2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第3戦レポート

[さいごに]

 2003JMRC神奈川ジムカーナシリーズ第4戦が終了した。天候も終始安定し、イコールコンディションでの熱い勝負が繰り広げられた。特徴的な富士の斜面や車両によっては3速から4速まで入る高速セクションからのコーナリング、そして3箇所それぞれで進入や傾斜の異なるターンセクションなど、テクニックでタイムを削り取ることができるセクションが数多く設置されており、勝負の明暗を分けていたようだ。しかし、テクニカルのターンセクションを上手にこなしているドライバーが多く、他県からはるばる試走に足を運んでくれた船野選手も神奈川県戦ドライバーのテクニカルセクションのレベルの高さを絶賛していたほどである。神奈川県シリーズのテクニカルなコース設定を毎戦攻略していくうちに、いつの間にか何段もテクニックレベルが上がっていることは間違いない。1年間のシリーズを終えた時には、神奈川県出身ドライバーとして自信を持って上で戦えるドライバーが数多く誕生していることは間違いないだろう。

 その一方で気になるのはシリーズポイントであろう。今年は公認のB,Nクラスの他、クローズドクラスもシリーズ表彰対象となっているのが神奈川シリーズの特徴である。そのため、ほぼすべてのクラスで激しいポイント争いが繰り広げられている。ここで今年の神奈川シリーズは折り返し地点となり、有効戦数で言えば2/3を終了したことになるが、徐々に気になってくるライバルをどれだけ意識せず戦えるかが今後の明暗を分けるかもしれない。ジムカーナは、純粋な自分との戦いの競技であるのだから。

 それにしても、163台ものエントラントが集まった富士スピードウェイNコースはとても華やかで、活気に満ち溢れていたのが印象的である。エントラントもこれだけの台数の中で走れることを楽しんでいたようだ。
 そして、今回のイベント運営のすばらしさには脱帽せざるを得なかった。主催者にとっての戦いは申し込み締め切り付近から始まり、折角エントリーしてくれたドライバーを不受理にして不快な思いをさせるわけにはいかない、との熱い思いで、全員受理を決めた時点からの主催者の努力は想像を絶するものであったと推測される。受理書に同封されていた資料や当日配布された資料を見てもらえれば、その事前準備の緻密さを感じ取れることであろう。
 さらに、何気なく163台と言うが、今年の神奈川シリーズは練習走行1本付きの3本走行実施が約束されている。単純計算で、500本を走らせなければならないのだ。確かに、40秒〜50秒のコースで500台を回すことは可能であろう。だが、163台のエントラントが満足できるコース設定を、という矛盾した要求に立ち向かい、それを見事にやってのけたのだ。これもコース作成者壺坂選手の絶妙な設定と、チームニュートンランドの恐ろしいほどの運営力の成しえた業である。随所に見られたパイロン修正のすばやさには感動すら覚える程であり、優勝タイムが1分を超える設定をしながらも、15:30には試走の3トライを含む全車両走行を終えた点には、参加者も驚きを隠せないほどであった。また、この気持ちの良いスタッフの動きにエントラントも協力し、主催者とエントラントが一丸となってイベントを盛り上げ楽しんでいるという雰囲気が随所に感じられた。多くのエントラントの屈託の無い笑顔がそれを証明していたといえるであろう。
 また、今回の主催では、コースの改修へ向けた会場側の不備に対応するための無料のドリンクサービスや、放送設備の増強、一部未舗装パドックへの対応、お子様へのサービス、さらには大量エントリーに対応した入場ゲートでの工夫など、盛り込まれたエッセンスは数知れなかったことをお伝えしておこう。
 さらに、この日はJAFスポーツや自動車競技雑誌のプレイドライブの取材も入り、全員の集合写真撮影なども行われた。エントラントの活躍が雑誌に掲載されることをを楽しみにしよう。

 そして、続く第5戦は、再び会場を相模湖ピクニックランドに移しての戦いとなるが、相模湖の性格上、今回のような台数を受け入れることは不可能に近いはずだ。主催も、今回のチームニュートンランドとは兄弟チームのGALAXYが主催となるため、評判は高い。できるだけ早めのエントリーをお勧めしておこう。我々盛り上げる活動側も、全力でバックアップする予定である。

 アンケートも実施しているので、ご協力頂ければ幸いである。




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撮影:かんとく
(文中敬称略)
えんどう