禁じられた恋でも・・いい
第2話
「上着、脱いだらどうだ?兄者。少しは身体も休まるぞ」
そう言って俺のジャケットを脱がそうとする一鍬。
誘って・・・いるのか?俺を。
一鍬は俺の脱いだジャケットを手に取ると軽く畳む。
「俺も脱ごうっと・・」
な、何!お前も脱ぐのか!や、やはり俺を誘って・・・。
「お茶が冷たくて美味しいぞ、兄者」
一鍬は自分のジャケットを俺のジャケットの上に重ね置くと、
ポットに入った冷たいお茶を湯飲みに注いで俺に差し出してくれた。
「あ、ありがとう」
な、なんだ誘ってないのか。お茶か・・・。残念だ。
「なんだか、残念そうだな兄者」
え?ば、バレたのか!?
「お菓子、少なかったか?」
お、お菓子?ああ、この茶菓子の事か。
一鍬はそう言うと俺に持ってきた菓子を器ごと差し出す。
「俺の分もあげるよ、兄者」
な、なんて可愛いんだっ!一鍬は!
俺の欲しいのは菓子じゃなくて、お前なんだーっ!
思い余ってがばっと一鍬に俺は抱きつく。
一鍬の細くしなやかな肉体を、薄いTシャツ越しで感じる。
ああ、なんて愛しいんだお前は。
「あ、兄者???」
大きな茶色い瞳で俺を見つめている一鍬・・・。
もう、駄目だ理性が吹き飛ぶ。
その紅い唇に吸い寄せられてキスをする。
柔らかくて気持ちのいい一鍬の唇。
「んっ、んんっ」
なんと言う甘美な声と表情なんだ。
ああ、この布で覆われている美しい身体を直接、視たい・・触りたい・・。
劣情が俺の少ない理性を吹き飛ばしていく。
一鍬のTシャツをまくり上げ、胸に飾られている可愛い乳首をくりっと摘む。
「んっー!」
口を俺に塞がれ、籠もった声で喘ぐ一鍬。
感度のいい身体が俺の手の愛撫でびくんと反応する。
もっと・・・もっと・・・したい。お前を愛したい。
こんな可愛い一鍬を目の前にしたら
俺はここが、先生の宅だという事をすっかりと忘れてしまった。
第3話に続く
戻る