1980年ニューベリー賞次席作品 あるアルメニアの少女の伝記のような作品。ただし、時代が1907年から 始まっており、このトルコという地域性、また登場人物の民族を考える と、単なる子供時代の話であっても何かしら不気味さといおうか、いつ この幸せが崩れていくのか、といった妙な緊張感を感じてしまう。 始めの方、主人公と祖母との関係は古き良き時代、もう今では果してこ んな関係があるのだろうかと思ってしまう。時代の流れが緩やかで、老 人の知恵ってのが役に立つし、また食べ物がさほどに豊富でなかったこ とも、こういう関係を作り出したのかな？ 戦争が始まり、彼女達は立ち退きを余儀なくされます。そのときの 祖母の言葉、"we are one family. If one of us should die something in all of us will die, and if only one of us lives, then some part of each of us will live." 何事にも興味を持ち、常に物事を楽天的に考える主人公。これこそが人 生を生きぬく知恵なのかもしれない。2000.2.18〜2000.2.22: 1回目