・Philip Kerr "A Philosophical Investigation"(A Plume Book 1992 P329)
ISBN:0-452-27140-1
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近未来が舞台の、連続殺人事件。
近未来では現代とは違って、様々なことが既に行われている。
ひとつは死刑の代わりに受刑者を昏睡状態に置いておくという
もの。受刑者は目覚めたら10年とか20年の月日が経っている
ことになる。ある意味残酷な刑だが、費用が安いらしい。
また、脳の研究も進んでおり、脳のある部位の状態をみて、暴力
沙汰を起こす人間を判別できるようになっている。
今回の犯人は、暴力沙汰を起こしうると認定された男であり、
そうした研究所から、自分と同じ状態の人間の個人情報を入手
し、次々と殺して行くという話。
作者の思い入れが強すぎるのではないかという気がする。ミステ
リーを楽しむというよりは、作者の殺人などの意見を聞いている
という感覚になってしまう。もう少し読者のことも考えて欲しい
ね。
登場人物
Isadora Jake: Lombroso Program
難易度 ★★★☆
お勧め度★★☆
2005.02.23〜2005.03.01: 1回目
・Philip Kerr "The Grid"(Warner Books 1995 P444)
ISBN:0-446-60340-6
The Grid(アマゾン)
最新のビル建設。すべてがコンピュータ制御されている
ビルを建設するRay。しかし完成間近になり、関係者の
死が続く。最初は事故だと思われていたが、二人目は
明らかに殺人。建築家はかなり嫌われているが、依頼主
の中国人も人権問題などで敵を作っている気配がある。
ビル火災の恐怖とはまったく違う恐怖。現在のコンピュータ
社会が無秩序に進めば、こうなる可能性もあるという
未来社会の話です。未来といっても作品の中では現在と
変わりませんけどね。
ある種の警告書といっていいです。内容はところどころ無理
を感じるけれども、それは仕方がないでしょう。結構楽しめ
ました。
登場人物
Ray Richardson: architect
Joan Richardson: Ray's wife
David Arnon: structural engineer
Helen Hussey: site agent
Allen Grabel: work for Richardosn
Mitch Bryan: techical coordinator
Kay Killen: drawings manager
Marty Birnbaum: management partner
Tony Levine:
Willis Ellery: mechanical engineer
Aidan Kenny: BMS engineer
Jenny Bao:feng shui
Randall Mahoney: detective
Frank Curtis: detective
Nathan Coleman: detective
Abraham: computer
難易度 ★★☆
お勧め度★★★☆
2005.02.10〜2005.02.21: 1回目
・Philip Kerr "Esau"(Pocket Books 1996 P403) ISBN:0-671-011992-9
Esau: Isaacの長子であり、一杯のかゆのために弟 Jacob に相続権を売った男
とありますね。これが本のタイトルとなっているのですが、果たしてどう関係
するのやら?
ヒマラヤの山頂近くで頭蓋骨を発見。このあたりはヒマラヤ山脈ができる過程
で12マイルも上昇したとあり、太古の化石がたくさん見つかるところらしい。
当然この頭蓋骨も古いものかも。
とはいえ、現地はインドとパキスタンが今にも一触即発の状況にある場所。
発見者Jackは非常に近しい関係にあるSwiftのところにそれをプレゼントの
形でもっていく、彼女は大学で古人類学を教えているのだが、36歳になり
大学と新規契約を結ぶためにもここらでひとつ論文を、できるなら本を
書きたいところ。
99.7.22〜99.8.6: 1回目