友だち以上・・恋人未満。 こんなに好きなのに・・・
第3話
「お、俺も蓮と夫婦なんて・・・」
嫌だと言おうとすると蓮の声が、俺の言葉を遮る。
「嫌なのか?俺とは・・・」
「そ、そりゃそうだろ・・・」
「本当にか・・真司」
真司と言われて俺はドキリとした。
いつもは城戸なのに・・・
こんな時に名前で呼ばれるとなんだか・・
本当に夫婦みたいで・・・
蓮はゆっくりと椅子から立ち上がると
焦る俺の顔を覗き込む。
ふと蓮と目が合う。俺は慌てて視線を外したが、
蓮はそれを許さない。
蛇に睨まれたカエルのように俺は、動けなくなる。
蓮の瞳に俺は掴まった。
蓮は強ばった俺の顔を覗き込む。
「これでもか?」
え?何?そう思っているうちに、
俺の唇に柔らかく暖かな物が触れた。
それは、蓮の唇だった。
何がどう、今起きているのか把握出来ない。
なぜ、蓮の唇が俺の唇に???
こ、これって!!!
俺の頭の中は真っ白になった。
触れていた蓮の唇が、静かに離れた。
「どうなんだ?真司・・・」
名前を呼ばれても俺は答えられない。
そりゃ、そうだろう。蓮に・・蓮に・・・
キスされちゃったんだから。
どうって言われても・・・・。
困惑する俺に蓮は軽いため息をする。
でも、なんだか顔は嬉しそうだ。
「仕方ないな・・・」
え?
「これでどうだ?」
蓮はそう言うと、またキスをしてきた。
今度は強く唇を押しつける。
ちゅっと音を立てる蓮と俺の唇。
俺の頭はパニック状態!
現実か夢か!!!
どっちなのか、もう俺には解んないよ!
第4話へ続く
戻る