三部構成になっています。 まず一部で、MichaelとHannaの出会い、そして関係が でき、突然の別れが訪れます。 正直、この第一部を読んだ段階では、少年のロマンスか、 とさえ思いました。しかもそれほど面白くもないロマンス。 しかし、二部になって再びMichaelがHannaと思いがけない 場所で出会ったとき、年齢の違う二人のロマンスに、複雑な 陰影をもたらします。主にMichaelの側からですけど。 人間の尊厳、自由とは? という深い問いかけもなされて おり、主人公ははたしてどう行動すれば正しいのか、そもそも 正しいこととは何かと考えます。 三部では、Michaelの戸惑い逡巡する気持ちと、恐らくはそう したものを感じたHannaの最後の行為が描かれています。 外国の純文学には違和感を感じるものが多いのですが、これは お勧めの作品です。Michaelの父親の言葉には、日本人にはない が、なるほどと思われるものがあり、考えさせられました。 登場人物 Michael Berg: Hanna: 難易度 ★★☆ お薦め度★★★★ 2009.08.01〜2009.09.02: 1回目