冒頭から始まるのは日本では全く馴染みのない裁判の手続き、 陪審員の選出である。原告側、被告側が陪審員になる可能性 のある人物を徹底的に調査していく。これにまず驚くのだが、 思わず裁判とはなにかと考えてしまう。それにもまして意表 をつくのがNicholas Easter。陪審員としては申し分ないよう だが、過去がない男。裁判はタバコによって肺がんで亡くなっ た夫に対する損倍賠償でタバコ会社を訴えたもの。被告側は あらゆる手を使って、有罪判決を阻止しようとする。Easter の役割は何か? アメリカの司法制度を知る上でも面白い話。陪審員制度は知っ ていたが、全員一致の必要はないのですね。以前に読んだ事の ある"Twelve Angry Men"では全員一致の必要があったように思っ たのだが、あれは殺人だったからなのかな? 全体的な印象としては、やや中だるみの傾向がある。途中で読 者は飽きるかもしれない。 難易度★★ 2000.12.16〜2000.12.24: 1回目
弁護士事務所でパートナーの地位についていたPatrick。ある日 事故にあい死亡するが実はそれは偽装であった。その後9千万ド ルの金が紛失する。犯人はPatorickと目されるが既に彼は逃亡し たあと。しかし大金ゆえに捜索は続き4年後ブラジルで発見され る。だが、ドラマはここから始まるのだ! かなり面白くまた英語は比較的易しい。ただちょっと長いのかな、 緊迫感が薄い気がする。最後は心配した通りになったけど、それ もいいかもしれません。 英語★★ 本は東野さんから頂く 2000.11.19〜2000.11.24: 1回目
キャリアの階段を順調に登っていた弁護士Michael Brock。ある 日、弁護士事務所がホームレスの男に占拠され9人が人質となる のだが、その中のひとりがMicaelであり、おまけに犯人と人質と の仲介役のような役割を負わされる。事件は犯人の射殺という形 で終わるのだが、Michaelの心は、このホームレスが突きつけた 言葉に揺り動かされる。 キャリア弁護士からストリート弁護士になる経緯がちょっと説得 力に欠けるところがあります。しかし、ホームレスの実態はアメ リカではこういうものかと今更ながら驚きます。またそれに対す るボランティアも凄い、どちらも日本では考えられないですね。 英語の難易度★☆ 2000.10.23〜2000.10.29: 1回目
110億ドルの遺産を残しアメリカでも屈指の金持ちが自殺する。残さ れた遺書には、元妻、子供たちには1銭も与えず、全財産を私生児 の娘に譲ると書かれてあった。 110億の遺産を巡る醜い法廷論争か?無論それもあるが、なぜか相続 人Rachelは未開の地に赴く伝道師、彼女を捜しに行くのがアル中で 人生の破綻者であるNate。 辣腕弁護士、腐りきった親族、世捨て人のような伝道師、そしてア ル中の弁護士。はて、この作品でグリシャムは何を描きたかったの でしょうか? 以前の作品ではテーマはぴしゃりと決まっていたように思うのです が、今回はなんだか曖昧です。人生模様?まさかアマゾンを描きた いってわけでもなし、アル中患者の社会復帰でもない。 最後まで読むとわかるのですが、それまでが長い! 登場人物 Rachel Lane: illegitimate child Josh Stafford: lawyer Nate O'Riley: lawyer 難易度 ★★ お勧め度★★★ 2002.2.26〜2002.3.4: 1回目
裁判の場面で小説は始まる。3人の裁判官が次々と訴訟をさばい ていくのだが、ちと様子が異なる。列席者は裁判官にさほど敬意 を表しているわけではないのだ。それもそのはず、舞台はなんと 刑務所のなかのこと。3人の裁判官は実際各自が元裁判官であり、 悪事を犯したり、あるいはわなにはめられて現在の場所にいる。 続いて場面はCIA長官の部屋へと移り、そこでは最近頭角を表し、 第三次世界大戦も持さないと思われている旧ロシア議会の議員が 話題になっている。着々と勢力を拡大し、武器を集め、狙いはま ず西方へと向けているらしい。一色即発の時期まで残すところは 1年ほどだという。 登場人物 Joe Roy Spicer: Justice of Peace, bingoの利益を隠す Hatlee Beech: federal judge in East Texas(56),飲酒運転で2人死亡させる Finn Yarber: カリフォルニア最高裁裁判長(60) Trevor Carson: attorney for Brethren Teddy Maynard: CIA長官(74) Aaron Lake: アリゾナ州選出下院議員(53) 英語の難易度★☆ 2001.6.4〜2001.7.6: 1回目
1952年、アメリカ南部アーカンサスの綿花農場。毎年収 穫の時期になるとHill peopleやメキシコ人を雇って綿花 の収穫をする。このときは7歳になるLukeも朝から晩まで 働かなくてはならない。さて、Hill Peopleの一人Hankが 土地の荒くれものと争いを起し、そのうちの一人を殴り 殺してしまった。 これまでのグリシャムの作品とは全く違う構成でした。殺 人が起きますが、これから何かが起こるというわけでもあ りません。1950年当時のアメリカ南部を舞台にし、そこで 暮らす少年Lukeの目を通して様々な出来事を描いた作品と いえるでしょうか。 それにしても南部の農場での生活は戦後になっても厳しい ものだったのですね。ちょっと想像を絶するものがありま した。 登場人物 Luke: Jesse Chandler: father Eli Chandler: Pappy, granpa Ricky: uncle(19) Hank: Tally: Cowboy: Dewayne: friend 難易度 ★★☆ お勧め度★★★☆ 2002.4.3〜2002.4.10: 1回目
一人娘が平和部隊に参加しペルーに旅立つ。残された夫婦は 今年のクリスマスをカリブ海で過ごそうと計画。しかし、夫婦 が住んでいるところは日本の下町のようなところで、勝手に クリスマスをパスするってわけにはいかない。当然のごとく クリスマスツリーや色んなものを売りにくるが、頑として拒否 する。 しかし、ペルーに立った娘がフィアンセを連れてクリスマスに 帰ってくる? いつものグリシャムとは違う作品。クリスマスにちなんだ コメディでしょうか。そこまでするか、という面もありますが、 これもアメリカの一面を表しているのかもしれないと思いつつ 読みました。それほど面白いわけではありません。 登場人物 Blair: Luther Krank: father Nora: mother 難易度 ★★☆ お勧め度★★☆ 2004.12.02〜2004.12.11: 1回目