諸君私は萌が好きだ
諸君私は萌が好きだ
諸君私は萌が大好きだ

メイドが好きだ
奴隷が好きだ
妹が好きだ
後輩が好きだ
ロリが好きだ
尻が好きだ
眼鏡っ娘が好きだ
先輩が好きだ
年上が好きだ

部屋で
路上で
街で
喫茶店で
独房で
野外で
車の中で
ベッドで
ラブホで
便所で
この地上で行われるありとあらゆる萌のための行動が好きだ

戦列を並べたオタクの全力疾走がスタッフを吹き飛ばすのが好きだ
空中高く放りあげられたスタッフが、恨みの言葉を吐いて逃げ去る時など心がおどる

大手サークルが新刊の制限をするのが好きだ
悲鳴を上げて並んでいる列から飛び出してきたオタクをMTGでなぎ倒した時など、胸がすくような気持ちだった

鵜の目鷹の目なオタク連中が下らないサークルを蹂躙するのが好きだ
恐慌状態の売り子が既に息絶えたオタクに何度も何度も説明を繰り返す様など感動を覚える。

敗北主義の同人野郎を街灯上に吊し上げていく様などもうたまらない
泣き叫ぶ彼らが私の振り下ろした掌と共に金切り声をあげるオタクにばたばたとなぎたおされるのも最高だ

哀れな新参者達が、雑多な知識で健気にも立ち上がってきたのを
１００万を越える古参兵と壁際の列が
一般常識ごと心を粉砕したときなど絶頂すら覚える

阿呆助の価値観に滅茶苦茶にされるのが好きだ
必死に護るはずだった新刊が蹂躙され著作権が侵され
信念が失われていく様はとてもとても悲しいものだ

大手サークルの物量に押しつぶされて殲滅されるのが好きだ
『おっかけ』に追い回されて害虫のように島端を這い回るのは屈辱の極みだ

諸君

私は戦争の、地獄のようなその即売会を望んでいる。

諸君、私につき従う大隊戦友諸君
君たちは一体何を望んでいる？

更なる萌を望むか？
情け容赦のない糞のような修羅場を望むか？
鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を殺す嵐のような即売会を望むか？

『萌！　萌！　もえー！』

よろしい、ならば修羅場だ。
我々は満身に力を込めて今まさに振り下ろさんとする握り拳だ
だがこの冥い闇の底で半世紀もの間耐え続けていた我々にただの即売会では物足りない！
大即売会を！

一心不乱の大修羅場を！

我らは僅かに一個大隊
千人に満たぬ敗残サークルにすぎない
だが諸君は一騎当千の古強者だと私は信仰している

ならば我らは諸君と私で
総兵力１００万と一人の軍集団となる

我々を忘却の彼方へと追いやり眠りこけている連中をたたき起こそう
髪の毛をつかんで引きずり下ろし眼を空けさせ思い出させよう

連中に本当の萌の味を思い出させてやる
連中に我々のペンの音を思い出させてやる

商業と同人のはざまには奴らの哲学では思いも寄らないことがあることを思い出させてやる


千人の同人作家の戦闘団で


世界を萌やし尽くしてくれる


　　　　　　　　　　　　　　　――超巨大サークル『最後の大隊』の長・かろねるさんの夏コミ（白紙でした）の演説より――