・John Grisham "The Runaway Jury"(Island 1996 P550)
ISBN:0-440-29552-1
冒頭から始まるのは日本では全く馴染みのない裁判の手続き、
陪審員の選出である。原告側、被告側が陪審員になる可能性
のある人物を徹底的に調査していく。これにまず驚くのだが、
思わず裁判とはなにかと考えてしまう。それにもまして意表
をつくのがNicholas Easter。陪審員としては申し分ないよう
だが、過去がない男。裁判はタバコによって肺がんで亡くなっ
た夫に対する損倍賠償でタバコ会社を訴えたもの。被告側は
あらゆる手を使って、有罪判決を阻止しようとする。Easter
の役割は何か?
アメリカの司法制度を知る上でも面白い話。陪審員制度は知っ
ていたが、全員一致の必要はないのですね。以前に読んだ事の
ある"Twelve Angry Men"では全員一致の必要があったように思っ
たのだが、あれは殺人だったからなのかな?
全体的な印象としては、やや中だるみの傾向がある。途中で読
者は飽きるかもしれない。
難易度★★
2000.12.16〜2000.12.24: 1回目
・John Grisham "The Partner"(Island 1997 P468)
ISBN:0-440-29555-6
弁護士事務所でパートナーの地位についていたPatrick。ある日
事故にあい死亡するが実はそれは偽装であった。その後9千万ド
ルの金が紛失する。犯人はPatorickと目されるが既に彼は逃亡し
たあと。しかし大金ゆえに捜索は続き4年後ブラジルで発見され
る。だが、ドラマはここから始まるのだ!
かなり面白くまた英語は比較的易しい。ただちょっと長いのかな、
緊迫感が薄い気がする。最後は心配した通りになったけど、それ
もいいかもしれません。
英語★★ 本は東野さんから頂く
2000.11.19〜2000.11.24: 1回目
・John Grisham "The street Lawyer"(Island 1998 P449)
ISBN:0-440-22570-1
キャリアの階段を順調に登っていた弁護士Michael Brock。ある
日、弁護士事務所がホームレスの男に占拠され9人が人質となる
のだが、その中のひとりがMicaelであり、おまけに犯人と人質と
の仲介役のような役割を負わされる。事件は犯人の射殺という形
で終わるのだが、Michaelの心は、このホームレスが突きつけた
言葉に揺り動かされる。
キャリア弁護士からストリート弁護士になる経緯がちょっと説得
力に欠けるところがあります。しかし、ホームレスの実態はアメ
リカではこういうものかと今更ながら驚きます。またそれに対す
るボランティアも凄い、どちらも日本では考えられないですね。
英語の難易度★☆
2000.10.23〜2000.10.29: 1回目
・John Grisham "The Testament"(Island Books 1999 P533)
ISBN:0-440-23474-3The Testament(アマゾン)
110億ドルの遺産を残しアメリカでも屈指の金持ちが自殺する。残さ
れた遺書には、元妻、子供たちには1銭も与えず、全財産を私生児
の娘に譲ると書かれてあった。
110億の遺産を巡る醜い法廷論争か?無論それもあるが、なぜか相続
人Rachelは未開の地に赴く伝道師、彼女を捜しに行くのがアル中で
人生の破綻者であるNate。
辣腕弁護士、腐りきった親族、世捨て人のような伝道師、そしてア
ル中の弁護士。はて、この作品でグリシャムは何を描きたかったの
でしょうか?
以前の作品ではテーマはぴしゃりと決まっていたように思うのです
が、今回はなんだか曖昧です。人生模様?まさかアマゾンを描きた
いってわけでもなし、アル中患者の社会復帰でもない。
最後まで読むとわかるのですが、それまでが長い!
登場人物
Rachel Lane: illegitimate child
Josh Stafford: lawyer
Nate O'Riley: lawyer
難易度 ★★
お勧め度★★★
2002.2.26〜2002.3.4: 1回目
・John Grisham "The Brethren"(Island Books 2000 P440)
ISBN:0-440-23667-3
裁判の場面で小説は始まる。3人の裁判官が次々と訴訟をさばい
ていくのだが、ちと様子が異なる。列席者は裁判官にさほど敬意
を表しているわけではないのだ。それもそのはず、舞台はなんと
刑務所のなかのこと。3人の裁判官は実際各自が元裁判官であり、
悪事を犯したり、あるいはわなにはめられて現在の場所にいる。
続いて場面はCIA長官の部屋へと移り、そこでは最近頭角を表し、
第三次世界大戦も持さないと思われている旧ロシア議会の議員が
話題になっている。着々と勢力を拡大し、武器を集め、狙いはま
ず西方へと向けているらしい。一色即発の時期まで残すところは
1年ほどだという。
登場人物
Joe Roy Spicer: Justice of Peace, bingoの利益を隠す
Hatlee Beech: federal judge in East Texas(56),飲酒運転で2人死亡させる
Finn Yarber: カリフォルニア最高裁裁判長(60)
Trevor Carson: attorney for Brethren
Teddy Maynard: CIA長官(74)
Aaron Lake: アリゾナ州選出下院議員(53)
英語の難易度★☆
2001.6.4〜2001.7.6: 1回目
・John Grisham "A Painted House"(A Dell Book 2001 P465)
ISBN:0-440-23722-X
1952年、アメリカ南部アーカンサスの綿花農場。毎年収
穫の時期になるとHill peopleやメキシコ人を雇って綿花
の収穫をする。このときは7歳になるLukeも朝から晩まで
働かなくてはならない。さて、Hill Peopleの一人Hankが
土地の荒くれものと争いを起し、そのうちの一人を殴り
殺してしまった。
これまでのグリシャムの作品とは全く違う構成でした。殺
人が起きますが、これから何かが起こるというわけでもあ
りません。1950年当時のアメリカ南部を舞台にし、そこで
暮らす少年Lukeの目を通して様々な出来事を描いた作品と
いえるでしょうか。
それにしても南部の農場での生活は戦後になっても厳しい
ものだったのですね。ちょっと想像を絶するものがありま
した。
登場人物
Luke:
Jesse Chandler: father
Eli Chandler: Pappy, granpa
Ricky: uncle(19)
Hank:
Tally:
Cowboy:
Dewayne: friend
難易度 ★★☆
お勧め度★★★☆
2002.4.3〜2002.4.10: 1回目
・John Grisham "Skipping Christmas"(A Dell Book 2001 P227)
ISBN:0-440-24257-6Skipping Christmas(アマゾン)
一人娘が平和部隊に参加しペルーに旅立つ。残された夫婦は
今年のクリスマスをカリブ海で過ごそうと計画。しかし、夫婦
が住んでいるところは日本の下町のようなところで、勝手に
クリスマスをパスするってわけにはいかない。当然のごとく
クリスマスツリーや色んなものを売りにくるが、頑として拒否
する。
しかし、ペルーに立った娘がフィアンセを連れてクリスマスに
帰ってくる?
いつものグリシャムとは違う作品。クリスマスにちなんだ
コメディでしょうか。そこまでするか、という面もありますが、
これもアメリカの一面を表しているのかもしれないと思いつつ
読みました。それほど面白いわけではありません。
登場人物
Blair:
Luther Krank: father
Nora: mother
難易度 ★★☆
お勧め度★★☆
2004.12.02〜2004.12.11: 1回目