2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第5戦レポート

[さいごに]

 2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第5戦が終了した。最終セクションの左ターンが最大の鬼門となっていたようだが、タイム差を大きくつけていたのは、スタート後のオフセットされた8の字セクションと、中盤のおにぎりセクションであろう。今回の撮影写真はあえて8の字セクションの2本目右ターンを中心に掲載してみた。上位ドライバーらのこのアプローチを参考にして欲しい。

 今回で、神奈川シリーズも折り返し地点を通過したことになるが、気になるのはシリーズポイントであろう。各クラスともその様相は異なっているが、ここまでややぶっちぎり気味にシリーズを優位に進めてきたドライバーらがこぞって崩れた印象がある。追う側のドライバーにとっては、今回勝たれてしまうと逆転は困難と感じてしまう、そして優位にシリーズを進めるポイントリーダーにとっては、ここで勝っておけばシリーズが見えてくる、とも思える大事な1戦であったはずだ。単なる偶然か、トップを走るドライバーにしか見えないプレッシャーか、いずれにしても、ポイントリーダーが焦りの色を隠せない興味深い1戦となったようだ。
 しかしながら、実は次の第6戦でシリーズチャンプ決定の可能性を持っているクラスが6クラス程あるようだ。恐らくポイントリーダーを走るドライバーは認識していることであろう。そして、ここからが本当のシリーズ争いである。このプレッシャーを跳ね除け栄冠を獲得できるか、はたまた感動の逆転劇が見られるのか、少なくともこの1年を戦い切ることがジムカーナドライバーとしての技量を格段に上げることは間違いない。残り3戦、自信を持って戦って欲しい。

 今回は、神奈川県内唯一の公認ジムカーナコースである相模湖ピクニックランドに、159台ものエントラントが集結した。その名の通り、遊園地の駐車場を特設ジムカーナコースとして利用し、パドックも園内の駐車場を利用する。従って、遊園地に遊びに来た家族連れも頻繁に通りかかり、実は関東では最大とも言えるほどの観客の中でドライバーらは走ることが出来る。また、山あいに作られた相模湖ピクニックランドの地形がメリットとなり、特設コースの周りからはまるでスポーツドームのような雰囲気でジムカーナ観戦が可能である。159台のエントリーによりパドックや園内の歩道にも所狭しとテントや椅子が並べられ、好天となったピクニックランドに遊びに来た家族連れなどが相まって、会場の雰囲気は全日本戦をも上回る盛り上がりと一体感を見せていたのが印象的であった。筆者自身、これだけの雰囲気の中でジムカーナを行った経験は記憶に無い程である。これも、多くのエントラントと主催者の気持ちが噛み合い、お互いに努力し作り上げてきた結果と言えよう。
 とにかく、今回の1戦はエントラントの笑顔が印象的であった。どのように文章にて伝えたら良いのか分からないほどであり、現場を見てもらえれば、誰もが納得するような雰囲気であった。エントラントの雰囲気、主催者の熱い思い、神奈川県シリーズ、そして相模湖ピクニックランドという神奈川唯一のジムカーナコース、いずれも、自信を持って全国に誇れると断言しておこう。

 今回の最大の課題は159台のエントラントをラップ走行が困難な相模湖で3本走らせることができるかどうかであった。主催者も苦悩したことであろうが、安全面を最優先し、ラップをほとんど取らないながらも、全走行を16:00過ぎに終了した。決して早い終了時刻ではなかったが、朝のブリーフィングでこの点をしっかり説明していたため、エントラントも納得しており特に不満の声も無かったようだ。また、コース設定はオーバーオールタイムが44秒前後と若干短めであったが、巧妙に仕掛けられた罠によりその短さを感じさせない設定となっており、こちらも不満は少なかったようである。
 そして、今回の第5戦にはモータースポーツ誌のオートスポーツによる取材も入り、全員の集合写真撮影なども行われた。近日中に掲載されるとのことなので、雑誌掲載を楽しみに待とう。尚、前回の第4戦の模様が、プレイドライブ誌の7月号に3ページに渡って取り上げられているようだ。
 続く第6戦は、7月27日、会場を富士スピードウェイNコースに移しての戦いとなる。当初のスケジュールから会場の都合により日程が2週間ほど変更になっていることに注意して欲しい。可能な限り長く、走りがいのあるコース設定が予定されており、また、スピードガン計測による速度競争も行われる予定だ。今や日本一とも言える盛り上がりを見せる神奈川シリーズを是非体験して欲しい。もちろん、我々盛り上げる活動側も、全力でバックアップする予定である。

 アンケートも実施しているので、ご協力頂ければ幸いである。




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撮影:かんとく
(文中敬称略)
えんどう