge on :〜に近い,〜にほとんど等しい、
renewable resource : 再生可能資源、
manhood : 男らしさ、
up for grabs : 誰でも手が届く,誰にでも入手できる、
look to : を当てにする,〜を期待する
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