Who Are You in the New Millennium?

Who Are You in the New Millennium?
(1.10.P60.2000)

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今回は ESSAY から
  金野さんのサマリーです。難しいエッセイですね

新千年紀になり、人間の本質はどう変わるのか?


語彙は主に『英辞郎』Ver.28から抜粋

BY PICO IYER/EASTER ISLAND
 

大意

語彙

P60 イースター島の'生き生きしている顔'(原住民)と共に新たな年の夜明けをみ る dawn : 夜明け
1 黒い火山岩に打ち寄せ泡立つ波の音以外には何も聞こえない。男が一人机に向 かい聖書の詩節を声を出し自らに読んでいる。むき出しの緑の山の上には白い 十字架が三つ寂しくたっている。人気のない静かな島--いわばポリネシア人の スコットランド--から、長い歳月に耐え深く目のくぼんだ、火山岩から作られた 石像、モアイが新たな日をにらみ返している。まるで何も新しいことはない、昨 日と同じだといわんかのように。 foam : 泡を出す、 volcanic rock : 火山岩、 verse : 詩の節、 cross :十字架、 desolate : わびしい,荒涼たる、 bare : あらわな,樹木のない、 hollow-eyed : 目がくぼんだ,目が落ち込んでいる、 carve : 彫る,彫刻する
2 タイムズスクエアの時計は本当に0時を回ったのだろうか?ミレニアムドウム で歴史的瞬間の幕は本当にきっておとされたのだろうか?もしそうなら、誰か が、世界で最も寂しい島社会を各固として支配している '生き生きしている顔 ' (島民)に伝えるのを怠ったのだ。(この島はとうていニューヨークと同じ 世紀に属しているとは思えないが、標準時間帯は同じなのだ。)大晦日の晩に は花火の下この先祖伝来の石像の前で草のスカートをはいた者たちが踊りを踊 る。だが新年がやってくると、すべてはまた薄気味の悪い真夏の静けさに戻る 。聞こえるのは耳元を吹きすさぶ風の音だけだ。どこかではラップトップに何 か異常が起こったり、ATMが故障したりしたかも知れない。だが最も近い陸塊 (ピトケルン島、人口65)から1300マイル離れた島では、そのような騒 乱はみな遥か彼方の海をいく嵐のように過ぎていく。'レースに勝つのは速い ものではなく、じっと我慢し、波をやりすごすことのできる者たちなのだ。 ' と旧千年紀にD.H.ローレンスは書いた。 click : カチカチと音がする、 preside : 統轄する、 unchallenged : 確固たる、 time zone : 時間帯、 firework : 花火、 ancestral : 先祖の、 eerie : 不気味な、 tumultuous : 騒然とした、 inhabited : 人が住んでいる、 landmass : 広大な土地、 swift : 敏速な
3 ラパヌイ(原住民は彼らの島、言語、民族をこう呼ぶ)は幸いなことに、地球 によくある場所の一つではない。絶望的な食料不足、水不足、電話不足などな い。だがこの島は私たちの千年紀の夢に不思議な光をあてる。3000人かそ こらの島民のための高等教育機関はない。大量輸送は夏の日曜に時折走るバス だという。この遠く離れたチリ領の島での21世紀の贅沢は木材だ。新千年紀 を祝おうとこの島に集まった数人の外国人は、年末年始休暇を祖父母と過ごす 方がよいとする人々の精神の中に大いに祝福すべきものをみた。島中の祭礼場 でひとりっきりで黙祷をする人影がみられた。 desperate : 絶望的な、 shortage of food : 食糧不足、 higher education :高等教育,大学教育、 transportation : 輸送(機関)、 luxury : 贅沢な、 possession : 領地、 ceremonial site : 式場
4 現在文明では、高速モデムやパームパイロットに代表されるような物質文明が 幅をきかせている。だがそんなものは本質的には物質にすぎないという点にお いて、先週子供たちがクリスマスツリーの下で手に入れたおもちゃとさして変 わりはない。それとは違い、イースター島にあるのは、人類がいつも頼りにし てきたもの: 岩石線画、タブー、暗黒の中で暮らす方法といった精神文明なの だ。この島を歩いてみる景観は先祖たちの神話を髣髴させる。まるでブレアウ ィッチの森を歩いているかのようだ。南極からの風が壊れた石像の頭やむき出 しの地面に倒れた石像の上を吹きすさぶ。地元の教会では、聖母マリアはじっ と見つめるモアイ像であり、洗礼盤は頭のてっぺんを削ってのせられている。 吹きすさぶ風の音しか聞こえない静寂の中、'Y2K、というとまるで 'Why today?' といったかのように響く。 in place of : 代わりに、 scheme of things : 物事のあり方、 petroglyph : 岩面陰刻、 taboo : タブー,禁忌、 people :に住む、 atavistic : 隔世遺伝の,先祖返り的な、 myth : 神話,伝説、 topple : 倒す、 bare earth : むき出しの地表、 baptismal font : 洗礼盤、 atop : 頂上に、 blustery : 天候の荒れた
5 この御しがたいなぞめいた感覚に答えて、人気のなさを説明しようとしてこれ まで多くの説明がなされてきた。観光客がよく考えつく説明は宇宙人の襲来と か南アメリカから勇ましい海賊がやってきたのだろうというものだ。外国人は ここにバスク人の影響をみてとる。また島民は石像が海岸から奥地へ歩いたの だと語る。モアイは作られてから600〜1300年経っていると考えられて いる。モアイに対する説明もいくつかなされてきたが、大抵そこには見る側の 顔(見方)が反映されている。ジョン・ドス・パソスは1971年、イースタ ー島のとてつもなく立派な記念物の建造、それに続く破壊という周期を見いだ した。そしてそこには'大学の過激派'に対する警戒心が反映されていたのだ。 他の者たちは限られた食料資源を原因とする寓意物語を見てとった。(島の人 口は増えたが、食料資源は増えなかった。それで人々は共食いに陥った。その 後伝染病が流行ったり奴隷狩りにあったりして人口はさらに減り、19世紀後 半にはついに人口は110人まで落ち込んだ。)ポール・セルーは、 'イース ター島はマーサズビニヤードよりも小さいのだから、石のように無表情な顔を 持つ者はマーサズビニヤードより恐らく少ないだろう。'と定式化した。 emptiness : 空虚、 speculate : 推測する、 oarsman :漕ぎ手、 monolith : 一枚岩,石柱、 parabolic : 比喩的な,放物線の、 monument : 遺跡,記念碑、 allegory : 寓意,物語、 limited resources : 限りある資源、 infection : 伝染病 Martha's Vineyard :マーサズヴイニャード《Massachusetts 州南東岸沖にある島; Vineyard 海峡によって Cape Cod から隔てられている; Bartholomew Gosnold が発見 (1602), 1632 年ころ植民された; 18-19 世紀に捕鯨基地として栄え, 現在は有名な避暑地となっている》、
6 今日では、島の空港はスペースシャトルの緊急着陸場となっている。そして新 千年紀が近づくにつれ、(2300マイル以上も離れた)チリからカメラを積ん でやってきたバンが現れ始めた。(4年前には(衛生放送で)リアルタイムにテ レビをみるということさえなかった島から)世界各地の新年の儀式を放送するた めだ。町に何軒かあるカフェでは、入れ墨をし頭飾りをつけた大男たちが、 '酋 長たちは今じゃ(かね)金の祭壇ともったいぶった話しをする奴らの前でだけお 辞儀をするときている。' と激しく弁じている姿がみられる。 nowadays : 昨今では、 airstrip : (臨時)滑走路、 space shuttle : スペースシャトル、 transmit : 送信する、 tattoo : 入れ墨、 topknot : ちょんまげ,髪飾り、 tribal leader : 部族指導者、 altar : 祭壇,聖餐台、 talking head :内容のない話をもったいぶって話す人,画面に登場する話し手
7 だが彼らの背後の本通りでは、上半身裸の同胞たちが長い赤髪をなびかせ栗毛 の馬をとばしている。店の中では女の子(店員)が喜びのあまり客にキスしてい る。クレジットカードの取り扱いがうまく出来たのだ(彼女にとっては初めての ことだった)。そして、白や黒や赤褐色の十字架のみえる小さな墓地の海側には、 黒い台座の上に復旧されたモアイが立ち、波頭と敵対している。 gallop :はやがけ,ギャロップで馬を走らせること、 chestnut horse : 栗毛の馬、 in one's delight : 嬉しさのあまり、 transaction : 取引,処理、 graveyard : 墓地、 crookedly :曲がって、 restore to : 元の状態に戻る
8 夜明けの光の中でモアイをみると、'年が新しくなった'からといって一体どれ ほどあなたも新しくなったというのか?と尋ねているように思えてくる。私たち の一番深いところにあるものはそれが何であれ、それは変わることのないもので あるし、またそれが何であるか説明しようとしても説明できないようなものなの だ、と言っているような気がする。愛や神の中にいる時、人はカレンダーなどは 別の部屋に置きっぱなしにし気にも止めない。世界各地で新千年紀が始まってい るが、隠された目を持つ'生きている顔' から '古いものよ、さようなら、 新 しいものよ、こんにちは'とか '昔なじみのことは忘れてしまえ!'などと大声で 発すせられることはない。そういう人たちはこう小声でささやいているのだろう、 '新年に幸あれ。過ぎし年に幸あれ。' worship : 礼拝、 auld : 《形》=old、 acquaintance : 知人


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