モンゴメリーシリーズの第1作目。時は1280年代のこと。Black Lionこと マルボイシン伯爵と親子ほども年の違うLyoneneとの恋物語。二人は出会った 瞬間に互いに惹かれ婚約するのだが、結婚までのわずかな期間Black Lion は以前の妻への不信感からか、Lyoneneに対しても強い疑惑を抱くように なる。彼女は自分の金に目が眩んだだけではないのか、そうに違いないと。 それにしてもGilesのやり方は卑劣だが、どこにでもいそうなキャラクター です。 さて、話半ばで一旦クライマックスを向かえて、再び話しは続きます。 ちょっと構成に不満が残るかもしれませんね。 また、これが最初の作品なのでしょうか、その後の作品が読んでて爽快感 があるのに比べて、この作品は人間の劣悪な感情を殊更取り上げてそれに 主人公が振り回される、そういう形で読者の関心を引こうとしているよう で残念です。いずれにしろ、悪意ある人間に翻弄されるヒロインってのは 私の好みではないです(^^; 2作目はどうなるのかな?・Jude Deveraux "The Maiden"(Pocket Books 1988 P312)ISBN:0-671-74379-199.6.25〜99.7.7: 1回目
時代は1299年、イギリス周辺部族の話。ランコニアンといういわゆる蛮人のよ うな種族なかの王の一人がイギリスの娘と結婚し、男子と女子の子供ができる。 育てられたのはイギリス。男子の方、ローワンはやがてランコニアンの王とな るべく教育されるのだが、祖国に帰って果たして王として受け入れられるのか? さて、これはもちろんロマンスなのだが、ランコニアンの女性を全く知らない イギリス人ローワンと、イギリスの男を全く知らないランコニアの女ジュラと の、おかしくも腹立たしく、かつおもわずニヤリとさせる物語(^o^; はてさて、如何にして二人は結ばれるのか、またローワンの野望は達成でき るのだろうか?・Jude Deveraux "The Velvet Promise"(Pocket Books 1981 P376)ISBN:0-671-73974-399.8.2〜99.8.9: 1回目
4部作の1作目 時代は1500年ごろ。モンゴメリー家の長男GavinとRevedoune家の娘Judithの ロマンス?モンゴメリー家の長男としての自覚はあり、騎士道精神を持って いると自負しているものの、このGavin、独り善がりでやや精神的にも 未熟さが目立つ。女性を見る目は全く無いし、騎士道精神も自分が不利な 立場に追いやられると怪しくなるなど、あまり人間的には魅力がない。 何しろ、女性を判断するのはひとえに容姿だけだからね〜(^^; 一方、Judithの方はと言うと、育った環境は最悪とも言える状況ながら、 なかなか魅力的。しかし、ロマンスにありがちな二人の出会いは最悪で あった。この二人、どうやって誤解を解いていくか、その辺りが焦点に なるのかな? 執筆年は"The Black Lyon"が書かれた翌年、つまり1981年。キャラクターの 設定にはやはりまだ無理が感じられる。 え〜と、これがデヴローの2作目かな?まだ大人のロマンスってのは書けて ないような気がしますね。・Jude Deveraux "Highland Velvet"(Pocket Books 1982 P359)ISBN:0-671-73972-799.8.10〜99.8.23: 1回目
4部作の2作目 Gavinの弟Stephenの話。Judithの事故のため自分の結婚式に遅れたStephenは 花嫁であるBronwynと最初からうまくいかない。Bronwynはスコットランドの Clanの族長MacArranでもあるのだ。イングランドとは全く異なり、スコット ランドでは女性が男性と対等に扱われる。そんなことは夢にも思っていなか ったStehphenは彼女と事ある毎に対立。とはいえ、肉体的には惹かれるので すよね。ここんとこがこのシリーズの特徴かもしれんな(^^; 折角出てきたモンゴメリー家の長女Maryは死んじゃうのよね。ちょっと残念 です。・Jude Deveraux "Velvet Song"(Pocket Books 1983 P315)ISBN:0-671-73975-199.8.31〜99.9.6: 1回目
4部作の3作目 意外や意外。今回のヒロインは貴族の娘じゃなかったのね。まさかタイトル がそのものずばりとは予想してなかった。今回のヒロインはAlyx。音楽の 天才です。相手はモンゴメリー家の三男なんでしょうか、Raineです。 前作で、姉を助けるべく王の兵を無断で連れ出して反逆者の烙印を押されて しまったのでしたね。その彼は今無頼者と共に森に潜んでいます。 Alyxの出生が語られるところが出てきます。Raineと彼女は親戚ってこと になるのかな?・Jude Deveraux "Velvet Angel"(Pocket Books 1983 P296)ISBN:0-671-73973-599.10.01〜99.10.8: 1回目
4部作の4作目 前作で末の弟MilesとElizabethが出てきますが、今回はこの2人の話。 Pagnellに捕らえられ、宿敵Milesのところに品物同様にして送りこまれた Elizabeth。男はみんな敵、特にモンゴメリー家の末っ子Milesをどうし ようもない女たらしと思い込んでいるElizabeth。一方Milesはそんな 彼女を、非道な兄弟を見て育ったのだから無理はない、そういう男性観を 治してやろうと考えます。このMiles、噂とは大違いで、実は女性を不当に 扱う輩を許せない激しい気性の持ち主なのです。 はてさて、モンゴメリー家とChatworth家の確執はいかなる運命となるのか? 稀代の女たらしと思い込んでいるElizabethと、実のところ他の誰よりも 女性を尊重しているMilesとの組み合わせってのなんとも愉快です。 また、Christianaの登場はいかにも唐突なのだけど、Rogerの心情を考える と、なんとなくこういう出会いも許されると、変に納得してしまいます・Jude Deveraux "The Heiress"(Pocket Books 1995 P375)ISBN:0-671-74462-399.10.9〜99.10.13: 1回目
Velvet物語から70年ほど経った、1572年の話。 モンゴメリー一族の支流の話。本に熱中し家政を省みない父親、精神に異常を きたしている母親、贅沢品、女に目がなく、しかもギャンブルにのめり込んで いる長男。そんなある日、父親と長男があっという間に病気で亡くなり、残さ れたのは母親と子供3人。財政は既に破綻し、日々の食べ物さえ苦労する始末 なのだが、そこはモンゴメリー家です。プライドだけは人一倍強いのですね。 JamieとBerengariaは双子の兄妹、妹の方は盲目。もう一人の末の妹はJobyと いい、美人ではないものの人を笑わせる才能を持つ。 さて、家計をなんとかする手っ取り早いというか最後の手段は、美男のJamie がイギリス一の金持ちの娘と結婚させること。その相手とは、Axia。 出会いの時から奇妙な思い違いが(^^; Todeの将来はちょっと予想ができましたけど、最後の展開は予想もつかなかった です(^o^;・Jude Deveraux "The Raider"(Pocket Books 1987 P338)ISBN:0-671-74381-399.11.9〜99.11.17: 1回目
時は1766年。まだアメリカがイギリスから独立していない頃の話。 モンゴメリー家の長女がイギリス人税官吏の企みにひっかかり結婚してしまう。 それをもとにこのイギリス人税官吏はイギリスの利益のためにかあらゆる手を 使ってアメリカ人を搾取しようとするのですね。そこに現れるのがRaider。 いわゆる正義の味方です。黒マントに黒いマスク。黒い馬に跨ってさっそう とやってきてイギリス兵を煙に巻くのですが、これはモンゴメリー家の三男 アレックス。この町一番の美人、ジェシカとの関係もどうなっていくか楽しみ です。分っていても楽しめますね(^o^; アメリカがイギリスの植民地下にあり圧政に苦しんでいても、恋人達には それさえもが恋の道具立てになってるような(^^;やはりロマンスですね〜(^o^;・Jude Deveraux "Mountain Laurel"(Pocket Books 1990 P312)ISBN:0-671-68976-299.5.14〜99.5.19: 1回目
何事にも完璧なモンゴメリー大尉。その完璧さゆえに大佐に疎まれ、西部に 公演にやってくるオペラ歌手の護衛を押し付けられる。ベビーシッターの 如き任務だと腹を立てるものの、どうやらこのオペラ歌手マディーは何か重要 な事件に巻き込まれている様子。・Jude Deveraux "Eternity"(Pocket Books 1992 P305) ISBN:0-671-74457-7
ところで、このモンゴメリー大尉とマディー、いずれも美男美女なんですが、 大尉の方はYou are the ugly oneなんて家族の中では言われているのですね。 なんともはや、普通の人が聞いたら嫌みに聞こえるような(^^;99.5.20〜99.5.26: 1回目
モンゴメリー家の末娘キャリーの話。7人のハンサムな兄をもつキャリーは 兄と父親から大事にされ甘やかされて育っている。地元の未亡人と、西部 の男やもめをくっつける世話役をしているキャリーは、1枚の写真をみて 一目ぼれ。写真が何かを彼女に訴えていたのですね。でも、その花嫁を 募集しているジョシュアが求めているのは、料理ができ、家事一般が でき、農作業ができ、と、キャリーにはとても無理なことばかり。 それでも強引に結婚した彼女の行く手は?・Jude Deveraux "The Temptress"(Pocket Books 1986 P332) ISBN:0-671-74384-8それにしても、前作マウンテンローレルで出て来たモンゴメリー大尉。 家族で一番醜いといわれてましたよね。で、Jamieが登場して、それが 確かだとわかったのですが、この作品では、そのJamieよりもハンサム な兄がいるのですね(^o^; 一体どうやってその差を判断するのでしょう。
99.5.31〜99.6.6: 1回目
1886年のアメリカ。モンゴメリー家の一人娘Christianaの話。モンゴメリー家 に代々伝わる独立心という気質はこの娘にも引き継がれているようです。当時 の平凡な女性のように10代で結婚し、子供を産むといった人生は送りません。 なんとレポーターの仕事をしているのです。女性のレポーターって当時いたの でしょうか?それほどまでに当時の女性たちとは考え方が違っているのですが、 家族の情愛は深そうです。 父親はそんな彼女のことが心配で、誘拐してまでも彼女を連れ戻そうとします。 派遣したのは男性2人。いずれもハンサムなものの、両者は全く正反対。社会的 地位、性格、すべて違うのです。 それにしても、しばらく読んでても筋がみえてこないのはなぜ?それはタイトル に秘密があったのですね。まさかこういうストーリーとは予想もしていなかった のでかなりびっくりです・Jude Deveraux "The Duchess"(Pocket Books 1991 P362) ISBN:0-671-68972-X99.11.21〜99.12.3: 1回目
時は1883年、ロンドン。アメリカの富豪の娘とスコットランドの公爵。 似合いの二人に思えるのだが、娘の母親は爵位に引かれ、公爵は金銭を 求めている。その実、どちらも賭け事などで既に生活が苦しくなって おり、金目当ての結婚をさせよう、しようとしている。一人真面目に 考えているのはClaireだけ。このClaireは実は祖父から莫大な遺産を もらっているのだが、両親が認める相手と結婚したときのみ、自由に 使えるのである。かくしてClaireはHarryという公爵と婚約するのだが、 このHarry、見栄えはいいのだが典型的な貴族、つまり役に立つべき ことは何一つしないって奴です。しかも鈍い(^^; それと対照的なのがその兄であり真の公爵のはずであるTrevelyan。 当然こっちに惹かれますよね。 さて、どういう風に二人を結びつけるのか。今回もかなりの読み応え がありますよ・Jude Deveraux "Wishes"(Pocket Books 1989 P278) ISBN:0-671-74385-699.12.6〜99.12.14: 1回目
時は1896年と"The Duchess"より時代は新しくなるものの、書かれたの はこの本の方が早いようです。 今回の主人公は男はJace Montgomeryなのですが、女の方はNellieで、 ちょっと変わっています。彼女の母親は早くして亡くなっており、それ 以降彼女が家の切り盛りをしているのです。父親の世話、食事の支度、 妹の世話。妹は近隣でも有名なほどの美人であり、自分もそれを意識し ており、姉Nellieはかなり太っているので誰もがちょっと馬鹿にしてい ます。とはいえ、父親も妹も本心ではNellieの必要性を非常に感じてい るのですが、それが愛情からではなく、メイドとして重宝しているって わけなんですよね。 そんなNellieですが、知る人ぞ知るで彼女を高く評価している人もいます。 そうしたところへJaceが現れ、彼女を好きになるのですが、父親、妹の 反対(単に身勝手な反対なんですけど)をどう押し切っていくのでしょう か? この本、ちょっと変わった設定で、驚きました。最初の登場人物がどう 関わってくるのかってのも読みどころとなるかもしれません。というか、 絶えずそれが気になるのですよね・Jude Deveraux "The Awakening"(Pocket Books 1988 P343) ISBN:0-671-74378-399.12.16〜99.12.20: 1回目
経済学教授であり、カーレーサーでもあるハンク・モンゴメリー。人はいい のだが、虐げられた人々を助けたくなるという悪癖(?)がある。その相手が 太った老女であれば問題はないのだが、若く美人のときには誤解を招くこ とにもなるのだ。 一方、アマンダ・ゴールデンは規則正しい生活を家庭教師であり婚約者に よって植え付けられた女性。彼女の父は大農園主であり、労働争議を回避 するため政府がモンゴメリーを派遣。その接待役を押し付けられたのがこ のアマンダ。自由奔放なハンクと杓子定規なアマンダとはうまくいくはず もないのだが、この固いよろいの下にある熱い情熱をハンクは時折垣間見 る。 作者が後書きで述べているように、これは史実に基づいた当時の労働条件 をそのまま書いた部分があります。1900年代初期のアメリカの農場の 労働環境は凄まじいものだったのですね。2000.1.7〜2000.1.12: 1回目
時代は1934年。 Jackie O'NeillとBilly Mongomeryの話。ジャッキーは世界を飛びまわった 飛行機野郎ではなく、飛行機の操縦士。若くして片田舎を飛び出し、はるか に年上の飛行機野郎と結婚。かたやモンゴメリー家のビリーはといえば、 実はジャッキーがベビーシッターをしていた相手である。当時、つまり ベビーシッターをしていたときのことだが、ビリーは10歳年上のジャッキー に恋をしていた。恋、子供がほのかに大人にあこがれるような恋、そういった ものではなく、子供ながら大人の恋をしていたらしい! ジャッキーは夫の死を機会に生まれ故郷に帰り、そこで落ち着こうとする。 そこにはビリーがいたのだが、これは当然? ビリー、ちょいと珍しいキャラクターですね。自分の近くにこういう人が いると便利ではあるが、息が詰まるような気もします。恐るべしビリー! ところで、この本、実は3つの話からなっています。それぞれがかなり の面白さです 2000.1.13〜2000.1.26: 1回目・Jude Deveraux "The Princess"(Pocket Books 1987 P378) ISBN:0-671-74380-5
時代は1942年。 メイン州生まれのJ.T.は海が好きで海軍に入っている。今も一人フロリダ 沖のキーウエストという島にきてのんびりとしている。そんなところへ男 2人から殺されそうになった女性を助けることとなる。驚くほどの古典的 美人。だが彼女が意識を回復して言った言葉は感謝の言葉ではなく、触ら ないで、私は王女よ、というのだからたまりません。 Deveraux得意のパターンですね(^o^;モンゴメリー家の男はやはり癇癪もち か?また王女ってこんなものかな?余りに世間と隔絶して育てられたから なのか、ちょいと他人への思いやりってのが欠けてますが、この事件を契機 にそういう自分に気がついていくのもいいですね。王というのも食えそうに ない人です(^^; 2000.2.7〜2000.2.12: 1回目・Jude Deveraux "The Enchanted Land"(Avon Books 1978 P440) ISBN:0-380-40063-4
母と快適に暮らしていたMorgan。その母が亡くなり、また別れて暮らして いた父も亡くなる。その父の厄介な遺言のおかげでMorganは結婚してニュ ーメキシコで1年暮らさなくてはならない。そうしなければ今住んでいる 土地もすべてが叔父のものとなってしまうという。 外界との接触がほとんどなかったMorganだが、逆にそんな彼女に興味を持っ た男セスと1年限りの結婚契約をしニューメキシコに向かう。ファッション とゴシップ以外には興味を持たない女性しか知らず、そんな女性を人間とは みてなかったセスにとり、Morganは珍しい存在。また男というのはろくでもな い人間と母から教わってきたのだが彼女はいつしかセスに愛情を感じていく (厄介なことには、愛情というのがどんなものかを彼女が知らないってこと ですね。それで話がややこしくなり面白くもなるのですが) 女性に対する扱いとか、嫉妬の結果など"The Black Lyon"を思わせる設定 です。 2000.3.8〜2000.3.15: 1回目
モンゴメリー家の孤児Adamは両親の死について知りたいと調査を していた。何の結果も得られない状況が続く中、ある霊能者から 家族の一人は現在も生きていること、そして探す唯一の可能性は ある女性しかいないと告げる。 モンゴメリーシリーズの最新刊でもあり、久々の作品。プロロー グは別として1,2章はかなり期待がもてる出だしであった。し かし、その後主人公Darciの性格もいま一つ、また彼らの行動も 不自然さが目立ちさほど楽しめない。期待外れの作品でした。 Darci T.Monroe: Jerlene Monroe: Taylor Radburne: Adam Montgomery: 難易度 ★★ お勧度 ★★☆ 2002.11.9〜2002.11.13: 1回目