南米コロンビアの作家、1982年ノーベル文学賞受賞
作者はコロンビア人なんですね。当時コロンビアでは反政府組織によ るテロ、それに麻薬密売人による殺人・誘拐が頻繁に起きていたらし い。この本はその麻薬密売王とでもいうべき人物の組織が行なった誘 拐と、その人物が投降するまだの記録的小説といってよいだろう。 ノンフィクションといってもよいので、何人かの誘拐された人物に ついて書かれてはいるが、その人物になりきった心理描写があるわ けではない。事実が淡々と書かれている。そういう意味で、誘拐と か、麻薬に関わったことがある人には、この作品は非常に深いもの があるだろう。しかし、日常的にも、遠い問題としても、そういう 事柄には無頓着な人間にとっては、残念ながら小説としての価値は あまりない。 難易度 ★★☆ お勧め度★★☆ 2003.06.11〜2003.06.21 : 1回目・Gabriel Garcia Marquez "Love in the Time of Cholera"(Penguin Books 1998 P348)
時は20世紀初頭、舞台はカリブ海。この当時、コレラがしょっちゅう 流行っていたらしい。 さて、タイトルにあるように、これはLoveストーリー。主人公は2人、 あるいは3人といってもいいかもしれない。生まれも育ちも違う2人が、 若者にありがちな恋に恋してしまう。女の方は、この恋が偽物だと 気がつき別の男と結婚する。しかし男の方は、この恋心をずっと持ち 続け、なんと50年以上もこの女性を思いつづける。 2人の恋の周りで、様々な恋の形が描かれているが、作者の言いたい のは最後の2章でしょうか。この2章のお蔭でこの作品にある種の余 韻が生まれているように思われます。 登場人物 AJuvenal Urbino: Fermina Daza: Florentino Ariza: 難易度 ★★★☆ お勧め度★★☆ 2002.8.17〜2002.8.26 : 1回目