愛している・・・でも二人は同じ血が流れる兄と弟
第8話


「そんなに、辛かったのか?」

そう言うと、俺の身体を優しく起こす。

落ち込む俺をいたわる兄者の声。すごく優しい兄者の声。

「すまなかった。俺の欲望の為に、お前をこんなに怖がらせてしまって」

嫌われなかった・・。よかった。

「止めよう」

「え?止めるって??ダメだよ、やめちゃ。

だって、兄者はまだ・・・その・・・」

そう言いかけながら兄者の堅くそそり立つ男性自身を見る。

そう、まだ兄者はまだイッてないんだ。俺で気持ち良くしてあげたい・・・。

「いいんだよ、俺の事は」

「やだよ、ダメだよ!」

「一鍬・・・」

「俺、兄者にイッてもらいたいよ。俺で。

兄者のすべてを受けたいんだ!

もう、兄弟なんてなれなくてもいいから!」

「お前」

「俺が嫌いじゃなければ・・・」

「嫌いな訳ないだろう・・・一鍬」

兄者は俺を頭から抱きしめる。なんか、これだけで幸せ。

「愛している、愛している。お前だけを・・一鍬」

「兄者、俺も愛している」

深く熱いキスをお互いに求める。

口内を犯すかのような深い兄者のキスに、

頭の心がぼーっとなってきちゃう。

うっとりしている俺の唇から兄者が離れる。

「一鍬、いいな」

うん、いいよ。だから、今度は止めないでね兄者。

思いを込めて俺は、こくりとうなずく。

そのまま、俺は布団の上に仰向きで寝かされる。

どきどきどきどき・・。

また心臓が早くなる。期待と不安が俺を襲う。

兄者は、俺の両方の足首を持つと、ひょいと上に持ち上げた。

さっき、兄者を拒んでいた部分がさらけ出される。

は、恥ずかしいなぁ・・・なんか照れちゃう。

さらけ出された尻の中心がぴちゃっと濡れた。

んんっ!思わず声が出ちゃった。

「ここ、よく濡らしておかないとな。俺のが少しでも入りやすくなるように」

そしてまた、ぴちゃ、ぴちゃっと中心が濡れる。

なにか、生き物みたいのが這っているようだ。

も、もしかして嘗めているの?

そっと、顔だけ起こすと目に入ったのは兄者が

俺の股に顔を埋めて犬のように嘗めている姿だった。

ぴちゃぴちゃという卑猥な音と舌が這う感覚にまた、元気になっちゃう俺。

き、気持ちいいんだもん・・仕方ないよ。

「なんだ、また元気になったのか?」

兄者に見られて顔が赤くなる。

「可愛いな、一鍬は本当に」

こ、こんな状況で止めてよ・・恥ずかしいよぉ。

兄者は、状態を起こすと俺の足首を持ったまま、自分の肩に乗せる。

兄者の上半身が、ぐっと俺に近づく。

尻を高くした俺に、そっと下半身を当ててきた。

尻の中心に、兄者の堅いモノがあたる。

「いくぞ」

そう言うと、入り口にぐっと押し当てると、挿入してくる。

「あああっ!」

声を上げて状態を仰け反らせ、兄者を迎える。

ずるずるっと俺の体内に入ってくる兄者。

その圧迫感と違和感に俺の身体が進入を拒む。

それに負けじと兄者の堅く大きなものが、きつい肉を押し分けて勢いよく入ってくる。

兄者は腰を動かし快楽をえようとキツイ体内を激しく動く。

鈍い痛みが俺を襲う。

い、痛っ・・・。

苦しい、苦しい・・・でも、でも。

熱い。体内が熱い。

なんか、変な感じだよ・・・俺。

鈍い痛みがだんだんし、甘い快楽に変化していく。

お尻の方、感じてきちゃったよぉ。

さらに俺のが腹にくっつくほど立ち上がり、ヨダレを垂らしている。

兄者がそっと俺の欲望を撫でる。

兄者に触られ、また声が出る。

だ、ダメだよ、そんなに触っちゃ。

も、もうなんだか解らない!き、気持ちいいよぉ。

兄者も気持ちよさそうに、俺に腰を動かしている。

甘い声と、濡れた音が心臓の音と共に聞こえてくる。

二人で、このままイキたい・・。このまま兄者と。

だんだんと二人の呼吸が荒くなっていく。

兄者はさっきより強く、激しく俺の体内に打ち込む。

早く早く、出口に向かうように急速にピッチをあげていく。

俺も、快楽の出口へ向かいたい。兄者と共に。

「一緒に行こう」

俺は、うんと軽く頷く。

ラストにむかって動きが激しくなる。

「ああああっ!そんなに動かしたら!

俺、俺・・・もう!!!!」

「イクぞ、イクゾぞ・・・一鍬!」

俺は兄者の手から弾けて白濁した液体を、自分の腹にぶちまける。

その後を追うように、兄者は俺の体内でどくんどくんと大きな脈を打つと

同時に膨れて弾け、俺の体内に白濁した体液を吐く。

とろりと兄者の欲望が体内に流れていくのが解る。

嬉しいな、俺で気持ちよくなれたんだ・・・。

愛している・・・・

そんな言葉をお互いにそっと交わし、

俺たちは、力尽きたように熱いままの体を重なり合わせた。


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