ネッドは神父の父とリューマチで苦しむ母と3人で暮らしている。それと家政婦。 母親はリューマチのため寝たっきり。最近では、善意の人と付き合うのが苦痛 になり、外部の人間との交渉もほとんどなくなっている。神父である父は無論 真面目な人で、世界を飛び回っている叔父からは時々からかわれている。そん な父親をネッドいつもいつも信頼しているわけではないが、父はネッドを完全 に信頼している。なんだか不公平に感じるネッドだが、その理由は自分にもわ からない。 11歳の誕生日のお祝いに、叔父が空気銃を贈ってくれた。父はネッドが使う ことを禁じたのだが、彼は夜中にそっと持ち出して試し打ちをする。 その試し打ちでネッドは猫を打ってしまった、あるいは打ったと思った。それ が原因で猫は片目になったと。 う〜む、そこまで悩むだろうか。というよりこのネッド、余りにおとなしすぎ ますね。母親の病気が原因なのでしょうか、いつも静かに歩くくせができてし まい、子どもらしい溌剌さがありません。そこに自分を信頼している神父では 息が詰まりそうです。こういう世界では罪悪感にさいなまれるのも無理はない でしょう。 老人と子どもという組み合わせはいいですね。常套手段でもあるのでしょうが、 肉体的には脆弱になっていても経験豊富、とはいえ記憶は不確か、そにれ比べ て子どもは、肉体の成長期にあるものの、精神は未発達。今の子どもには、こ の組み合わせを体験する機会が少ないのが残念。 2000.6.13〜2000.6.17: 1回目