列車は山間の風景をぬって進む。
平日の午後3時、名古屋発のひだ号は当然のように乗客は少ない。高山観光か途中の下呂温泉へ向かうであろう老夫婦とビジネスマンが二人。それにガイジンの女性二人連れ。下呂温泉でショーをするダンサーかな。特急なのだが、高山本線は単線のため、いくつかの駅で上り下りの待ち合わせ。扉は開かないが、山間の小さな駅の風景に心引かれる。日本中で赤字路線の廃止が進み、こういう駅が少なくなっているのだろうな。列車は宮峠の分水嶺を超えた。川の流れが南から北へと変わった。いわゆる裏日本だな、ってそれは失礼だろう。 |