ABCシリーズ
キンジーシリーズ第1巻。 8年前夫殺しで有罪判決を受け服役していた妻Nikki Fife。刑期を終えた 彼女は自分の無実を証明しようとキンジーに依頼する。 依頼を受けたキンジーは、夫Laurenceの人間関係を調べていくが、当時 の担当刑事から、Laurenceの会計士も同様の方法で、しかも同時期に殺 害されていたことを知る。 Lawrence Block の泥棒シリーズで絶えず引用されていたこのABC シリーズ。とうとうPBで読むことになりました。さて、その印象はと いうと、第1巻ということもあってか、少し物足りなさを感じました。 怪しそうな人間がやっぱり犯人だったとか、探偵が女性ということ で、力強さ・腕力・が詰めのところで足りないのがちょっとね。 検屍官シリーズも同じ女性だけど、あれは本職じゃないからいいの だけど、こちらは本職の探偵だからな〜 難易度★★☆ 2000.10.25〜2000.10.31 : 1回目
キンジーシリーズ第2巻。 遺産相続の手続きで姉Elaine(妹かも)のサインが欲しいのだが、居所 が不明なので探して欲しいという依頼。それほどたいした遺産金額では ないのに探偵を雇って割りが合うのだろうかと不安を感じるキンジー。 一日二日で片がつくだろうと思われた捜査は、意外にも難航する。 Elaineの身辺に何かしら奇妙なことが起きているらしいのだ。友人が 半年前に泥棒に殺害されていたり、フロリダのマンションにはElaineの 友人だと名乗る人物が住みこんでいたり。 一向に捜査が進まないなか、カリフォルニアのElaineのマンションの 管理人Tillieの部屋に泥棒が入った。しかし、押し入った形跡はなく、 キンジーはElaineの失踪と関連があるのではないかと疑う。 失踪した人間を探しているはずなのに、いつのまにか殺人事件の捜査 になっている。ちょいと不思議な気もするけど、手がかりがまったく ないという状況と、キンジーの捜査方法である確実にひとつひとつ確 認していく手法だと、これもまあ無理はないと言えますね。 難易度★★★ 2000.10.31〜2000.11.4 : 1回目
キンジーシリーズ第3巻。 スポーツジムでキンジーはBobbyと出会う。交通事故の後遺症のため あちこち傷があり、記憶にも多少障害があるという。そのBobbyがキ ンジーを私立探偵と知り近づいてきた。交通事故が実は事故ではなく 殺人だと彼は疑っている。そしてまた自分が狙われるのではないかと。 しかし事故のためBobbyの記憶は曖昧。 そうしたBobbyをキンジーは気に入るのだが、依頼を受けて3日後、 Bobbyは事故で亡くなる。 今回は推理という推理はなかったです。調査、推理、そして調査、と いうのが以前はあったように思うのだけど、今回はなんとなく事実が 向こうからやってくる感じ。少し期待外れかな 難易度★★★ 2000.12.13〜2000.12.16 : 1回目
キンジーシリーズ第4巻。 Henry Hold editionは1987年出版。 Alvin Limardoという人物が突然やってきてキンジーに依頼する。世話に なった人物を探し出し、25,000ドルのお礼を渡して欲しいというのだ。 第一印象にやや不安を感じたものの、お金を必要としていた彼女はつい 引き受けてしまった。手付として400ドルの小切手を受け取り、いざ換金 しようとすると不渡り。人探しの調査はまだ始めてなかったので被害は なかったのだが、Alvin Limardoに文句を言いに行ったのが間違いの始ま り。 調査対象人物がほとんど底辺の人間。ろくでなしの人間の死の真相を探 るのだが、関連する人間はそれぞれ問題が多い。ちょっと珍しい構成か もしれない。最後は少し悲しい結末。 難易度 ★★☆ 2001.1.17〜2001.1.22 : 1回目
キンジーシリーズ第5巻。 Henry Hold editionは1988年出版。 キンジーの口座に5千ドルが振り込まれる。その覚えがないキンジーは 銀行に問い合わせるが不明。一方、火災による保険の調査を依頼された キンジーは、出火した会社を訪れ通常の火災という調査報告を提出する が、それは消防署の見解とは全く異なるものであった。さらに、調査に 手心を加えたのではないかという疑いを持たれてしまう。キンジーの口 座に振り込んだ相手がまさにその出火した会社だったのだ。 キンジーを落し入れるものか、それともその会社が対象でたまたまキン ジーが利用されたのか? "D"が面白かったけど、今回も面白い。ひょっとするとこのシリーズは 段々と磨きがかかってくるシリーズかな? Henry PittsもRosieも、それに最近再びよりを戻したJoanhもいない なか、孤軍奮闘のキンジーでした。 難易度 ★★☆ 2001.1.24〜2001.1.30 : 1回目
キンジーシリーズ第8巻。 保険金詐欺を調べるうちに、Kinseyは幼なじみJimmyと再会 する。昔から悪だったJimmyだが、なぜか警察学校で一緒に なり、彼も警官となったはず。噂ではその警察もクビになっ たという。そのJimmyが調査の対象となっているBibiannaと 深い関係にある様子。 久し振りにこのシリーズを読んだのですが、特筆すべき点 はないですね。今回はオトリ捜査の形をとっているからか、 Kinseyを取り巻く人々とのちょっとした会話がありません。 保険金詐欺としてはありふれた話ではないでしょうか。 また、幼なじみのJimmyの役どころもたいしてことはないね。 登場人物 Kinsey Millhone: PI Bibianna Diaz: Raymond Maldonado: Dolan: Lieutenant 難易度 ★★★ お薦め度★★☆ 2003.05.24〜2003.05.31 : 1回目
キンジーシリーズ第11巻。 Lornaが死んでいるのが発見された。死後かなりの時間が経って いるため死亡原因は特定できない。病死か事故死かあるいは殺人 か。警察の捜査では疑わしい人物すら出てこずに迷宮入りとなる が、母親は納得できなかった。そこでKinseyに調査を依頼する。 調査が進むに従い、大人しくひっそりと暮らしていたはずのLorna が実は売春婦それも高級売春婦であること、金銭の運用にも長けて いたことなどが分かってくる。 一見面白そうな筋だったのだけど、女性私立探偵の弱いところが 出てしまったということでしょうか。腕力も金も、ましてやコネ もさほどない探偵は、自分の力ではどうにもならない状況に陥る とどうするのでしょう。 登場人物 Kinsey Millhone: PI Henry Pitts: landlord Rosie: restaurant Lorna Kepler: murdered Janice Kepler: Mace: husband Trinny: younger daughter of Mace Berlyn: older daughter of Mace Hector Moreno: DJ Cheney Phillips: homicide detective Serena Bonney: nurse Roger Bonney: plant supervisor Clark Esselmann: board member John Stockton: board member Dolan: Lieutenant Santos: Hollingshead: Sergeant 難易度 ★★★ お薦め度★★☆ 2003.06.04〜2003.06.17: 1回目