「火星の人類学者」とタイトルにあるが、読んでみればまさにそんな気に なるかもしれない。無論、火星人というのは比喩であり、脳になんらかの 障害も持つ人のことを書いた本である。色盲になった画家、脳腫瘍のヒッピ ー、トゥーレット症の外科医など、それぞれ常人とはまったく違う世界に 生きている。脳の不思議、あるいは人間の不可思議さを書いたものと言え よう。 最後に自閉症でありながら成功している人の話が出てくるが、彼女こそが 自分は火星の人類学者と思っている人。同じ地球に住みながらも、違和感 を抱いているのですね。本にもありますが、スタートレックのデータのよ なものだと思っているのでしょう。 2000.9.17〜2000.10.: 1回目