愛している・・・でも二人は同じ血が流れる兄と弟
第3話

廃屋を利用した隠れ家では、兄者が俺の為に

薬草を鍋で煮詰めて薬を作っている。

優しいなぁ、兄者は。そういう所も大好きなんだけれど

俺、別に病気じゃないし・・・。

顔が赤いのは、兄者が好きだから・・・。

なんて言えないよぉ。どうしよう。

兄者はそんな俺に気が付くはずもなく、

煮詰めた薬草の薬を木で作ったお椀に入れると、

俺にさっと差し出してくれた。

「熱冷ましの薬だ。よく効くぞ」

立ち上る湯気はなんだか、苦い香りが・・・。

うえー、これ飲むの??

「苦いかも知れないが・・・よく効くからな」

少し申し訳なさそうな兄者の顔。

そんな顔されたら、飲まなくっちゃいけないよなー。

兄者がせっかく、俺の為に作ってくれたんだもん。

俺の・・為にって、なんだか、嬉しいなー。

でも、これ飲んでも俺の熱は下がらないよ。

だって、兄者がこんなに側にいるんだもん。

「熱いから、気を付けろよ」

そっと俺の肩に優しく手を置く兄者。

兄者の優しいぬくもりが、俺の心臓の鼓動をまた早くさせる。

えーい!飲んでしまえ!

鼓動を誤魔化すかのように、俺は一気に飲んだ。

が、あまりの熱の為、ぶーっと吹き出してしまった!

手に持っていた、椀がするりと落ち、

残りの汁が俺の太股の辺りにかかった!

うわわわわー!!!と熱さでパニック状態!

「だから、熱いって言っただろう!」

そ、そんな事・・・言われても。

しょげる俺に兄者は言った。

「皮パンを脱げ!」

ええええええっ!!!!

俺はその言葉にまた、パニックになる。

「早く脱げ!一鍬!!」

ぬ、脱ぐの???脱げって・・・

ま、まさか!

なかなか脱がない俺に兄者は苛立ったのか、

俺のベルトに手をかけると強引に外す。

皮パンに手を掛けると、脱がしにかかる兄者。

ちょっ、ちょっと待って!そんな、いきなりなんて!

俺、心の準備がまだ・・・!

なんて、思いながら・・・だいぶ期待しちゃう俺。

でも、俺は甘かった。


第4話に続く

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