基準であるフロートレベルは必ず合わせなければならない。フロートバルブの磨耗、ごみの噛み込み等で
レベルオーバーしたり、フューエルポンプ不良、ライン詰まり等でレベル低下を起こしたり、
調整以前に点検しておく個所も多い。
車上で点検窓によりチェックできれば良いが、そうでない場合も多い
。そんな場合、特殊ツールでレベルをチェックする。アイドリング時は良いが高負荷時に流量の低下を起こす物は
ポンプ不良やライン詰まりで有るからポンプ圧をチェックする。
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点検窓の無い物は特殊ツールを使用したり、工夫して調べる。 |
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レベルが狂っていた場合、その原因を調べる。安易に調整してはいけない。 フロートバルブはバルブ、シートともに点検すること。フロート不良もよくある。 燃圧を公表してる場合は少ないがキャブレター車の場合、0.25s/cuぐらい。 流量を多くしてポンプ圧を少なくしたり、 レースなどでは圧力を上げている場合もある。 |
調整が必要になった場合、フロートのリップを曲げて調整するが、無理な角度になることは無い。
多くの場合リップとバルブは閉じる位置で垂直に当たる。バルブ開放時のストロークも調べること。
バルブシートのワッシャーの厚みを変えても調整できる。
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リップにかなり角度が付いている物もセットすると垂直に当たっている事が解る。 |
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ワッシャーは重ねて使用することもできる。外から調整できる物もある。 |
フロート自身悪くなることもよくある。真鍮フロートが腐食などによって穴が開くことは良く知られているが、
樹脂製のフロートにガソリンが染み込んで重くなるケースが時々ある。
こんな時の見分け方は、水の上でも良いから浮かべてみる。
重くなった物は水面に顔を出すことなく水中で漂っている。
真鍮フロートの穴はお湯につけると激しく気泡を放出するのですぐ解る。
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真鍮フロートならある程度修理できる。鈑金用半田ごてを使って薄く仕上げる。 あまり熱しすぎると内圧が上がり、はんだを吹き飛ばす。いくらやっても穴は塞がらない。 |
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フロートが引っかからないように注意する。特に両端のクリアランスに注意する。 |
オーバーフローした場合は、その度合いを良く見る。調整不良やバルブ磨耗だとゆっくり漏れることが多く、
突然激しく漏れるならゴミによることが多い。こんな時まずガソリンコックを止め、ドレンからガソリンを排出し、
再度コックを開け勢いよく入ってくるガソリンでバルブに付着したゴミを洗い流す。
長期間放置していた車両はキャブレター内部でガソリンが粘ついて正常な作動が望めない。おかしな臭いがしたら
応急処置では無理と思うこと。
多量のガソリンが流れたなら、それらはシリンダー内にも流れ込んでると思ったほうが良い。
エンジンオイルにガソリンの臭いを感じたら交換すること。