・Stephen King "Carrie"(Pocket Books 1974 P253)
ISBN:0-671-03972-5 Carrie(アマゾン)
宗教に異様なほど傾倒し、自分勝手に宗教を解釈して実行する
という母親のもとで育ったCarrie。母親の宗教とは、華美なも
のはおろか、恋愛などもってのほか、美しい服など着ようもの
なら男を誘う悪魔の所業として娘を押入れに閉じ込め、罪を悔
い改めるよう懺悔させる。そんなCarrieは学校では典型的ない
じめられッ子。その彼女にテレキネシスの超能力が芽生える。
全体的にはつまらない作品。誰に焦点を当てているのかはっき
りしないのが原因のひとつ。もうひとつは、読者の関心を引こ
うとするのか、設定があまりに不自然。Carrieの通う学校では
まともな生徒はいないのか、と疑いたくなる設定である。例え
ば、PromでCarrieの頭に豚の血が上から流されたとき、ほとん
ど全員が笑ったのはなぜでしょう?生徒はヒステリー状態でも
あったとはいうものの、ちょっと考えられないことです。
いくら超能力がテーマといっても、それなりの納得できる設定
をすべきだと思う。
登場人物
Carrie White:
Margaret White: mother
難易度 ★★☆
お勧め度★
2003.08.12〜2003.08.23 : 1回目
・Stephen King "The Shawshank Redemption"(Warner Books 1982 P551)
ISBN:0-7515-1462-4 Different Seasons(アマゾン)
Different Seasonsのタイトルのもとで、4つの話からなる。
Hope Springs Eternal
Riat Hayworth and Shawshank Redemption
無実の罪で刑に服している元銀行家。口数が少ないが、決して周囲の
状況に屈することなくひとつひとつやり遂げて(?)いき、最後には。。。
これは映画で見ましたが、映画の印象が余りに強かった気がします。
登場人物
Andy Dufresne:
難易度 ★★☆
お勧め度★★★
Summer of Corruption
Apt Pupil
将来私立探偵になりたいと思っている少年Toddは、友人の家でナチス
の記事を目にする。ナチスに興味を持った彼は徹底的にその残虐行為
を調べるが、偶然にも自分の近くにイスラエルから指名手配されてい
る元ナチス親衛隊の一人をみかける。
彼に会う少年の目的は何か?
誰しも持っていそうな心の闇の部分。ナチスの行為と言えばなんとな
く納得できても、もしそれが身近な現実の世界の、それも子供が行な
えば一体どうなるのか?そんなことがあり得るのか?アメリカの大量
殺人事件などをみるとあり得るのですね、それが怖い。
登場人物
Todd Bowden: 13
Kurt Dussander: 76
難易度 ★★☆
お勧め度★★★☆
Fall from Innocence
The Body
家庭環境も周囲の環境も恵まれていない少年が4人。ある日、
捜索中の遺体を見つけたという話を盗み聞きした少年たちは、
その死体を見にいこうと決める。場所は数十マイル離れた線
路わき。途中野宿をしながら何日間かかけて歩いていく。
少年の冒険物語か?それとも少年時代への郷愁か?そうとも
言えるし、そうでないとも言える。
ただ、この遠出には何の準備もなされていない。またその途
中では死体を見にいくという以外ははっきりとした目的が無
くだらだらと過ごしている。
冒険物語に期待される計画とか協力、あるいは他人への思い
やりとか、他の子供たちの考えを理解しようという行動は一
切見られない。それぞれの子供たちが自分自身の現在の境遇
から逃れ、各自が他の子供たちとは無関係に声をあげて訴え
ているという様子が伺える。
古き良き時代の郷愁を描くのではなく、少年時代という自分の
力ではどうしようもできない理不尽な世界にいたときの、4人
の子供たちの叫びを書いているように思われる。
映画のタイトルは「スタンドバイミー」。どちらかというと、
不条理の世界、というタイトルをつけたくなる。
登場人物
Teddy Duchamp:
Chris Chambers:
Gordie:
Vern Tessio:
難易度 ★★
お勧め度★★☆
A Winter's Tale
The Breathing Method
会員制倶楽部を中心とした話であるが、物語が入れ子形式になっ
ている。そのためか、短編なのに2つの話を読んだ気分にさせら
れる。
この会員制倶楽部、実は謎の倶楽部らしい。会員になるための規
約があるわけでもなく、招待状がくるわけでもない。ある日誘わ
れて行ってみると、実はいつのまにか会員になっていた、という
具合だ。そこの執事は年齢不詳。どうも年をとらないらしい。と
言う風な不思議な倶楽部の話。
読み終わってみて、さて面白いかと言われれば、ちょっと考えて
しまう。
登場人物
David Adley:
Emlyn McCarron:
難易度 ★★
お勧め度★★
2002.7.26〜2002.8.9 : 1回目
・Stephen King "The Stand"(A Signet Book 1990 P1135)
ISBN:0-451-16953-0 The Stand(アマゾン)
ちょっとしたミスから軍の施設から細菌兵器用のスーパー
インフルエンザウイルスが施設外に出て行き、あっという間に
米国全土、恐らくは全世界に蔓延する。致死率は99%以上。
一つの町、あるいは一つの市で生き残った人は数人もいない。
そういうとき、生存者の夢に2人の人物が現れる。悪の象徴と
善の象徴。各自自分の資質によりそれぞれ悪かまたは善の象徴
に惹かれるように集まっていく。
かなり壮大な物語。テーマは悪と善との戦いといってもいい
かな。実はそれほど明確ってわけでもないけれどね。ごく普通
の人間が生き延びていき、なんとか集まって社会を構成し始め
る。が、そこには敵対するもうひとつの社会がある。それにし
ても悪の象徴が意外と情けないし、善の象徴もそれほど素晴ら
しいってわけでもないのですね。キリスト教を信じてなければ
別にどうってこともない話かな。
とにかく導入部が長すぎる。400ページ以上が導入部っての
はちょっと変じゃないでしょうか。
登場人物
Mother Abagail Freemantle:
Randall Fragg: dark man
難易度 ★★☆
お勧め度★★★
2002.12.26〜2003.2.26 : 1回目
・Stephen King "The Girl Who Loved Tom Gordon"(Pocket Books 1999 P262)
ISBN:0-671-04285-8 The Girl Who Loved Tom Gordon(アマゾン)
母親と兄とハイキングにやってきたTrisha。母親と兄が口げんかを
している間に、ふとしたことから道にはぐれてしまう。
パニック小説か、好みの分野ではないなと思いつつ読んでいくものの、
徐々に主人公に感情移入してしまう。なにしろTrishaは9歳の少女。
パニックに陥るのも無理はない。しかし、それでもTom Gordonに助け
られながら頑張る姿は感動ものです。
作者も野球がそうとう好きなのでしょうね。この本は、セーブ投手か
ら、というよりもセーブ投手のことを書きたくて、書いたのではない
かとさえ思われる。あとがきにもそれらしきことは書いています。
キングはそれほど好きではないが、やはり才能はあるってことでしょう
か。惹きこまれてしまった。
登場人物
Trisha McFarland: 9
Quilla Andersen: devorced mother
Pete:almost 14
Larry McFarland: father
難易度 ★★☆
お勧め度★★★★
2004.10.14〜2004.10.21 : 1回目
・Stephen King "The Green Mile"(Pocket Books 1999 P536)
ISBN:0-671-04178-9 The Green Mile(アマゾン)
Cold Mountainにある死刑囚のための刑務所。この刑務所にも弱い
ものをいじめ権力をかさにきる看守がいる。また、死刑囚の中に
も、死を前にして大人しくしているものが多いが、中には手にお
えないものもいた。そこにCoffeyという少女2人を惨殺した死刑
囚がやってきた。
死刑囚の監獄と治癒能力を持つ囚人という、日常からかけ離れた
世界が舞台となっている。この非日常的な世界で行なわれる卑劣
な行為、人間的な行為、信じがたい悪行、無実の人間と知りなが
らの刑の執行などが語られていく。人間とは何か、悪とは、また
生きるとは、神は存在するのかなど、考えさせられる作品。
Part 1、Part 2はかなり退屈であるが3,4、5はかなり面白く、
最後Part 6は感動的。
登場人物
Paul Edgecombe:
Dean Stanton:
Harry Terwilliger:
Brutus Howell:
Percy Wetmore:
Hal Moores:
Melinda: Moores' wife
John Coffey:
Delacroix:
William Wharton:
難易度 ★★☆
お勧め度★★★★☆
2002.8.10〜2002.8.17 : 1回目