第4回「もう二度と行くもんか」七五三騒動記 
そもそも七五三というのは目出度い数だそうだ。しめなわは七五三縄とも書き、お膳の数も七の膳・五の膳・三の膳と目出度い。 それほど古い行事ではなく、明治のはじめ、あるいは江戸の五代将軍綱吉の子どもの祝いがルーツらしい。千歳飴も元禄時代に江戸浅草の飴売り商人がはじめたもので、バレンタインのチョコレートのようなものか。

スタートから波乱含み。
娘は2歳7ヶ月、数えで3歳。来年でも良いのだが、長男が動きまわる年になると、今以上に大変と思い今年決行。着物も2度ばかり予行演習し、慣れさせたつもりだったが、本番当日「お着物着ようね」といったシリから「やーだもーん」。なだめすかして、ようやく着せてお化粧までしたが、オイラは2回大声で叱り、3回中止を覚悟した。妻はもっと多かったに違いない。すでにヘトヘト。
それぞれに気合い入ってます。
神社へGO! 馬子にも衣装で、おてんば娘もなんとか絵になっている。子どものための行事といいながら、親のエゴで着慣れぬものを着せられて可哀想だが、成長後、どうして七五三しなかったの言われるよりはいいかな。少子化どこ吹く風と子どもたちで大賑わい。美容院でバッチリ着付けて髪を結い上げた子や「ドレミちゃん」の衣装を着た子など、それぞれに力が入っています。
七五三といえば千歳飴だね。
妻の実家の近くの岡田神明社。この辺りでは大きな神社である。受付を済ませて本殿でご祈祷を受ける。ご祈祷中も泣く子、騒ぐ子、走り回る子続出で、娘の落ち着きのなさが気にならず。小学校5・6年生の氏子の女の子たちが巫女舞を披露。雅楽もテープではなく実際に演奏されていた。終了後はお約束の千歳飴をいただく。よーし、この袋を持たせて記念撮影だ!
父親たちは右往左往。
本殿から出ると風船のプレゼントが。一瞬オイラはイヤな予感。しかもヘリウム入りで、浮いてるじゃないか。ヒモを離して飛ばしちゃう子や、割ってしまう子がいて、境内は大騒ぎ。わが子の晴れ姿を写そうとお父さん連中はカメラを構えて右往左往。昔、まだ若い頃、そんな父親にだけはなるまいと誓ったオイラが、今ではデジカメ、デジタルビデオ、35mm一眼レフと大きなカメラバッグを抱えて右往左往。千歳飴の袋を持たせようとしても、風船がいいとモデルは言うことを聞かず。
秋の一日、美しい花を愛でたいな。
秋晴れの一日、気温も穏やかで七五三日和。雨だったら大変だったろうな。境内では菊花展も行われていた。しかし、言うことを聞かないモデルに四苦八苦のオイラには、のんびり菊の花を眺める余裕もない。この後、デジカメが一時不調になり、シャッターを押しても撮影できないアクシデント発生。娘もデジカメも言うことを聞かず。
泣く子と地頭には勝てず。
案の定、風船を飛ばしちゃって泣く娘。だから、ヒモを手にしばっておこうねと言ったのに。イヤだと言ったのはキミだよ。お父ちゃんは知らないからね。せっかくの晴れ姿なのに、ハナが垂れてるじゃないか。今日何回目の大泣きだろう。
この後、巫女のお姉さんがもうひとつ風船をくれた。
のんびりがいいのです。
七五三に集まったのは、この神社の近所の人がほとんど。だからみんなが知り合い。あちらこちらで話の輪ができる。高名な神社で行う七五三もいいかもしれませんが、近所で行う七五三の方がオイラは好きです。娘に着物を着せて、遠くまで車で連れて行き、人混みの中を歩くことを考えるとゾッとします。
大騒ぎのうちに一生に一度が終了。
ご祈祷料は三千円也。千歳飴とらくがき帳と風船と水風船が付いてこの値段。お得なのでは。三歳の七五三は一生に一度しかない行事。無事に済ませることができて一安心。それでも、この日は帰宅後ぐったり。もう二度とこのわがまま娘の三歳の七五三はしたくないと思いました。(できないんだけどね)

〈ご案内〉
岡田神明社/名古屋駅から名鉄常滑線で約25分、「古見」駅下車。
知多バス「東岡田」行きで「大門前」停下車 ※1時間に2本程度の運行、ご注意。
Visited 01.11.11 (C)YAJIKITA NET

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