三種混合(DPT)ワクチンは、ジフテリア()、百日咳()、破傷風()の三種類の病気を予防する目的で作られた混合ワクチンです。

 ジフテリアは、ジフテリア菌が進入した局所の偽膜病変とジフテリア毒素によって生ずる病変に大別されます。偽膜病変としては、咽頭や鼻粘膜に進入した菌が扁桃に偽膜を形成し、重症になると呼吸困難を引き起こします。毒素による症状としては、心筋炎、神経麻痺があります。百日咳は、その名のとおりひどい咳が長く続き、呼吸困難を呈する疾患です。百日菌によるもので気管支炎や肺炎を合併します。百日咳抗体は母親からの移行がほとんど無いため乳児期にもかかりやすく、乳児でかかると無呼吸発作を起こすため、チアノーゼ、痙攣などを起こす。破傷風菌は土壌の中に広く分布しており、傷口から人の体内に侵入します。これらの病気は、いずれもかかると死亡することのある怖い病気ですので、早めに三種混合ワクチンで病気を予防することをお勧めします。

 DPTワクチンは3ヶ月をすぎれば受けることが可能ですので、3ヶ月を過ぎたらなるべく早めにワクチンを受けましょう。DPTワクチンを受ける前に百日咳に罹患した場合には、二種混合(DT)ワクチンを受けましょう。1期初回接種は3回必要で、38週間の間隔で3回接種します。初回接種終了後1年たったら1期追加接種を1回受けましょう。上福岡市及び県内では、3ヶ月から76ヶ月未満の間、DPTワクチンを公費(無料)で受けることができます。

 2期接種はDTワクチンを小学校6年生で接種します。当院では、上福岡市、富士見市、大井町、三芳町にお住まいの小学校6年生は個別接種で二種混合ワクチンを無料で受けることができますので小学校6年生の間に必ず受けるようにしましょう。

 DPTワクチン、DTワクチンは不活性化ワクチンですので、接種から1週間経てば他のワクチンを受けることができます。


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