理想的な家族Winfield家が母親の姉妹であるイギリスに嫁いだLizを訪ねた ところから始まる。彼らがアメリカに帰る便は世界最大の船タイタニック 号の処女航海に合わせている。そして、愛情に包まれた理想的な家族が一 転して不運に見舞われることになるのである。両親、Edwinaの婚約者は船 に残り亡くなってしまう。残された悲運のEdwinaは家族の長として子供た ちの面倒をみなくてはならない。 当時としては、父親の所有する新聞社を若い女性が切り盛りすることは まず無理だったのでしょうね。長男がハーバードを卒業するまで待つ、 というのがEdwinaの唯一の選択肢だったのかもしれません。 物語はEdwinaを中心に描かれているためか、彼女の犠牲が目立ち、その 割には、他の兄弟は自分の行き方を貫こうとしますね〜。 99.10.25〜99.12.3: 1回目
進歩的な父親と伝統を好む母親のもとに京都で生まれたHirokoは、父親の 希望に沿ってアメリカへ留学する。1年のつもりで留学したのだが、真珠 湾攻撃が始まり日本とアメリカは太平洋戦争へと突入する。Hirokoたち 日本人は強制収容所へと送られ終戦近くまでそこで暮らすこととなった。 始めの80ページほどはなかなか愉快な本でした。アメリカ人がみた日本人 と日本の伝統というのが日本人が思っているもの、知っているものとずれ ていて、そこがなんとも言えず楽しいものとなってます。その例を少々。 wearing the heavy white kimono her grandmother had worn, with the same elaborate gold brocade obi. A tiny dagger hung from it, so she could take her own life.(P2) princess ball: 手まり kuri shioyaki: 祝いの席に出される食べ物(不明) kibei: a girl who had been born in the States of a Japanese family Hirokoがアメリカへ渡ってからはそれほど面白くもないです。登場人物の 心理をもっと描いて欲しいところですが、淡々と事件が起きて時が過ぎて いくって感じです。これは主人公Hirokoの目を通して書かれていないのが 原因でしょうか。第三者の視点で書かれています。こうすることによって 当時起きた事件の悲惨さを和らげようとしたのか、あるいは日本という東 洋の主人公にミステリアスな雰囲気を与えようとしたのかそれはわかりま せん。 また、途中に出てくるAnneの心境の変化も唐突でした。物凄い偏見を持っ たAnneがなぜ急にHirokoに同情を示したのか、その辺の説明はほとんどあ りません。なんだかアメリカ人への配慮といったものを感じましたね。ア メリカ人はそんなに悪くはないぞ、と言いたいかのようです。しかも予想 通りにあとあとの伏線になってました(^^; でも英文が易しいこともあり楽しめることは楽しめます。 登場人物 Hiroko: Masao Takashimaya: father Hidemi Takashimaya: mother Takeo Tanaka: Masao's cousin Reiko: Takeo's wife Kenji: Ken, Takeo's son Sachiko: Sally, Takeo's daughter Tamiko: Tami, Takeo's daughter Peter Jenkins: assistant political science professor at Stanford Tadashi: 難易度 ★☆ お薦め度★★★ 2001.12.4〜2001.12.11: 1回目
完璧なほどに恵まれた幼少時代。人もうらやむロマンス で結ばれた両親、年の離れた兄。周囲の人間は誰もが Mari-Angeを愛していた。幸福の絶頂から不幸のどん底へ。 両親と兄は交通事故で亡くなり、唯一の身よりは音信普通 だった大叔母。そこへ引き取られた彼女は召使のような生 活送ることになる。 幸福と不幸の繰り返し。典型的な読者を惹きつける書き方 です。あまりに露骨ではないでしょうか?もう少し自然な 流れがあってもいいと思いますよ。 登場人物 Marie-Ange Hawkins: Carol Collins: great-aunt of Marie-Ange Billy Parker: Bernard de Beauchamp: 難易度 ★☆ お薦め度★★ 2005.09.19〜2005.09.23: 1回目