宗教に異様なほど傾倒し、自分勝手に宗教を解釈して実行する という母親のもとで育ったCarrie。母親の宗教とは、華美なも のはおろか、恋愛などもってのほか、美しい服など着ようもの なら男を誘う悪魔の所業として娘を押入れに閉じ込め、罪を悔 い改めるよう懺悔させる。そんなCarrieは学校では典型的ない じめられッ子。その彼女にテレキネシスの超能力が芽生える。 全体的にはつまらない作品。誰に焦点を当てているのかはっき りしないのが原因のひとつ。もうひとつは、読者の関心を引こ うとするのか、設定があまりに不自然。Carrieの通う学校では まともな生徒はいないのか、と疑いたくなる設定である。例え ば、PromでCarrieの頭に豚の血が上から流されたとき、ほとん ど全員が笑ったのはなぜでしょう?生徒はヒステリー状態でも あったとはいうものの、ちょっと考えられないことです。 いくら超能力がテーマといっても、それなりの納得できる設定 をすべきだと思う。 登場人物 Carrie White: Margaret White: mother 難易度 ★★☆ お勧め度★ 2003.08.12〜2003.08.23 : 1回目
Different Seasonsのタイトルのもとで、4つの話からなる。 Hope Springs Eternal Riat Hayworth and Shawshank Redemption 無実の罪で刑に服している元銀行家。口数が少ないが、決して周囲の 状況に屈することなくひとつひとつやり遂げて(?)いき、最後には。。。 これは映画で見ましたが、映画の印象が余りに強かった気がします。 登場人物 Andy Dufresne: 難易度 ★★☆ お勧め度★★★ Summer of Corruption Apt Pupil 将来私立探偵になりたいと思っている少年Toddは、友人の家でナチス の記事を目にする。ナチスに興味を持った彼は徹底的にその残虐行為 を調べるが、偶然にも自分の近くにイスラエルから指名手配されてい る元ナチス親衛隊の一人をみかける。 彼に会う少年の目的は何か? 誰しも持っていそうな心の闇の部分。ナチスの行為と言えばなんとな く納得できても、もしそれが身近な現実の世界の、それも子供が行な えば一体どうなるのか?そんなことがあり得るのか?アメリカの大量 殺人事件などをみるとあり得るのですね、それが怖い。 登場人物 Todd Bowden: 13 Kurt Dussander: 76 難易度 ★★☆ お勧め度★★★☆ Fall from Innocence The Body 家庭環境も周囲の環境も恵まれていない少年が4人。ある日、 捜索中の遺体を見つけたという話を盗み聞きした少年たちは、 その死体を見にいこうと決める。場所は数十マイル離れた線 路わき。途中野宿をしながら何日間かかけて歩いていく。 少年の冒険物語か?それとも少年時代への郷愁か?そうとも 言えるし、そうでないとも言える。 ただ、この遠出には何の準備もなされていない。またその途 中では死体を見にいくという以外ははっきりとした目的が無 くだらだらと過ごしている。 冒険物語に期待される計画とか協力、あるいは他人への思い やりとか、他の子供たちの考えを理解しようという行動は一 切見られない。それぞれの子供たちが自分自身の現在の境遇 から逃れ、各自が他の子供たちとは無関係に声をあげて訴え ているという様子が伺える。 古き良き時代の郷愁を描くのではなく、少年時代という自分の 力ではどうしようもできない理不尽な世界にいたときの、4人 の子供たちの叫びを書いているように思われる。 映画のタイトルは「スタンドバイミー」。どちらかというと、 不条理の世界、というタイトルをつけたくなる。 登場人物 Teddy Duchamp: Chris Chambers: Gordie: Vern Tessio: 難易度 ★★ お勧め度★★☆ A Winter's Tale The Breathing Method 会員制倶楽部を中心とした話であるが、物語が入れ子形式になっ ている。そのためか、短編なのに2つの話を読んだ気分にさせら れる。 この会員制倶楽部、実は謎の倶楽部らしい。会員になるための規 約があるわけでもなく、招待状がくるわけでもない。ある日誘わ れて行ってみると、実はいつのまにか会員になっていた、という 具合だ。そこの執事は年齢不詳。どうも年をとらないらしい。と 言う風な不思議な倶楽部の話。 読み終わってみて、さて面白いかと言われれば、ちょっと考えて しまう。 登場人物 David Adley: Emlyn McCarron: 難易度 ★★ お勧め度★★ 2002.7.26〜2002.8.9 : 1回目
ちょっとしたミスから軍の施設から細菌兵器用のスーパー インフルエンザウイルスが施設外に出て行き、あっという間に 米国全土、恐らくは全世界に蔓延する。致死率は99%以上。 一つの町、あるいは一つの市で生き残った人は数人もいない。 そういうとき、生存者の夢に2人の人物が現れる。悪の象徴と 善の象徴。各自自分の資質によりそれぞれ悪かまたは善の象徴 に惹かれるように集まっていく。 かなり壮大な物語。テーマは悪と善との戦いといってもいい かな。実はそれほど明確ってわけでもないけれどね。ごく普通 の人間が生き延びていき、なんとか集まって社会を構成し始め る。が、そこには敵対するもうひとつの社会がある。それにし ても悪の象徴が意外と情けないし、善の象徴もそれほど素晴ら しいってわけでもないのですね。キリスト教を信じてなければ 別にどうってこともない話かな。 とにかく導入部が長すぎる。400ページ以上が導入部っての はちょっと変じゃないでしょうか。 登場人物 Mother Abagail Freemantle: Randall Fragg: dark man 難易度 ★★☆ お勧め度★★★ 2002.12.26〜2003.2.26 : 1回目
母親と兄とハイキングにやってきたTrisha。母親と兄が口げんかを している間に、ふとしたことから道にはぐれてしまう。 パニック小説か、好みの分野ではないなと思いつつ読んでいくものの、 徐々に主人公に感情移入してしまう。なにしろTrishaは9歳の少女。 パニックに陥るのも無理はない。しかし、それでもTom Gordonに助け られながら頑張る姿は感動ものです。 作者も野球がそうとう好きなのでしょうね。この本は、セーブ投手か ら、というよりもセーブ投手のことを書きたくて、書いたのではない かとさえ思われる。あとがきにもそれらしきことは書いています。 キングはそれほど好きではないが、やはり才能はあるってことでしょう か。惹きこまれてしまった。 登場人物 Trisha McFarland: 9 Quilla Andersen: devorced mother Pete:almost 14 Larry McFarland: father 難易度 ★★☆ お勧め度★★★★ 2004.10.14〜2004.10.21 : 1回目・Stephen King "The Green Mile"(Pocket Books 1999 P536)
Cold Mountainにある死刑囚のための刑務所。この刑務所にも弱い ものをいじめ権力をかさにきる看守がいる。また、死刑囚の中に も、死を前にして大人しくしているものが多いが、中には手にお えないものもいた。そこにCoffeyという少女2人を惨殺した死刑 囚がやってきた。 死刑囚の監獄と治癒能力を持つ囚人という、日常からかけ離れた 世界が舞台となっている。この非日常的な世界で行なわれる卑劣 な行為、人間的な行為、信じがたい悪行、無実の人間と知りなが らの刑の執行などが語られていく。人間とは何か、悪とは、また 生きるとは、神は存在するのかなど、考えさせられる作品。 Part 1、Part 2はかなり退屈であるが3,4、5はかなり面白く、 最後Part 6は感動的。 登場人物 Paul Edgecombe: Dean Stanton: Harry Terwilliger: Brutus Howell: Percy Wetmore: Hal Moores: Melinda: Moores' wife John Coffey: Delacroix: William Wharton: 難易度 ★★☆ お勧め度★★★★☆ 2002.8.10〜2002.8.17 : 1回目