SOUS LE CIEL DE PARIS
 〜パリの空の下で〜 

パリの新都心  ラ・デファンス
ラ・デファンス

Vol.2

 フランスに行こうと思ったのは、去年、イラク戦争にフランスが真っ向から反対したことも理由の一つだ。アメリカとフランス、どちらも自由と民主主義を掲げている国なのに違いすぎる。

 時間が経つにつれて、大量破壊兵器のことなどでアメリカやイギリスの方が間違っていることがはっきりしてきた。そんなこともあって、アメリカやイギリスの魅力が半減した。

 最近、日本は行財政改革の面でイギリスなどの経験を手本にしてきている。現在国が音頭を取って進めている市町村合併もその流れの一つだ。

 ところが、フランスの基礎的自治体は3万6千もあり、田舎に行けば行くほど、いかにも共同体といった感じで、ゆったりした暮らしがそこにはある、と聞いたことがある。(注)

 かといって、今回の旅行はパリだけで、フランスの田舎へは行かなかったけど。

 人生、効率や競争だけでは寂しい。

 言葉の問題はあったが、以前からヨーロッパ大陸の方にも足を伸ばして、観光だけではない旅行をしてみたいと思っていた。それが今回、実現した。

(注) 日本の場合、現在、基礎的自治体(市町村)数は3千あまりで、市町村合併によって千くらいまで減らすことを目標にしている。


 ホームステイしたコルミエさん宅のある集合住宅。入口のところに鉄格子がはまっていて、その施錠を開けて中に入る。中のエレベーター前にも鉄格子があって、同じく施錠されている。


 ロンドンのときもそうだったけど、新しいクラスは月曜日から始まる。そのとき簡単なテストを受けてレベル分けされる。

 アコール校では、午前中のクラスは、9時から1時までの4時間だったが、月曜日はクラス分けがあるため8時15分集合だった。

 当日集まってきた生徒は30人ぐらい。カフェテリアでオリエンテーションがあった。ほとんどフランス語だったが、大事なところは英語でも言ってくれたので大体の内容は理解できた。筆記試験と面接試験をやり、その後、新しいクラスは11時からスタートするとのことだった。
 
 筆記試験は、白紙で出すのも嫌なので、日本から持ってきた参考書を見ながら最初の数問だけ解答した。面接を受ける順番になると2名ぐらいずつ呼ばれて、講師から案内された部屋で面接を受ける。

 待ってる間、ものすごいおしゃべりな女性講師が機関銃のようにフランス語を話して、集まってきた生徒に出身国やパリの印象を聞いたりしている。

 生徒が待ってる間、飽きさせない工夫だというのは分かったが、さて自分は面接のとき何を言おうか、と思って、途中から参考書を見ながら文章を考えたりしていた。

 面接では、"I can't speak French."と最初言って、それから待ってる間考えていた自己紹介の文をフランス語で言った。何か聞かれてもチンプンカンプンの状態だったと思う。

 結局、自分も含め日本人3名とスウェーデン人1名、合計4名のクラスに入った。通常は1クラス11名くらいになるとのことだったが、少人数クラスだった。自分以外、全員女性。講師も若い女性だった。

 当然自分は入門者のクラスへ行くものだと思っていたが、入門者クラスというより初級クラスではないか、と思った。同じクラスになった人は、それこそ何年間もフランス語を勉強してきたような人だった。

 そのクラスメートが言うには、アン、ドゥ、トワから教えてくれる入門者のクラスもある筈だとのこと。

 どういった学校側の配慮があったのか。何故、自分が入門者クラスに回されなかったのか、今もって謎だ。

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