1998年11月14日

 パサートワゴンゴルフIVポロAクラスCクラス、Eクラス、ビスタ・アルデオ

 プログレアルテッツァ、スパシオ、デュエット、プリウス

  後ニュービートル見ました。でかいです。


 父の車はVWパサートワゴン1.8です。これはちょっと大きめで燃費もそれなりですが、運転しやすく、

普通に使っている分には(雑誌などに書いてあることに反して)速さも十分で、椅子も長時間乗っていても

疲れにくく腰も痛くならず、4人の大人が余裕を持って乗れ、荷室は広く、造りは良くて運転しやすい良い車です。

で先日、そのパサートの6ヶ月点検にデュウオに出しに僕が行きました。そこにはVWゴルフIVポロ(とパサート)

がおいてありました。期待のニューゴルフです。妹がゴルフIIIに乗っているの上、友達のゴルフIIにも乗ったことが

ありましたし、以前ゴルフIVを見かけて凄く格好良かったので本当に期待してました。で間近で見ると

このゴルフIV、実に格好良いです。ピシーと直線が通っていて、パネルの繋ぎもきっちり揃っていて、

一枚一枚がデザインされてます。オーバーフェンダーも踏ん張っていてまるでレースカーです。内装の

プラスチックもパサート同様でなかなか落ち着いた感じです。で、乗り込んでみました。うーん。ゴルフIIIに比べて

広くなっていません。椅子もスポーツ風のが付いてますが、まぁまぁと言ったところで感動的には変化してません。

その上前の窓がうっとおしくなっていてほっとする感じが失われています。AUDIのA3とそんなに変わらないです。

(基本設計が同じですから当然といえば当然ですが)ゴルフはもっと広くなっていると思ったので。

ちょっとアレっ?と思ったところで後席に移ってみます。うーん。座面が短くなっていて、その上前端がポッコリと

盛り上がってます。そこがちょうど腿の真ん中ぐらいに当たります。居心地IIIより悪いです。左右もやっぱりIIIと

変わりません。荷室も広くなってないです。4座の実用車から2+2のファンシー高級車になったみたいで、

トヨタのマークIIに世界観が近づいたようでとても違和感があります。そこでポロに乗ってみたところ

ゴルフに比べてトランクは小さいですけど、人の乗るところは劇的には狭くないです。その上、シンプルでしっかり

した椅子はVWの良い伝統を保っていてとても気持ちいいです。「高級車」「外車」が欲しい人には

ゴルフは良いかもしれませんが、良い椅子を持った(国産はこの点が良くないのが凄く多いです。他は良いのに)

とことんこき使う実用車を求めるにはポロの方が良いと思いました。それに余裕のある車が欲しいのなら

パサートの方がずっと広くて良いです。全幅も燃費もほとんど変わりません。

 そこで後日彼女を連れて(無謀にも)メルセデスのショールームへ見に行きました。目的は革新的設計を持つ

(メカ好きの僕は弱いです。)Aクラスです。この車、東京モーターショーで見たときにはえらく不安定に見えた

のですが、量産型は車高が低められたせいでずっと安定して見えます。その上、全幅が1.7メートル以上と

かなり広めなのが効いているのでしょう。細かいところの造形もフロントのバンパーが3つ山になっているなど

結構抑揚が豊かで格好良いと思いました。内装はゴルフよりもシンプルで安っぽいプラスチックですが、

ごてごて飾り立てた物が嫌いな僕にはかえって好ましく感じられました。椅子は固めでうまく作られており、

(椅子の堅さだけはW124を思い出しました。)腰にぴったりフィットしました。後席もゴルフと同等の

広さを持ち(厳密にはあっちが広そうですが)椅子の下に足を入れられる上にこちらのシンプルな椅子の方が

僕にはフィットして座面の長さもよけいな盛り上がりがないのでこちらの方が良いかなと思えました。

率直に言ってこちらの方がすっきりしていていいです。(彼女も同意見)

荷室の広さもほぼ同等で雑誌に書かれている足周りが更に熟成されたら、ベンツということを抜きにしても、

良い機械だと思います。僕も彼女も気に入りました。ただし待ち時間は1年以上(!)です。まぁ、今はお金ないので

ちょうど良いのですが。

 その際、お願いしてCクラスとEクラスにも座らせて貰いました。重厚感ではさすがにこちらが圧倒的です。

しかし、絶対的な広さではAとCは同じぐらいで、Eは後席は広いものの少なくとも前席に関して言えば

そんなにCと変わらず、後席もCで十分だと感じました。Eの丸目は実は好きだったのですが、車としては

Cで十分だと感じました。良い車だと思います。やっぱりいくら安くなったとはいえ、カッチリ感は残ってます。

これまでメルセデスを乗りまくってきたわけでない僕には十分独特の世界を感じさせられました。

 本日トヨタの大試乗会があったので再び彼女と行って来ました。メルセデスの感触が残っている上なので

世界的には競い合っているトヨタの車は楽しみです。(今の愛車は旧型スプリンターカリブですし。)まずは

今日じゃなくて実は以前に見たアルデオです。広いです。椅子もまずまずの合格点です。

(Aクラスの方が好きですが、まぁ、固い方が良いって言うのは個人差ですから。)荷室は上げ底で下に

サブトランクが隠れていますが、普段の実用性はセダンのビスタと同等のようです。車に安楽さを求める人には

最上の選択かと思われました。実用車としてはゴルフより上です。パサートとは・・うーんトランクの差が。

パサートと比べられるのはレガシーじゃないでしょうか。アルデオはもうちょっと荷が少ない人向けです。

人の乗るところの広さもちょっともったいない感じです。元気いっぱいの男の子が複数居る家族には

良いんじゃないでしょうか。

 次に本当に今日乗った車達で、最初はプログレです。夏目漱石の宣伝が好きです。その上僕の好きな

福野礼一郎さんが絶賛してます。造りは本当に丁寧で、外装はまとまりがないですが、まぁ、僕は好きです。

(美的ではないと思いますが、昔のローバーのセダンのようなので)内装は本当に丁寧で、椅子の布が

えらく気持ちいいです。椅子もちゃんとサポートしてくれて中は前も後ろも十分に広いです。

 が、しかし、けれども、運転してみたら僕にはあいません。まず、一番あわないのが乗り心地です。

柔らかい、と言うよりはうねうねとピッチングが出て船の上で波に揺られて居るみたいです。

酔いました。雑誌などで「乗り心地がよい」と書かれている車に対しては車酔いしやすい人は

注意した方が良いと思います。シトロエンは大丈夫だったのですが。

うーん。アクセルも踏んだ瞬間にワッと出てその後スピードの伸びが鈍り、それから

最後にワッとのびる感じの旧来の日本車のトルク特性で、とても気持ち悪いです。僕の理想のトルク特性は

ゴルフIIIの1.8lの方のもので、2000回転ぐらいにピークが来てその前後がなだらかになっているものなのです。

これだと普通に乗っているときに軽く踏めば切れ目なくすーっと60km/h以上まで伸びていきます。

プログレ(250でした)の特性は逆です。軽く踏むとワッと出てぎくしゃくし、その後が続かないのでまた踏み足す

といった様子で、とてもこれは高級車とは言えません。プログレには期待していただけにがっかりでした。

セルシオの方がカッチリしていて良かったと営業の人に言うと、セルシオでは大きすぎて狭い道をすいすい

入っていけず、プログレぐらいが妥当なサイズではないか、セルシオは足周りはeRバージョンがあるから、

とのたもうて居ました。サイズについてはえらく納得行きました。が、プログレはいかん。ちっちゃいセルシオを

期待してたのに、これではちっちゃいクラウンだ。(クラウン、特に昔の奴で酔う筆者)

 次はアルテッツァです。試乗車はAS200Zエデイションでした。6気筒のオートマの方です。

ここ1年はマニュアル乗ってないので、実はちょっとほっとしました。その上どうもアルテッツァは6気筒の方が

僕にはあいそうだな(普段の実用性など)、と思っていたので、ちょうど良かったです。

乗ってみるとこれは良かったです。ピシッとしまった乗り心地は剛性の高いボディーによって全く不快感なく、

より遮音を省いたダイレクトなタッチも僕にはより魅力的です。だからといって五月蝿いこともなく、

エンジン音が程々に入ってきて足周りも素直に動き、気持ちいいです。プログレにはうーんとうなっていた

彼女もこれには満足です。格好はちょっと子供っぽすぎる(怖い)のがなんですが、

実物は写真よりはソリッドな綺麗な形をしており、大人が乗っても凄まじく恥ずかしいことはなさそうです。

(女性向けではなさそうですが)

ジグザクゲートのATも使いやすいし、クロノグラフメーターも思ったよりはうざくなかったです。

(好きってほどではないですが。)中の広さも後席も含めて十分です。プログレのショートホイールベース版と

言うことで狭いのを怖れていたのですが、これなら問題ないでしょう。ステアリングの感覚はスポーティーなFRと

言うこともあってスカイラインに似ています(といってもR33迄しか運転したことありませんが。)しかし、

オーバーハングが短いせいでしょうか、スカイラインよりも鼻先が軽い感じで(4気筒版を思い出しました。)

おそらくRS200の方は更に痛快なハンドリングマシーンになっていると思われました。トヨタの方に聞いても

まぁ、音や振動はだいぶ大きそうでしたが。昔のM3に似た硬派な味わいがあれば良いなと思います。ブレーキの

効き方も人工的な感触のあるプログレよりも自然で自信を持ってスムーズに踏んでいけます。

この6気筒はなかなかの傑作車です。4気筒はまだ乗ってないので(^^;)

欧米でレクサスとして売られるのも納得行きます。本日の試乗会でも人気はナンバーワンで

アルテッツァは全く休むことなく試乗に出発していました。運転が好きな方ならプログレより絶対こっちです、

ってあたりまえでしたでしょうか。結構試乗する人や町で走っている人の年齢が高いのが面白いです。

昔86に乗っていた人たちなのでしょうか?個人的にはトヨタの中で一番気に入りました。

 この後はまぁ、参考程度に乗りました。プリウスはちゃんと外で乗ったのは初めてだったのですが、椅子は

まぁまぁいいのですが(ちょっとだけ痛くなりました。)やっぱりかなり特殊な機械で、シトロエン好きな人には

もしかしたらいいのかもしれません。僕にはトランクが小さすぎるのですが。運転が「操縦」していると言うよりは

「操作」しているみたいなので、松本零士の「男の機械」にあこがれる人には向きません。ほんわかしたファミリー

向けですね。考え方も設計も好きなのですが、ちょっと僕にはベクトルが水平すぎました。

(プログレのような妙な上昇傾向よりは良いのですが。)

ハイブリッドはホンダのスポーティーな奴に期待してます。システム的にも軽そうですし。

日産は・・・とりあえず保留。ただし、あの「ティーノ」がスクープ通りの形で出てくるとすると、

ルノーメガーヌセニックそっくりですけど、訴えられないんですかね。

 スパシオは彼女の希望で(笑)。今となっては少なくなってきた6人乗りです。後席は意外と座れました(笑)。

昔の貨物車扱いだった軽の後席よりちょっと小さいぐらいです。ってつまり、いわゆるスポーティーカーの

後席と同レベルですね。前席もボワーンとした感じで、広さは使い切れてない感じです。席が高いことによる

見晴らしの良さはまぁ、良いものですが、なくてはならないことはありませぬ。椅子はバックレストは

なかなかですが、座面長が足りませぬ。ひどくはないです。運転すると上屋の重さが気になってドローンと

ロールします。エンジンのトルクの出方は良かったです。昔のエンジンとはえらい違いです。思うに今の普通の

カローラ・スプリンターってかなり良い車なんじゃないでしょうか。これから推察するに。

 最後にデュエットはもちろん、ダイハツストーリアのことですが、これは10年前に乗っていたミラを思い出しました。

3気筒エンジンの音と振動、サスペンションの動き、臭い等々。椅子の出来はちゃんと支えてくれるなかなかのもの

だったのですが、やっぱり本来トヨタの車と比べると、造りの荒さが目立ちますし、あまりにも軽を思い出して

しまいました。乗り心地も軽の様にぴょこぴょこ飛び跳ねるもので、本当に町乗り専用だと思いました。

ヴィッツ(ヤリス)に期待したいところです。僕は小さい車が大好きなもので。

(この項終わり)

 

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