コラム


平成16年7月10日

最近、ベーパーロックと言うガソリンに気泡が混じるトラブルを体験し、それが見過ごしがちな所の不具合だったことに,つくづくバランスよく全体を理解して無いといけないなー、と痛感しました。(詳しくはこちら

エンジンの性能を引き出すのはキャブレターや点火装置、付加装置ですが、それらのコントロールには目が向けられて無いのが現状でしょう。排ガス規制装置も加わって複雑すぎるのがその第一原因でしょうが、それをクリアしないとベストパフォーマンスはありえません。

53年規制以降のエンジンルームを見てまず圧倒されるのはバキュームホースの多さでしょう。電気をなるべく使わずバキュームだけでコントロールするのは、よく考えた物だと感心しますが、やはり複雑すぎます。1本の負圧取出し口から、いろいろ枝分かれさせている為に、一箇所で漏れが発生すると全体に影響します。

近年になるとそれらを電気的にコントロールするようになり、バキューム回路、切り替えスイッチ、コントロールユニットの三つ巴となります。作動プログラムも知っておかないと、常識が通用しない場合があります。

ホンダ アクティーバンHH3後期 では冷間時にパワーバルブを作動させないコントロールになっていました。冷間時にはチョークと空燃比コントロールで濃い混合気を作り出しているので、作動させていないみたいです。

触媒が付いてから空燃比コントロールには細心の注意を払ってるみたいです。私たちが勝手に空燃比を変えてしまう事はなるべく避けたいものです。

 

ホンダお得意のブラックボックス。
隠すなー。
バキュームゲージは必須アイテム。
バキューム回路点検から健康診断まで!

平成16年7月8日

今日は久しぶりにKEジェトロニックのメルセデスが入ってきました。

電磁ポンプで送られてきたガソリンをフューエルデストリビューターと言う分配装置で各気筒に送り込みます。
その先端には機械式のノズルが付いています。基本構造はそのままにO2センサーの反応をもとにフィードバックコントロールさせた物がKEジェトロニックです。

ドイツ車はとても考えて作られています。エンジンテスターと接続するためのコネクターや、クランク角度を読み込ませるための信号を出しています。専用テスターが無いと猫に小判ですが、質の高い整備を求めるとこうなるのでしょう。

配線図もとても解りやすく書かれています。ドイツ工業規格に従った表示でメーカーが違っても書き方は同じです。これらの事はボッシュ自動車ハンドブックに詳しく載っていますので是非どこかでご覧になって下さい。整備士に求めるレベルの違いをまざまざと見せ付けられます。

   


平成16年5月25日

ちょい乗りしかしない車両の話です。

ある70年代のアメ車でキャブ仕様。ほぼ毎日のように乗っていますが、10分から15分ほどの使用で、長距離に使うことはありません。ここ数年、半年おきくらいに片肺状態になり、振動とドライバビリティー不良に悩まされています。プラグを交換すると又半年くらい持ちます。

これを読んで皆さんもすぐお解かりだと思いますが、オイルを消費しています。ブローバイは少なかったので多分、ステムシールからの消費だと思います。せめてもう少し乗ってあげればプラグも自己清浄温度に達して寿命を伸ばすことが出るのに。

         大阪人はプラグまでコテコテなのだー!

アメ車好きでもない普通の方がオーナーで、周りからは、乗り換えろ!廃車しろ!と言われてるそうですが、ただ何となく気に入ってるとか。(もちろん新車から乗ってらっしゃいます。)私も乗りましたが、ノーズが長いのに先端まで見渡せるし、フワフワとした足回り。こう言うのはアメ車しか味わえませんね。室内のにおいも外車らしい香りがしていました。


平成16年5月20日

しばらくぶりで本当に申し訳ありませんでした。2月3月4月本当に忙しくしておりました。ここんとこ急に暇になり、手付かずだった部品探しの旧車 AMAL キャブ と レースに使う為TMキャブを3気筒用に改造する仕事に取り掛かれました。

その3連TMキャブはツデーにのせます。現在レースで私の TMRシングル40パイ で走ってるんですが、やはり3連でしょ!と言うことで依頼を受けました。32パイで加速ポンプつきです。どんな走りになるか楽しみです。まだ仮組みの段階で、インテークマニホールドも平行して製作しています。なるべく燃焼室に近づけたいんですが、かなり前傾したエンジンに対してホリゾンタルキャブなのでその辺が難しいでしょう。また画像で紹介します。

前回のコラムで紹介しました 1.5ミリ厚のキャンバス入りゴムガスケット の販売を開始いたします。
詳しくはメール、電話、fax で受け付けております。

ピッチを詰めるのにいろいろ工夫しました。
車載したらまた報告します!
1.5ミリ厚でキャンバス入り!

ラインナップ

Z1/2 初期 後期
Z1000 Z750FX
H1/2
KH250

1枚630円(税込み)

平成16年1月21日

かねてからZ系ユーザーに広く知られたフロートチャンバー合わせ目からのガソリン漏れに有効な、1.5ミリ厚のキャンバス入りゴムガスケットが上がってきました!厚みと柔らかさのバランスが良く、キャンバス入りで腰が強く、ノーマルガスケットでぎゅうぎゅう締め付ける悪循環から開放されます!

近々、トップページで詳しくご報告いたしますのでもう少しお待ちください。
Z1 Z2 Z1000系 マッハ KH をご用意しております。


平成16年1月15日

時々、SNAP-ON ディーラーの人が尋ねてくれますが、私とSNAP-ON TOOLS との出会いは1本のスパナからでした。

SR311 のタペット調整をするのに19のスパナでナットを緩めるんですが、手持ちのスパナではどうしても緩みませんでした。アマリの硬さにスパナが開いてゆくのを感じて止めざるを得ません。そこでSNAP-ON ディーラーの方に相談して、「緩んだら買いましょう!」なんて意地悪なことを言ってその実力を確かめることにしたんです。(今思うとヒドイ話ですがものすごく高かったんです。)

ディーラーの方は自信たっぷりにフランクドライブのスパナを取り出し、ナットに掛けて体全体で引きました。すると「カキン!」と言う音と共に見事に緩みました。あれは感激しましたね。それからスパナはフランクドライブを愛用しています。失敗してからでは遅いですからねー。でも高すぎ!

 


平成16年1月9日

今日は見に行った2台の車が双方とも水によるトラブルだったのでそれらのお話です。

エンジンが始動せず、で見に行った車。

全くかかる気配が無く、火花は飛んでいるが赤く、ぼてっとした感じ。コイル不良だがその原因は?
コイルのそばにラジエターリザーブタンクがあり、そこから激しく冷却水を噴出した跡がくっきりと。聞いてみると最近水漏れ修理をしたらしい。どうもオーバーヒートしたみたいだ。その時リザーブタンクから噴出したんだろう。ボンネットに当たって跳ね返ったクーラントがコイルにかかっている。すっかり水気は無くなっていたが、外部抵抗ガイシ が割れていた。

吹かすと止まる、で見に行った車

アクセルを吹かすとプスンとエンストする。車検を終えたところで納車前に突然そうなったらしい。キャブレターを疑って先にオーバーホールをしたが全く変わらなかった。見に行って真っ先に点火を疑う。(当然!)火花は強かったので、リークを調べるためデスキャップを外すと、水滴だらけ。スチーム洗車は熱湯で行う為、蒸気がちょっとした隙間にも入り込んでいく。外してエアーを噴いてしばらく乾かすのが常識!


平成16年1月8日

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

今年は人と人との暖かいつながりを重視して仕事に取り組めたら良いなーと思っています。車や単車を間に挟んで互いに喜んだり感心したりできれば最高ですね。実質増税の社会制度や長引く不況で暮らしはますます厳しくなりそうですが、私も皆さんのお役に立てるところで力になれればと思ってますので、何なりと相談してください。

久しぶりにSOLEX 2型 をオーバーホールしました。このキャブは初期のミクニSOLEXで今までに途中交換されて3型や4型に交換されてるものが多く、傷みのひどさからオーバーホールしないことが多かったんですが、部品取り用のキャブも用意されてオリジナルへ戻したいとの事でした。

まずボディーが使えるかが問題です。ひずみやヘリは仕方ありませんが、人為的な加工によって使い物にならなくされてると、とても残念です。一番多いのがねじ山修正の仕方です。肉厚の無いところにワンサイズ大きなネジを立てていると、それがだめになったらヘリサート加工も無理になります。よく考えて処理しましょう。

   


平成15年12月13日

第1回目早々から愚痴で始まることになって申し訳ありませんがまあ聞いてください。キャブレター以外にもインジェクションの修理もやってるんですが、これがとても苦労するんです。

インジェクションも最初のうちはどのメーカーも同じ方式で同じような物を使ってたんですが、今では独自の方法で展開してますのでシステムから知る必要があります。

今週見に行った1994年式 ASTRO はエンジンかからず。燃圧、点火共にOK 。自己診断も異常なしで、とにかくプラグが猛烈に濡れてしまってました。燃料噴射のシステムが他とはちょっと違ってます。しかも整備性も悪くてよく考えてからでないと無駄に時間を費やすだけです。

あいにく修理書も情報も無く、大体の考えを伝えたところで、お客様から 廃車する。 とのご返事。結果を見ずじまいで終わりを迎えました。このように高価な車でも最近はすぐ廃車する傾向にあります。消費社会にとって有り難い事かも知れませんが働いた者が損をするちょっとむかつく結末です。

原因を知ることができなかった事には大いに反省するところです。情報の重要性を痛感します。修理書は結構持ってますが、次から次へきりがありませんね。しかしASTRO の純正修理書、OBD 前と OBD 後 注文入れときます。

アメ車は独特で面白い所もあるので又の機会にお話しましょう。


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