2004JAF関東ジムカーナ選手権第1戦

3/28(日)、関越スポーツランド、ドライ(路温:40℃前後)




2004JAF関東ジムカーナ選手権第1戦
N4クラス

順位ドライバー型式1st-try2nd-trybest time
1位井上究 CP9A1'32"383(P1)1'26"8911'26"891
2位遠藤康浩 CP9A1'27"8201'27"1591'27"159
3位宮嶋一人 CP9A1'27"6391'27"2021'27"202
4位西野弘高 CP9A1'28"6171'27"3401'27"340
5位佐山敏史 CP9A1'27"6651'27"6321'27"632
6位舟橋悟 GDB1'27"6371'28"0371'27"637
7位掛札雄一 GDB1'28"7481'28"1191'28"119
8位高野進 CT9A1'28"3911'30"4591'28"391
9位新井範正 CP9A1'28"3971'37"757(P2)1'28"397
10位川辺晋吾 GDB1'29"4391'28"4471'28"447

1.まえがき

 いよいよ、2004シーズンの開幕です。今年もJAF関東ジムカーナ選手権を追うことを決めており、その第1戦が、3月28日、関越スポーツランドにて開催されました。
 車両のオーバーホールを2週間前に終え、シェイクダウンを兼ねて1週間前にもここ関越スポーツランドを走りましたが、路面温度10度前後+1部山の048G/Sコンパウンドってことで、トップタイムからは3秒程度遅れる始末。挙動を見るために暴れまくった挙句、いたる所でスピンをかまし、いろんな人に心配されるほど無様なシェイクダウンでしたが、そんな中で試みたいくつかのトライの感触から、不思議と「今年は去年と違う」という実感を持って帰ることができた1日となったのでした。
 今回のエントリー台数は120台オーバー。N4クラスは昨年に引き続き最大エントリーの27台を集めた模様。N2、N3クラスとも20台以上を集め、N車両の増加を強く感じられる状況となりました。
 さて、今年の最大の目標は時たま思うことでも触れましたが、JAF CUP権ゲット。もう少し具体的なところでは、地区戦N4クラスで、お立ち台1回以上、6位以内6回以上、シリーズ6位以内、と言ったところ。今年は敢えて全戦ポイントゲットは狙わないというのも重要なポイントだったりします。どうなることやら・・・・。
 毎度のことですが、特にこの時期気になるのが天候です。1週間前は雪が降るほどの寒さでしたが、この週末は20度近くまで気温が上がるとの予報。路面温度も相当上がることが予想されます。ウェットの可能性は無に等しいので、今年新調した本番タイヤと昨年から使っている練習タイヤとを持ち込み会場入りします。
 何しろ今年に入って全く走っていなかったので、今回は前日練習から入ることを決めました。しかし、木曜日は部会で遅くなり、金曜日も結局早く寝ることができず、連日の4時間睡眠で土曜日の出発は結構きついものがありましたが、久しぶりの地区戦なので、かなりワクワクした気分で会場に向かうことができました。
 昨年から関越スポーツランドにはカート部分が増設され、路面も部分的に再舗装されたり、コース幅が拡大されたりと、小変更を繰り返しています。特にカート部分については慣れておくに越したことはありませんから、この前日練習は大変貴重です。
 練習用タイヤを使ってこのシーズンオフにいろいろ考えてきたことをワントライごとに試しながら、カートコース部分の走行パターンもいくつか試して1日を終えました。いろいろ考えすぎた午前中はリズムも悪く車をうまく動かせませんでしたが、少し開き直った午後のコースでは、ようやく感触を掴み掛け、最終トライで本番用タイヤを使って様子を見たところ、トップとのタイム差は今まで経験の無い程イケテル感じ。1〜2本でこういったタイムを出せるかどうかは不安が残りますが、上位に絡める可能性がゼロではないことを確認できた点と、車の動かし方の感触を掴むことができた点が大きな収穫となった前日練習でした。
 この日の宿は、最近お世話になっている牛伏ドリームセンター。ついつい前夜に飲みすぎてしまうクセを、今年はほんの少しだけ控えてみようかというのも今年の新たな試みだったりします。今年も地区戦の場に立たせてもらえることに感謝しつつ、晩酌はジョッキで4〜5杯程度に留め、明日の決戦に備えるのでした。

2.当日

 日頃の睡眠不足を解消すべく、たっぷりと睡眠をとり、6時前に起床。それからゆっくりと露天風呂に入って、ゲートオープンの7:00に合わせて会場入りします。ローカルな天気予報によると予想気温は20℃前後とのことですが、まだこの時間は息も白く肌寒い感じです。それでも、天気はかなり良いので、路面温度は相当上昇しそうですね。
 今年からパドックの枠線が引き直され、1台あたりのスペースが相当広くなっており、非常に快適なパドック空間をかもし出すことができるのが関越の特徴です。これだけのことで気分的に随分と違い、同じ一日を楽しく過ごせるから不思議です。関越スポーツランドのこういった細かい工夫には感謝したいですね。
 さて、今シーズンの開幕戦ということで、昨年から変わらないメンバーに加え、今年から地区戦にエントリーしてきた新しい顔ぶれも多く、とても新鮮です。準備する手を止めながら挨拶をするだけで、地区戦が始まったなぁ、という実感が持ててなぜかにやけてしまう自分が居ます。今年もこの場に立てることにほんとに感謝しています。それにしても、これだけの面子ではとても入賞できる気がしませんね。順当に考えても10番に入るもの苦しいでしょう(涙)。ちなみに出走順はラスト10番。少なくとも自分が走り終わった時点でトップタイムに絡んでないと、橋にも棒にも引っ掛からないという感じでしょう。
 受付を済ませ、コース図を見ると、昨日の練習コースに似ているレイアウトに、プラス30秒程度かな、と思われる長いコース設定になっています。昨日、最後のアタックでそれなりの感触が得られたコースに似ているので、きちんと走れば戦えないことは無いでしょう。準備をする傍ら、横目でコース図を見ながらコースを覚えておき、いざ、慣熟歩行へ。ポイントはいくつもありそうですが、一番見えないのが2回あるブラインドセクションへの飛び込みでしょうか。あまり消極的になってはタイムを落としそうですが、速度を誤って突っ込んでしまうと、かなりのタイムロスを余儀なくされそうです。それ以外でもいくつかタイムをロスしがちなセクションがありますので、そこいらをポイントとして抑え、やはりタイム差がつきやすいであろう、最終のテクニカルセクションをきっちり回すことを念頭に置いて、長いコースを集中して走りきるようにがんばりましょう。
 この日は、神奈川県戦から上がってきたドライバーも数多く参加している他、あの本物の伝説様までがエントリーしており、見所もたくさんです。また、N4クラスに関して言えば、CT9Aが5台ほど参加しており、話題の18インチタイヤ装着車両も3台ほど居るようです。今シーズンを占う意味でもこれらの走りが気になるところですね。特に今回のコースは深いターンがほとんど無く、カートコース部分も多用することから、CP9A勢のメリットを生かしづらいコース設定とも言えます。これはCT9A勢も感じているところでしょう。だからこそ、なんとしてもCT9A勢には勝っておきたいところですね。
 知っているドライバーの走りをちらちらと見ながら、自分の出走タイミングに合わせて気持ちを集中させます。予想通り気温はグングン上がり、出走時の11:00頃には路面温度は40℃を超えていたようです。セッティングは、いつもの通りで行ってみましょう。
3.第一ヒート
 気持ちを集中させ、4500rpm程度からスタート。2速に上げ、3速にあげないつもりだったのでそのまま第一パイロンに進入すると、リミッターが当たってしまいます。軽く曲げて再び踏みなおして右奥の右180度へアプローチ。丁寧に寄せ、慎重にサイドを当てますが、僅かにミスをしてコントロールしながら立ち上がります。2速に上げ、カートコースに突入。結構ここは怖いので一瞬ひよりながら奥まで進入。結構コントロールに一杯一杯になりながらなんとか左コーナーをクリアしてややアウト目に立ち上がります。その先の左コーナーではサイドを引きたい衝動を抑え1速に落としてグリップでクリア。しかし、苦手なグリップのため挙動を乱し、思い切ってアクセルが踏めません(涙)。シケイン部分をなんとかこらえて通過し、再び右コーナリングへ。ここは結構きつく、やっぱりアクセルが踏めずになんとなく通過。立ち上がって2速に入れて、広場へ戻ります。このブラインドの立ち上がりで、緩いスラロームへ車を向けるため手前から姿勢を作ってみますが、これが思い切り見当外れ(涙)。結局姿勢を大きく乱しながら大慌てでスラロームを通過。スラロームの終点では焦ってブレーキングを強くし過ぎてしまったため、続く大きな右コーナリングをコンパクトに寄せ過ぎ、立ち上がりで大きくはらむ結果に(涙)。3速まで一瞬入れて、再びブラインドの先にあるカートコースへ飛び込みます。見えないので、勘で(爆)減速して2速でカートコースへ。視界が開けた瞬間が結構驚きますが、そう悪くない位置に車が居たのでとにかく全開。奥の右コーナーへ丁寧に入ります。なんとなく右コーナーをクリアして加速し、3速に入れながら広場へ戻ります。壁際のパイロンへはやや緩めに入り、速度を殺しすぎないように進入しますが、続く右パイロンを大きく離してアンダー出しまくりでギャラリー前の左180度へ。進入を間違えないように気をつけて入り、緩めにサイド。ちょっと姿勢を崩しますが、そのまま2速まで加速して今度は緩い左コーナリングへ。このあたりはリアが食い始めているのか車が曲がらなくなっているので、きっちり進入で落として、全開で立ち上がるようなラインを選択します。そのままギャラリー前へ戻って最後のテクニカルへ。一番重要な入りの左ターンは、それなりにコンパクトに入り、サイドを当てますが、ややパイロンを離したせいか、車が跳ねまくり、アクセルを思わず戻してしまうと、予定していたラインより車半分くらい次の進入がインに寄ってしまいます。なんとか次の右ターンを回しますが、テールを振り出しすぎる結果に。とにかく次のターンへアプローチし、左サイドをなんとか決め、最後の右ターンも集中してサイドを当てて、ゴール。タイムは、1'27"8でした。

4.第二ヒートの対策

 どうやら、トップタイムの舟橋さんから遅れること0.2秒の4番手。脱輪判定のため幻のトップとなっている究さんからは0.5秒遅れ、見るからに1秒くらいはミスをしていたであろう宮嶋さんからも0.2秒遅れとなっています。このままでは入賞圏外に押し出されるのは確実。おそらくトップは26秒台の戦いになることでしょう。
 しかーし、なんつっても、トップと0.2秒差の4番手ですよ。こんなことは、今まで経験の無い位置です。もちろん僕だってミスをしていますから、あと1秒程度のタイムアップの余地はあるはず。それをあと1本で出すことは不可能ですが、そのうちの0.5秒くらいはなんとか稼いで上位に絡みたいところですね。おまけにどうせこのままではJAF CUP権はありません。残された解は、気合を入れて走るしかないということ。
 詳細に走りを分析してみると、とにかく前半区間が遅い(涙)。走っていても感じた遅いセクションが予想通り遅れており、前半で0.5秒程度の挽回はできるはず。また、後半では、サイドをミスしたセクションでコンマ数秒の挽回の余地があります。あとはね、今年のテーマである「○○」作戦を使うのみです。えぇ、そうです。細かいところはどうでもいい。気迫でタイムを削り取りましょう。かんとくにも、この一か八か作戦のGOサインをもらい、狙いは決まりました。
 お昼の慣熟歩行では、攻めあぐねたブラインドセクションを頭に焼付け、ポイントとなるセクションのイメージを再構築して、あとは集中して走るだけです。
 14:00を回り、気温は下がりつつありそうな雰囲気ではありますが、路面温度的にはほとんど変化なし。セッティングそのものは全く同じセットで第二ヒートにのぞみます。

5.第二ヒート
 スタート直前まで1コーナーの抜け方だけ悩んでいましたが、今回は攻めることを選択。集中して、4500rpm程度からスタート。2速に上げ、さらに3速まで上げて第一パイロンに進入。あまり速度を殺し過ぎないように曲げて右奥の右180度へアプローチ。しかーし、先ほどより完全に進入速度が速く、ブレーキングで精一杯。フロントタイヤを思い切りロックさせてしまい(涙)、もう慌てふためいてサイドを当てますがほとんど向きが変わらず、もう、何をしたか覚えてません(爆)。頭の中で「終わった・・・」という台詞がこだましますが、カートコース入り口でビデオ撮影してくれているかんとくのことを思い出し、このまま崩れたら何を言われるか分からん(爆)、ってことでやるだけはやったるモードスイッチオン。とにかく全開で加速し、2速に上げて全開でカートコースへ飛び込みます。先ほどのミスのせいか、操作がラフになっており、狙いとは全く違うライン上に車が居ることに気づきます。一瞬車を落ち着かせる操作を入れて奥の左コーナーへ。このあたりから冷静さを取り戻し、きっちりコーナーを攻めてアクセルオン。その先の左コーナーでは、しっかりと減速し、1速で通過。直後の短い直線では多少の車の挙動は覚悟の上できっちり踏み切りすぐにブレーキングで左コーナリング。シケイン区間では、ラインはあまり気にせずしっかりとアクセルを踏むことだけに専念して通過。再び右コーナリングは、やっぱりぎくしゃくしながら通過して、2速へ入れます。ここからのブラインドセクションは、自分のイメージを信じてイン側に車を切り込みながらカートコースを全開で脱出。広場に入って視界が開けた瞬間、ほぼ狙ったとおりの位置にパイロンが見えて一安心(笑)。無駄なくスラロームを通過することを心がけ、スラロームエンドでは、緩いRに視点を切り替えて速度をコントロールして一踏みします。その先で軽く車を曲げますが、ここはアンダーが強くなかなか車が反応してくれません。我慢しきれずにちょっと早めにアクセルをあけてしまいますが、とにかく踏み切って3速へ。再びブラインドのカートコース進入です。速度を乗せる意識が強すぎ、ブレーキングでタイヤをロックさせながらの進入となってしまいましたが、なんとかつじつまを合わせることはでき、カートコースが見えた瞬間から、とにかく全開。強い傾斜で車が一瞬吹っ飛びそうになり、涙がちょちょぎれますが、こんなことでアクセルを緩める訳にはいかないので、一か八かで(おいおい)全開で右コーナーへ進入しました。おかげで、思い切り挙動を乱しながらの右コーナリングになってしまいましたが、軽くイン側の縁石に乗る程度のラインには乗せられ、あとはまたまた全開で3速に上げながら広場へ。やや緩めに進入し、気持ちオーバースピード気味でしたが、2速に落として車速を少しコントロールして、さらにステアリングを切り込みとりあえず全開。運良く(?)次の右パイロンをぎりぎりかすめて通過出来、ギャラリー前の左180度へ。踏みっきりだったため、ほとんど車のコントロールが効かないので、減速するのに精一杯。なんとか左ターンをサイドでクリアし、やや狙いよりもアウトに車が動いてしまいますが、とにかく踏んで、2速へ。続く緩い左コーナリングですが、やはりリアのグリップが上がっているのか曲がらないので、きっちりと減速してコンパクトに曲げて全開。立ち上がりのパイロンを運良くきれいにクリアでき、そのまま踏み切ってギャラリー前の最終テクニカルへ。インを離すと跳ねそうだったので、きっちりとパイロンに寄り、しっかりと左サイド。おおむね狙い通り曲げられ、次の右はそれなりに狙ってサイド。続く左はちょっとサイドのタイミングを外してしまいましたが、大きなロスにはならずにクリアし、最後の右も若干ストール気味にはなりましたが、コンパクトに回してゴール。タイムは、1'27"15でした。

6.最後に
 ゴール後、あくちゅアナの「トップタイムぎゃくて〜ん」という半ば裏返った声が(笑)耳に飛び込み、右手で小さくガッツポーズ。なんつっても、昨年最終戦でも同じ展開で順当に抜かれて6位でしたから、少し躊躇があったのですが抑えることはできませんでした。スタート直後の右奥ターンが悔やまれますが、なんとか自分がゴールした時点でトップタイムを更新するという目標は達成できました。後は運を天に任せるしかありませんね。
 車をパドックに止めていると、第一ヒートで負けている佐山君がゴール。自己のタイムを上げてくるものの、2番手とのこと。ほっ。続いて関越マイスターの晋ちゃんですが、中間をやや遅れて通過し、得意のターンでも稼ぎ切れず、ベストタイム更新ならず。そして、昨年第1戦では負けている漆原さんですが、こちらも攻めあぐねたのかタイム更新できません。続く昨年も1勝を挙げている新井さんですが、なんとスタート直後の右奥ターンでパイロン判定。タイムを上げてきますが、グロスのタイムも届かずこの時点で、6位入賞が決定。「開幕戦で入賞なんて、超うれしい!!」とか言ってると、晋ちゃんが「あのタイムならお立ち台は行けるんじゃない」なーんてまじめに言ってくるもんだから、「いや、むりだろぉ」なんて冷静を装いながらももう、気になっちゃって気になっちゃって(笑)。
 で、昨年のS3クラスから移籍した板倉選手がスタート。しかしまだエボ7に乗り切れて居ないのかタイム更新できず、これで5番手。残る4台は全く勝てる気がしないメンバーが続きます。まずはいつも目標にしている西野さん。中間を僕より0.2秒ほど上回って通過。「やっぱりなぁ、そんなもんだよ(涙)」と心の中でつぶやきながら見ていると、ターンもそつなく回してゴール。微妙かなぁ、と思っていると、「0.2秒届かないぃぃ」というアナウンス。これで自己最上位の4位が決定ぃ!!。くぅぅぅ!。後一個誰かお願いぃぃ、ともう神頼み状態(笑)。しかし続くのは昨年度ランキング3位の掛ちゃん。ありえねぇよなぁ(涙)。このあたりで、「勝っちゃうかもよ」と次々と声を掛けられますが、その度に「終盤のシリーズランカーはそう甘いもんじゃないんだよ」と答える頭の中で微妙に期待している自分がいやらしいところ(笑)。しかし、ここまでくるとJAF CUP権が欲しいと思ったのは正直な気持ちです。祈るような気持ちで掛ちゃんの走りを見守りますが、なんとなくいつもの切れが無い感じ。中間も僕より遅いタイムで通過し、結局逆転できずにゴール。この瞬間に3位お立ち台&JAF CUP権ゲットが決まりました。
 もう、集まってくれた仲間と半狂乱状態。ちょっと泣きそうでしたが、「これマジで勝っちゃうんじゃねーの」とか言う人が居るもんだから、僕もその気になって、次の出走を食い入る様に見ていると、なんと次はあの宮嶋さん。ありえねぇ〜。ため息が出るような走りで、中間は当然僕を上回って通過。「やっぱりねぇ」と、少し残念な気持ちがあったのは事実ですが、ここまで残っただけで十分、なーんて、自分自身を納得させるように言い聞かせながら見ていると、宮嶋さんが最終セクションへ。ここまできたら決まりだな、なんて思ってたら、そのテクニカル入り口で滅多に見ることが無いサイドミス。周りの仲間が騒ぎ始め、ゴールタイムアナウンスに耳を傾けると、「1分・・・・・・27秒・・・・・・20!!!届かないぃぃぃ!!!」。信じられません。パドックはもうまるで優勝したかのような大騒ぎになってました。
 こうなると、欲が出てくるってもんでしょう(笑)。最終ゼッケンの究さんの走りにみんなで注目です。しかしそうでしょう、明らかなミスは見えず中間を0.2秒ほど上回って通過。微妙なタイム差でほんの少し期待したのは事実ですが、きっちりとターンセクションも決めてゴール。そして気になるタイムは、「1分・・・・・・・26秒、」とためてアナウンスされた時点で、「やっぱりなぁ」って大爆笑。つか、笑うところじゃないだろ(笑)。
 こんな感じで、パドックで大騒ぎしながら、地区戦初お立ち台2位ゲット&JAF CUP権ゲットが決まりました。もうそれからというもの、帰るまで大騒ぎでした。

 なんていうか、予想外の結果に自分が一番びっくりしています。長いシーズンオフを終えて、久しぶりに走った地区戦であっけなく入ってしまった2位お立ち台。その凄さというか、価値というか、この日、会場を後にするまではどうもピンと来ませんでした。それが、次々と頂くお祝いの電話やメール、そして自宅に帰ってからのビデオ鑑賞で徐々に実感し、翌朝の通勤渋滞でしみじみとここまでのジムカーナ生活やこの日の一日を振り返っていたら、涙が出てきてしまいました(マジで)。
 何しろ、宮嶋さんと言えば、僕がサイドターンすらまともにできない頃にすでに関東トップ全日本レベルで君臨していたドライバー。まさかそんな方と地区戦で肩を並べて表彰台に立てる日が来るとは思っていませんでした。おまけに、僕なりに地区戦は本気で戦ってきましたが、お立ち台に上るような方々は別世界の人、という気持ちが多少あったのも事実です。それが、この結果です。ちゃんと2本走り切って競ったこの結果。もちろん、走りの質を考えると、腕の差は天と地の差ほどあることを改めて痛感させられましたが、全く戦えない訳では無い、と勘違いできるに十分な結果が残せた余韻にしばらく浸りたいと思います。

 もう少しこの日のことを振り返ると、実は昨年とは違ういくつかの試みがあったのは事実です。車的には別になんら進化していませんが、戦い方とか気持ちの持ち方、そして車の動かし方など、ソフト面において、いくつかのトライをしています。あまり種明かしをするつもりはありませんので、気になる場合はこちらへどうぞ(笑)。別に大したことじゃありませんけどね。意外とこういうことが効くんだなぁってが実感できたことも、この日の大きな収穫でした。

 そんな訳で、いきなり初戦から今年の最大の目標をクリアしてしまったので、実は脱力感で一杯なんですが、ラッキーなことに第2戦まで1ヶ月以上ありますので、この間に少し気持ちを整理して、もう一度ゼロスタートのつもりで気分を新たにして取り組んでいこうと思います。
 ま、実際のところ、誰にでもチャンスがあったところに、僕がたまたま割り込んでしまっただけのことですが、結果が結果ですから多少注目されることもあるのかもしれません。そんなことを考えただけで、もう胃が痛くなってきましたが(笑)、フロックだと言われないように、気を引き締めてがんばろうと思います。
 あ〜、それにしても一つ目の右180度が悔やまれる(涙)。

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