自殺を何度も試みるが死ぬことのできないPilgrim。本書は、 Pilgrimが自殺をし、医師から死亡を宣告されたのち生き返る場面 から始まる。友人であるSybilはそのような彼を心配し、スイスの 精神病院で治療をしてもらおうとする。担当医はJung。 某レビューでは集団無意識を書いているとかあったものの、そう いう話は最後の最後、Jungのことに触れて少し出てくるだけ。この 作品とどう関わってくるかは全く謎である。Pilgrimとは何者なのか は、結局わからずじまい。過去のいくつもの人生を経験してきたと 本人は言っているが、それが事実かどうか、あるいはそれが集団無 意識と関連があるのかどうかは全くもって明らかにされていない。 ここに書かれているのは、犬、鳩(doveとpigeon)、蝶などといっ た何かを象徴するような生き物。キリスト教を象徴するのか、それ とも現実とは違う世界である夢を象徴しているのか。 読者に何かを提示しようというよりは、作者がなんらかの実験を しているだけの作品ではないかと思われる。 登場人物 Pilgrim: Tatiana Blavinskeya: patient believing a messenger sent from the Moon Sybil: Lady Quartermaine, friend of Pilgrim Carl Gustav Jung: Doctor Emma: Jung's wife 難易度 ★★★★☆ お勧め度★☆ 2002.12.5〜2002.12.13: 1回目