第13回「おじゃる丸多数出現!稚児行列」白華山慈雲寺 
稚児行列。仏様にお仕えする童子、童女を稚児と呼び、仏のご加護でよい子に育つように祈る習わしがある。妻の実家が檀家になっている寺で、この稚児行列が行われた。馬子にも衣装とばかりに、わが家の娘と息子も参加。少子化の時代、参加者も少なかろうと高をくくっていたら、開けてビックリ、なんと子供900人が参加するビッグイベントになっていた。

アイドル娘のお稚児コスプレ。
妻の実家が檀家である愛知県知多市にある白華山慈雲寺。ここの和尚が、正式に住職になる晋山式が行われ、その記念の稚児行列。女の子は赤、男の子は緑の衣装を着て町内を練り歩く。参加費5,000円で衣装は支給。ありがたいお祓いや参加記念品、おかしも付いてお得。もといお徳。娘は仲良しのお友達と一緒に参加。自分がアイドルだと思っている娘(写真右)は、コスプレ気分でご満悦。
約3,000人の大行列!
少子化の時代、観光寺院でもないお寺の行事ということで、子供の数などたかがしれていると思っていたら、当日はなんと900人の参加者。1名の子供に、両親や爺婆、平均3名付いてくるとして900×3で2,700! なんと、約3,000人もの大所帯。一度に歩けるはずもなく子供100名で1組。15分おきの出発となる。
馬子にも衣装とはこのことだ。
袴に裃、頭には飾り(男の子は烏帽子!)、手には桜の造花を持った子供たちが、集合場所の小学校に三々五々集まってくる。出発時刻までおとなしく待っているはずがなく、桜の造花でチャンバラ、座り込んで砂遊びなど、衣装を汚すのではという親の心配をよそに大はしゃぎ。
さあ、いよいよ出発だ。
小学校のグランドにひかれた白線。組ごとに並ぶ。わが家は、檀家さんである妻の父が先導する4組で9時30分のスタート。娘は仲良しのお友達と手をつないでお話ししながら待つ。聞くともなしに彼女らの話を聞いていると。娘「子供たちがいっぱいね」。お友達「そうだね」。娘「でも、その中で私たちが一番可愛いわよね」。お友達「そうよね」。小さくても女の子の主張。
保護者の方が多いのでは。
いよいよスタート。わが家の息子のように、小さい子供をベビーカーに乗せて参加している人たちもいるため、整然と行列するわけにいかず、隊列は最初から崩れる。衣装を着たお稚児さんだけをまとめて隊列をつくればきれいだろうに、そういうわけにもいかず、稚児行列なのか保護者行列に稚児が混ざっているのかわからない。
古き良き行列が練り歩く。
それでも、古い街並みを行く稚児行列を見物する人多し。写真を撮る人、手を振ってくれるお年寄り。この集落でも4年ぶりに行われる稚児行列。年々、このような行事は減る傾向にあり、住民だけでなく、遠くに住む親戚や近隣の市町村からわざわざ参加しに来た人も多いとか。
バタバタと座り込む子供たち。
我らの四組は途中、信号で分断されたため、列が間延び。先導役の義父は、「歩くのが速い」と言われたり、次の組が来るので「早く行け」と言われたり大変。後続を待つため、しばし行列は停止。練り歩く距離は2kmもないぐらいだが、着慣れぬ衣装を着た子供たちには酷なようで、列が停止するとバタバタと座り込む者続出。
ようやく到着。ご苦労様。
ゴールの白華山慈雲寺は目の前。この後、お寺で和尚さんから灌頂を施されて稚児行列は解散。脱いだ衣装を返却するとお菓子の詰め合わせがもらえた。お稚児たちは、衣装を着る時、額に牛若丸のように、ポチポチと二つ眉を描かれたため、この日、市内のショッピングセンターでは、まろ眉のおじゃる丸が多数目撃されたとか。

〈ご案内〉
名古屋駅から名鉄常滑線で約25分、「古見」駅下車。
知多バス「東岡田」行きで「大門前」停下車 ※1時間に2本程度の運行、ご注意。
Visited 03.3.23 (C)YAJIKITA NET

〈RETURN〉