舞台は恐らく1000年以上未来の地球。21世紀かもっと後かは わからないが、地球は大気汚染が進み、人心は荒廃していた。 そういう時期に一種のミュータントと思われる人種が出現す る。テレパシーなどの能力を使える人種。彼らは一所に集まり コミュニティを形成し、やがては外部の愚かな人類を抹殺し、 今日に至る。 この世界は誰もが隠し事もなく調和のとれた世界だ。ただ、 時々能力を持たない子供が生まれるときがあり、彼らは調和を 乱すものとして粛清される。つまり処刑されこの世界から抹殺 される。 主人公Danloの妻は、ある日能力を失い処刑される。通常なら、 悲しみの記憶は削除されるのだが、Danloは妻の記憶を隔離する 術を知っており、妻の思い出をずっと持っていた。能力を持たな いものがなぜ処刑されなければならないのか?彼の疑問は徐々に 大きくなっていく。 久しぶりの満足できるSFでした。混乱しているが自由な世界、 調和はとれているが自由がない世界。面白く考えさせられる作品 でした。 登場人物 Danlo Ree: travelling counter Julan: Oxar Blennish: rememberer Linnie: 難易度 ★★☆ お薦め度★★★★ 2005.08.27〜2005.09.11: 1回目