児童文学作品を多く書いている。なかでも"The winter Room", "Hatchet", "Dogsong" はNewbery賞受賞。
4歳のとき飛行機事故で両親を亡くしたJohn(13)は祖父母とともに 暮らしている。牛を飼い乳しぼりをしたり猟が解禁になると鹿を撃っ たりする生活をしていた。 一日が乳しぼりで始まりこまごまとした用事で過ぎていくことに、 Johnはこれが人生なんだな、とそういったことに喜びを見出してい た。 だが祖父がガンであとひと月ほどの命だと知る。昨日が今日に続く わけではなく、今日が明日に続くものではないと初めて意識する。 鹿猟が解禁になり、祖父が猟にでかけられないので、John一人で 猟に出かけるのだが、彼には鹿を撃つことができなかった。撃つこ とはできなかったが、その鹿を追いかけることを止めることもでき なかった。 鹿を追い続けるうちにJohnに起こる心理的変化がうまく描かれてい る。最後にJohnが得たものは? 難易度★ 2001.7.6〜2001.7.7: 1回目
父親の仕事の関係で引越ししてきたWil。その地で見つけたのが Islandだった。現在は誰も訪れることのないその島に彼は一人 ボートで行き、自然を眺める。heronを見、loonを見、祖母につい て書き、水彩画を描いてみる。一人で島で過ごし観察し直接体験 することで彼は何かを得ようとしている。 Suzanの母親がWilについて述べた言葉 "He was one of the thirsty people who needed to know things and we should help him." がすべてを語っている。 登場人物 Wil Neuton(15): Susan: 難易度★☆ 2001.7.9〜2001.7.15: 1回目
Brennanは母と二人暮らし。父親は何年も前に母のもとから去っていった。 母親と暮らすのが嫌なわけではないが、なんとなく息苦しさも感じてお り、また母が連れてくるボーイフレンドともしっくりいかない。今また 母が新しいボーイフレンドBillを連れて来た。そして3人とBillが面倒 をみているYouthの子供たちとでCanyonにキャンプにでかける。 そこでBrennanは頭蓋骨を発見し持ちかえるのだが、それ以降なんだか おかしなことが。。。 Paulsenの他の作品同様、大人になる時期の苦しみを描いている。この 作品は100年ほど前のアパッチの少年の頭蓋骨を通して、Brennanが彼の 恐怖を知り彼の望む場所に頭蓋骨を戻すという設定ではあるが、現実に おける思春期の自我の確立と、時代を超えて語りかけてくる頭蓋骨と いうのがどうも合わない。設定に無理を感じる作品でした。 登場人物 Brennan: 主人公 Bill: mother's new friend Coyote Runs: Apache Sancta: 長老 Magpie: Coyoteの年長 難易度★☆ 2001.7.30〜2001.8.3: 1回目
Rachaelは片方の脚が曲がらない孤児だった。Fred夫妻の養女としてBolton という田舎町にやってくる。そしてそこでMickという芸術家と出会う。 RachealはMickについていき、すべてを知っていると思っていた町を彼が全 く違うように描くのを見て驚く。老犬は若き日の様子を思い起こさせるし、 人の住んでいない家はかつての居住者を彷彿とさせる。 Mickがやってきたのはこの町の記念碑を建てるためだが、彼が示したスケッ チに町の人たちは反発する。 これまでの大人への成長の苦しみを描いた作品とは異なり、芸術とは何か を真正面からとりあげた作品。かなりのお薦め。 登場人物 Rachael Ellen Turner: orphan, Rocky(nickname) Python: dog Mick: artist Emma Hemesvedt:養母 Fred Hemesvedt:養父 難易度★☆ 2001.8.3〜2001.8.5: 1回目